そろそろ普段使いのモダンギターの弦交換の時期が来ました。
いつもはプロアルテのノーマルテンション高音弦に
サバレスのコラムかカンティガのノーマル、
あるいはハードの低音弦を合わせていますが
今回はナイルガットの弦を張ってみようと思いました。
指頭奏法にツルツルのナイロン弦は
まあ、慣れもあるのですが若干つかみにくく
そういえばナイルガットという手もあったかぁ!と
そこに気づくのに1年以上かかりました 
弦はずっと前から持っていたのに。。。
ま、なにはともあれ。

ナイルガットとはイタリアのアクイラ社が開発した弦で
化学合成ながら、ガットの比重と手触りを追及した製品です。
弦楽器の場合、
音程・弦長・張力・弦の比重が相互関係にあります。
つまり、ナイロンはガットより比重が軽く
カーボンナイロンはガットより比重が重いため
同じ弦長・同じ音程で同じ張力を得るためには
ナイロンだとガットより太い線を
カーボンだとガットより細い線を選ぶことになります。
それがナイルガットなら同じ太さになるから
ガットのイメージに近いということですね。
手触りの方は少しカサカサ、さらさらしています。
本物のガットとはまあちょっと違いますが
言いたいことはよくわかります(笑)
アクイラ社のナイルガットシリーズのラインナップは
※あ、ここはわたしの理解なので違ったら訂正します。。。
モダンギター用が
「ペルラ」 ノーマル/ハード
高音弦は白色だがカサカサしていないナイロン弦、
(以前は普通の透明ナイロン弦でした)
低音弦はナイルガットのコアにメッキの銅線巻き
つまり、ガット弦は意識しない普通の人向け
「アルケミア」 ノーマル/ハード
高音弦がナイルガット弦
低音弦はナイルガットのコアに純銀線巻き
ナイルガットによるガット弦風の感触・音色を期待したい人向け
「アラバストロ」 ノーマル/ハード
高音弦がアルケミアと同じナイルガット弦
低音弦はペルラと同じ巻き線
アルケミアは純銀巻きで高価だから普通のやつでという人向け
の計3銘柄6種類。
そしてアラバストロと同じ組み合わせで少しテンションを下げたもので
20世紀初頭のイメージしたという「アンブラ900」と
19世紀ギターをイメージしさらにテンションを下げた「アンブラ800」があります。
(テンションを下げるというのは、より細い弦をセットするという意味です)
ただまあ、現実的には
アクイラ社の設定はわたしにとっては全体に少しテンションが高めの傾向で
モダン楽器用はともかくとして
ヒストリカルな楽器にはちょっときつく感じます。
今回は弦長625ミリのモダンギターにアンブラ900を張ってみました。

高音弦を計ってみると
1弦 0.66
2弦 0.82
3弦 0.98
でした。
ただこの弦、張るとものすごく伸びるので
演奏時はもう少し細くなっているでしょう。
とりあえず張った直後の感想を書いておくと
高音弦は指紋とこすれて少しカサカサ言います。
低音弦は新品ぽい金属音がなく・・・鳴らなくなった感じ(笑)?
低い成分が割と強めに出て落ち着いた響きなので
このあたりは奏者によって好き嫌いはわかれるでしょう。
わたしはそんなに嫌いではありません。
指頭奏法的にはガット弦の感触とは違いますが
ナイロン弦よりは確かに音を出しやすいように感じます。
それはツルツルのナイロン弦が(滑るから)グッと掴みたくなるのに対して
やっぱり指との摩擦があることで
指と弦の引っかかり具合をコントロールしやすいからでしょう。
軽くひっかけて弾くなんていうことができるということです。
この辺は指頭奏法のはなしがもう少し進んだら書きたいと思っています。
テンションはできるならもう少し下げたいので
これで調子良さそうなら次回はアンブラ800を試してみましょう。
全体にはそんなに悪い感じもしないのですが
ポイントはこの人工的なカサカサをどう感じるかですねえ。
リアルガット弦を使わないなら
この指にかかってくる感じは現状唯一無二ともいえるわけですが。

しばらく張って、また新たに感じるところがあれば
この後に追記します。
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