指頭奏法・実践編(1)
これまでは指頭奏法をやってみようと思ったきっかけについて
少し書いてきましたが、
ここからはどういう風にアプローチしているか
そしてやってみての感想などを書いてみようかなと思っています。
いずれにしても、「これが正解だ」というようなものではなく
いろいろトライしてみたメモのようなものです。
まず今回の指頭奏法は主にガット弦を張った19世紀ギターを
うまく鳴らすことができるようになりたい
そのうえでモダンのナイロン弦にも対応したいというのがねらいなので
とりあえずあまりアポヤンドのことは考えすぎないようにしました。
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19世紀ギターは指板が表面版と面一(つらいち)なものなどもおおく
表面盤上に指板があるものであっても
現代のギターのようには厚みがありません。
なので右手がタッチするブリッジ近辺でも
あまり弦高が高くありません。
これは当時一般的にやられていたという
右手の小指を付ける奏法には都合が良かったことでしょう。
まあ、卵が先か鶏が先かわかりませんから
そうやって弾きやすいようにするために
ブリッジ周りの弦高が低くなるように作っているのかもしれません。
余談ですが
指板と表面版が面一の楽器は
フレットが表面版にかかる13フレットから先で
急激にサスティーンがなくなります。
その部分を良く鳴らしてやるためには
フレットを表面版の振動から隔離してやらなくてはいけないようで
そのために表面版に指板を張り付ける方法は効果的だったようです。
つまり、
19世紀ギター黄金期の大半の曲・・・普通の曲?は
12フレット以内で演奏できるものばかりでしたから
右手が弾きやすい面一モデルが良かったのですが
もっと上まで弾きたいという要求については
弦高が上がって多少右手が弾きにくくても指板付が選ばれた
という感じなんでしょうか。
さて、話を戻して
弦高が低い19世紀ギターでは
タッチ時よりリリース後により深く指が入り込むような
押し込むアポヤンドをすると
指が表面版に達して叩いてしまうということもありますし
張力が弱く、弦高が低い調整では
弦の縦振動はビレやすいのもありますし
音色的にもボワンと飽和した音になって
メロディを横につないでいくには
あまり使いやすい音とは思えませんでした。
楽器そのものも音量のピークよりも
感度の良さに振って作られていますから
こういう楽器の性能を引き出すには
表面版に対して平行に振動させるように弾く
ということが大切だろうと考えました。
アルアイレで弦を横に押す。
これがまずテーマでした。
つづく
※あ、弦を上に引っ張り上げるように弾くのは論外ですからね!
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