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2006年5月23日 (火)

オカリナ

060523オカリナはもともとどこの国にもある“土笛”の進化系ですね。基本は土をこねて作った焼き物なのですが、時々木で作ったものやその他の材質のものも見られるということです。このスタイルが確立したのは19世紀半ばのイタリアだそうです。オカリナの“オカ”とはガチョウのこと。吹き口を上にして、ちょっと無理して想像すると(笑)、鳥のような姿が見えませんか?

オカリナは“閉管楽器”と言われます。フルートやリコーダーがいわゆる管・・・つまり全部の指穴を閉じたとしても開口部があるのに対してオカリナはそうした場合歌口以外に開いているところが無くなります。閉管楽器の大きな特徴としては音程を作る指穴はその大きさでほぼ決定し、位置はあまり関係ないらしいです。

オカリナの最大の魅力はやはりその音色でしょうね。丸っこい柔らかな音は癒しの雰囲気を醸し、単純な旋律も心に染み入るような味わいを持ちます。また音を出すシステムがリコーダーのような歌口によるものですからはじめてでも容易に音が出せるの点も人気の秘密でしょう。

逆にオカリナのいちばん難しいところは「音程」のようです。笛と名のつくものは大概そうなのですが、大きな音を出そうとして強く息を入れると音程が高くなり、弱く入れると低くなります。これがオカリナの場合(ほかの笛に比べても)かなり幅が大きいようですね。ですから、プロ奏者は指穴はあくまでも目安程度のものと考えて音程は自分で作るという意識を持って取り組んでいます。あと強いて言えば音域の狭さですかねえ。まあ、これは一概に弱点とも言えないのですが持ち替えなどが多いと大変そう。。。それとレパートリーのこと。どこかでも以前書いたような気がするのですが、アレンジはともかくとしてオリジナルやギターで言うところの「禁じられた遊び」のような定番曲などソフト的な充実度はまだまだこれからだと言っていましたね。とりあえず私もオカリナさんとのライブの時には自作の曲を少しずつでも作るようにしています。

さて写真の方ですが、これは時々一緒に演奏をする佐藤善江さんのオカリナセットでリハの時に撮影させてもらったもの。彼女はもっともっとたくさんのオカリナを持っていて、その中でも今度のライブで使うセットという事になります。色つきの方が有名なアケタのオカリナ。僕も名前は知ってましたよ・・・というか、それくらいしか知らなかったとも言えるんですけど(笑)。明田川さんという製作家の工房で作られていて日本のオカリナの草分け的存在です。かなり普及してますから楽器店などで比較的入手もしやすいようです。そういえば以前私の母がオカリナを吹きたいと急に言い出したときプレゼントしたのもアケタでした。立川の新星堂で売ってましたねえ。音量もあり、音に丸みがあっていわゆるオカリナのイメージだなあと思うのはこれが日本にオカリナを定着させたモデルという側面もあるでしょうね。色はグレードや種類とは関係ないようで時期によって流行色なども取り込んだりしいるらしい。。。おしゃれ

一つだけ真ん中にある茶色いのはティアモという名前がついたオカリナ。これは茅ケ崎に住む製作家によるものでなんでも珈琲で薫製?にして色をつけたとか。素朴な味わいがありますね。触ってみるとアケタよりも土の密度が高い感じ。歌口が△に切ってあったりいろいろなアイデアが盛り込まれており、ピッチ(音程)が比較的安定していて合奏に使いやすいとか。音色も“リコーダー的”というとちょっとアレですけど、わりあいまっすぐストレートに伸びる感じがしてやっぱり製作者や作り方がちがうとずいぶん変わるものだなあという印象を持ちましたね。

オカリナの製作は釜さえ使えれば“善し悪しはともかくとして、まあ音が出る”ように作るのはそれほど難しくないらしく、趣味として楽しんでいる方も少なくないようです。また演奏者が自分のために作ることもあるようですよ。ただし、演奏会で使える楽器となるとこれが案外難しいらしいです。まず「焼き締まり」と言って、焼き物って急須でも茶わんでも粘土で作った状態と焼いてでき上がったものって大きさが違うんですよ。小さくなっちゃうんです。・・・ということはオカリナの場合音程が上がっちゃうわけで、それがどの程度かは土や焼の温度や諸々によって違ったり。。。それと、焼いて堅くなると調整も難しかったりとか。したがって、まず山ほどのオカリナを作ってみてその中から良いものを選ぶ・・・結局そんなことになるようです。製品として売られている同じメーカー・同じモデルのものでも、僕が見てもわかるくらい特徴というかバラつきがありましたから、選ぶ場合はなるべくたくさんのサンプルから選べると良いんでしょうね。なかなか奥深い楽器です。

佐藤さんありがとうございました。

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