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2006年4月 6日 (木)

荒井勝巳 1975/2003年

Araigジョン・ウィリアムスも弾いた“さくら変奏曲”を作ったことでも有名な横尾幸弘氏にギターを習い、氏にギター製作の道を勧められて製作家になったという荒井勝巳氏。修業を積み1968年に独立ということですからもうすぐ製作40周年になろうという方ですね。

今回紹介する楽器は1975年と2003年の二つのラベルを持つ楽器です。75年は製作年、03年は製作者本人にフレットや力木、塗装などリフィニッシュを受けた年になります。弦長は650ミリで標準ですが、当時のスタンダードを思うとネック幅やボディ、胴厚などはほんの若干小形に感じます。まあ小型ボディもよく見かける昨今では、特に小さいという感じは受けません。

表板は松、横裏は見事な木目のハカランダと厳選された材料が使われていて、いわゆる最高級クラスに入るものです。荒井氏の楽器は現在の作品もダイナミックな鳴りを感じますが、75年当時の楽器も同様の印象がありますね。音は低音はずっしりと豪快に鳴り、高音もツンとハイポジションまでスッキリ良く通る透明感のある音色です。これらは荒井氏のギター共通の特徴と言えるでしょう。手に感じる張りは普通くらいですが、しっかり強く鳴らしたときに負けずに応えてくれる男性的な“力”を持った楽器。ホントに良く鳴るんで弾いていて気持ちがイイですよ。作られてから30年以上経った「こなれた鳴り」って言うんですかね、楽器全体がしっくり鳴る感じとリフィニッシュを受けて音のピントがカッチリした感じがうまくミックスしてちょうど“弾き頃”のコンディションですね。

Igaオーナーは生徒の50嵐君。鮮やかな黄色のアランフェスケースに入れて教室に持ってきます。この楽器の前は入門ギターだったから初めの頃は取り扱いに緊張して弾いていたようだけど、もうずいぶん慣れて“自分の楽器”って感じになったね。「やっぱ、音が違いますね。弾いていてずっと楽しいです!」と今では大のお気に入りで腕もそれに伴って上がりました。50嵐君は栄養士の資格を持っていてこの前まで調理の仕事をしていたけど、この度心機一転!春から保育士の資格を取るべく学校に通い始めています。「おお!じゃあ保育士になった暁は子供たちにせがまれたりして毎日ライブかぁ?」と言ったら笑ってましたヨ。

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