
https://youtu.be/NhHRnQtMKcg
エル アマブレ(親切なお方)/ ホセ フェレール 1835-1916
EL Amable/José Ferrer / José Ferrer 1835-1916
ギター演奏:長谷川 郁夫
指頭奏法
Guitar:Ikuo HASEGAWA
playing the guitar without using nails.
美しく、可愛らしい小品です。歯切れの良い軽やかな伴奏に伸びやかなメロディが乗り、A-B-A-コーダと流れてゆく構成をとっていますが、中間部に現れる大きな曲の変化が新鮮な驚きと喜びを表しているようで大変魅力的に感じます。
ところでこのタイトル、はじめは「優しさ」とか「優しき人」みたいな事かなと思っていましたが、スペイン語に堪能な知人に尋ねたところ、こんなお返事を戴きました。
「もともとamableという単語は「親切な」という意味の形容詞です。優しいとか、愛想が良いとかいう雰囲気はあっても敢えて一語で対応する日本語を探せばやはり「親切な」になると思います。そこに男性定冠詞「El」をつけて、ましてやamableも大文字から始めているということは、「優しい人」、「優しいお方」、「優しいあなた」といったところですが、その優しいのは男性です。《私の郁夫》という訳は如何でしょうか?」
最後の一文にはゲホゲホっとむせましたが(笑)
しかしそうか、男性かぁ~。というわけでとりあえず「紳士」というのも浮かびましたが、「親切・・・か、うーん」と考え込んだ末に「親切な殿方」なんていうのも浮かんだのですが結局「親切なお方」という邦題で収めてみました。
曲について、現在わたしの力ではこれ以上探ることはできないのですが、フェレール先生はどんな経緯でこの曲のタイトルをつけ、その親切なお方に献呈したのでしょうねえ。生徒さんか、世話になった方か、あるいは・・・。
楽譜はファクシミリではありませんがペトルッチ楽譜ライブラリーより入手できます。フェレールの項をご案内しますのでamableで探してくださいね。
https://imslp.org/wiki/Category:Ferrer,_Jos%C3%A9
作曲者ホセ・フェレールは
スペイン、カタルーニャの生まれ。同じくカタルーニャのギタリスト、ホセ・ブロカ(1805-1882)に師事しています。ブロカはD.アグアド(1784-1849)のギター指導を受け、弟子にはアグアドメソッドで教えたと言いますからフェレールはアグアドの直系?孫弟子と言えるかもしれません。1882年(47歳)~1898年(63歳)パリへ居を移し音楽学校で教鞭をとり、また歴史ある劇場で公式のギタリストとなりました。その後はバルセロナの音楽学校でも教えるようになりパリとバルセロナを行き来していましたが1905年(70歳)にはバルセロナに定住しそこで1916年、81歳で没しました。
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