ドゥカーテン・コンツェルト と パノルモラベル
現代ギターの6月号の記事を書いてます。
ジュリアーニの「うつろな心」による変奏曲を取り上げているのですが
作品4がギターソロで、後に同じテーマで(曲としては違う)作品65を書いています。
作品65はギター+弦楽カルテットの編成で
後にギター+ピアノ版も作られます。
ここで、当代随一のピアニスト、フンメルさんとの親交(共演)の
話題があったりするのですが、
ヴァイオリニストやチェロとも組んで
今でいうところのユニットを作って人気だったらしいのです。
その名も「ドゥカーテン コンツェルト」。
このドゥカーテンというのが実は金貨のことで
その時のライブ会場への入場料だったというのです。
あ~、つまり・・・いま風に言えば「ワンコインズ」みたいな?
というわけで、一体いくらくらいなのか調べてみました。
手がかりもないので、とりあえずドンドン検索してみたのですが
「1ドゥカートは9シリング4ペンスのこと」
と出てきました。
まあ、話はオーストリアなので英国通貨にしてしまうのもどうかとは思いましたが
そのくらいしか出てこないので(^_^;)
1ポンドは20シリングで1シリングは12ペンス。
で、19世紀ごろって1ポンドは今でいうところのいくらなの?
と思うと、ありましたありました。シャーロック・ホームズがらみで。
つまり、シャーロック・ホームズの小説の中で
ポンドやシリングなどお金にまつわる描写が出てくるのですが
いったいどのくらいの感覚かな?って思う人が多いのですね。
さすがいつの世も人気のホームズさん。
ホームズの時代はジュリアーニより30年以上は後なのですが、それによると
だいたい1ポンド5万円前後くらいに思っていれば良さそうなんで
逆算して、1ドゥカートは2万円くらいかなと記事には書きました。
いや、いや、いやぁ、入場料2万円かあ!
「ワンコインズ」なんて書いちゃったけど
「ダブル・ユキチーズ」くらいのパンチ力に圧倒されました。
超一流のメンバーですからこのくらいにはなりますか。
やるな、ジュリアーニ。
で、さらに番外編で、ふとパノルモのラベルのことを思い出しました。
「スペインスタイルで作る唯一の製作家」なんて書いてあるのですが
下のところに
「2ギニーから15ギニーで注文を引き受けます」
ってあるんですよね。
当時のラベルは自慢と宣伝がいっぱいで楽しいです!
そういうわけで、ギニー。
1ギニーは21シリングらしいので
10万から80万くらいですか。
まあ、当時の貨幣価値といっても
どういう風に換算するかで大きく変わりますから
一概には言えませんけどね。
今は手工ギターの始まりは35-40万くらいですから
これを2ギニーだと思うとそこから260-300万くらいともいえるわけで。
《後日談》
ドイツ在住のわたしの恩師、吉田佳正先生からメッセージを戴きました。
「本当に凝り性で凄い!Dukatenが現代でいくらになるかなんて考えたこともなかった。
以下のMayseder関係のリンクには1Dukatenで6回のコンサートの講読(これは直訳)、
つまり6回分のコンサート予約券が1Dukaten掛かるとのことのようです」
http://www.mayseder.at/mayseder_leben.html#fn2
ありがとうございます!
なるほど、一回分あたりにすると4000円くらいでしょうか。
なぜか少しホッとしました(笑)
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