19世紀に「チェンバロ」 その1
GG連載ネル・コル記事の続きばなしです。
上の画像はジュリアーニの作品65、ギターと鍵盤バージョンの表紙ですが
タイトルには「ギターとチェンバロ」とあります。
この作品が作られた時期はギター五重奏バージョンとほぼ同じ
1815年前後のようです(出版は1823年)。
その当時にチェンバロもあったとは思いますが
楽譜はダイナミクスの指示もあって、ピアノ用に見えます。
まあ、実際に相手をしたと思われるフンメルさんは
いわゆる当時のピアノで弾いたと思います。
何だろうなあ、思って検索してみると、興味深い記述が見当たりました。
GGサロコンでリュートチェンバロ(ラウテンべルグ)の演奏が大好評で
ギター界にも名前が知られている渡邊順生氏のインタビューより
「チェンバロ」という呼称ですが、18世紀にはピアノもクラヴィコードも含めて、
有弦鍵盤楽器はみんな「チェンバロ」なんです」
http://www.cembalo.com/instruments/writings37e.htm
こういうことが、19世紀になってもまだ(一部に)残っていたのでしょうかねえ。
ネル・コルの作曲者パイジェッロのイメージとかもあるのでしょうか。。。
そう言えば、全然関係ない話ですが
ブリームが編曲したボッケリーニの序奏とファンダンゴ、
チェンバロと書いてあるのに、明らかにピアノ的な楽譜で
チェンバロ奏者に見せると
「ああ、これはチェンバロの楽譜じゃないよ、こうは弾けない」と言われ
ピアノ奏者に見せると
「チェンバロって書いてあるじゃん」と言われた・・・
という経験を、ふと思い出しました(笑)。
| 固定リンク | 0
コメント