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2017年4月15日 (土)

研磨弦その2 ラベラ・ポリッシュド

前回に引き続き、研磨弦の後編は低音弦です。

クラシックギターの低音弦の構造は
芯にナイロンフロスといわれる極細のナイロン繊維の束があり
その外側を金属の細い線が巻いています。
近年ではそれらに新素材が使われることもあります。

ナイロンが使われる前は絹糸が芯になっていました。
※今でも絹糸芯の低音弦はアンティークギター用に少量作られています。

巻き線は銀色メッキされた銅線が主流ですが
時々メッキをしていない銅(10円玉の色)や
銅と亜鉛の合金(真鍮、5円玉の色)のものも見かけます。

で、低音用の研磨弦というのは

もともと巻き線は丸い線なので
巻いていくと表面は凸凹になるのですが
その凸凹を磨いて平らにした弦ということです。

フラットワウンドといって、もともと四角い(丸くない)線を巻くことで
表面を平らに仕上げる場合もあるようです。

今回取り上げているラベラの弦は
どれも「ポリッシュド」とあるので磨き加工と思います。
「ポリッシュドpolished」は文字通り《研磨》。
高音弦はレクチファイドと称するのに低音弦はポリッシュド。
製法の違いかなと思います。

さて、ではまず普通の弦の様子から
写真をクリックすると大きく見ることができます。

815lt

Dsc00873

ハナバッハのシルバースペシャル緑 815LTです。
表面が∩∩∩∩となっているのが見えるでしょうか。

ここから、ポリッシュ弦になります。


413p

Dsc00869

ラベラ プロフェッショナルシリーズのレコーディング413P。
真鍮巻きです。テンションはミディアムの1種類ですが
ギターショップアウラのHPによると
1~6弦までのセット弦の張力表示が37.9キロとあるのでむしろローテンション系です。
実際に張って使ってみても、強さ、硬さは感じませんでした。

表面がΠΠΠΠとなっているでしょう!

つづいて・・・

500p

Dsc00865

ラベラ・プロフェッショナルシリーズのコンサート&レコーディング500P。
こちらはメッキされた銅線で、変色防止加工もされているとか。
しかし、すでに見たことないような燻し銀の色(笑)

ハイテンションの扱いですが、数値でも413Pより少し強い程度で
413Pと比べて、手に感じる張力の違いはほとんどありませんでした。
ただメッキのせいか413Pより発音がはっきりしているように思います。
アウラHPによると6本セットで38.4キロのテンション。

オマケ情報ですが、このセットは高音弦も試しましたがなかなか良いです。
ピンと張ったやや硬めな感触があり、音色よく、安定がものすごく早い!


研磨弦、もう一つあります。


2017041400001

Dsc00868

ラベラ・エリートクラシカルシリーズの900という型番。
これは写真の研磨された真鍮巻きの低音弦に
違った高音弦を組み合わせて3種類のバリエーションを作っています。

ゴールド(黄色っぽい)色の高音弦は900
1、2弦はゴールド、3弦が巻き線で用意されるのが900W
ブラックナイロンの高音弦は900B

セット売りがほとんどですが
池袋のファナでは低音弦だけのバラ弦を扱っていました。
その際の型番は
4弦908 5弦910 6弦912 となります。

殆ど413Pと変わらないんじゃないか!?と見えますが
413Pよりフラット度が高く、フラットワウンドのような感触。
そして、少し張りが強く、表面の硬さも感じます。
アウラHPによると900Bセットで39.4キロ。
それと、プロフェッショナルシリーズと比べるとグッと格安。
・・・なんでだろう?

======================

ポリッシュド低音弦のまとめですが、
凸凹がなくなると左手の移動でキュッキュ言わなくなります。
ウルトラスムーズ、ヴィラ=ロボスなんか弾き放題!(笑)
これが「レコーディング用」などと言われるゆえんですね。

音色の方は、マイルド(円やか)、メロウ(芳醇)
・・・まあ、平たく言えば・・・使い込んだ弦の音(笑)??
いやいや、そんなひどいものではないのですが coldsweats01

普通のギターの低音弦って
新品のときにジャリっていう音がしますよね、よく言えば、ブライトな感じ?
まあ、それが鳴ってるってイメージにつながるのかもしれませんが
1週間~10日もすれば、そういう音は収まって
(わたし的には)本来の音がするように思うのですが
「ジャリ」が好きな人は、頻繁に弦を替えたり
演奏直前に交換したりするのかなと思っています。

でも、あの音はやっぱり指(爪)が弦をこするノイズが
耳に早く到達するから「ガツン」と聞こえるんですよね。

この研磨弦にはまったくそういう要素がありません。

ボーーンっていう音(笑)。

でも、19世紀ギターとかを弾いていて
絹の弦や巻き線の細い弦に慣れていると
ボーーンのなかに楽器の音を聴いているので
こういう音も悪いと思わないんですよね。

むしろ(弦ではなく)楽器が鳴っているような自然な鳴り方かなと。

あ、もちろんモダンギターでは時々欲求不満的な気分も
感じないといったらウソになりますが coldsweats01
楽器の中ではバランスが取れた響きのようにも思います。

ギターデュオなどでは相手次第で決定的な違いが出るかもしれません・・・

19世紀ギターレプリカでは
田中清人作のラプレヴォットモデルに
前出のプロアルテ・レクチファイドの高音弦と
ラベラの413Pの低音弦を張ってみましたが
モダンギターとは違う個性的な響きを
弦の方からも作れてなかなか良かったです。

モダンギターでの試用も続けます。

この記事を読んで、ご自身でもやってみようと思われた場合は
張った直後に
「鳴らない」→「ダメだ」と即断しないことが肝心ですヨ。
いや、張ったら必ずそう思うと思うので(笑)

慣れると好きでたまらなくなる日が来るかも! happy01
そんな予感があります。

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