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2019年5月 9日 (木)

ローズウッドとメープルの音色聴き比べ 野辺邦治作レオナモデル ノクターン(ヘンツェ)

ギターの横裏板用材として

今はローズウッド系の黒っぽい木が多く使われていますが

メープル材もときどき見かけます。

メープルはヴァイオリン族の横裏材としては一般的で

我々ギター(撥弦楽器)族も昔のものでは今よりもずっと使われていました。

 

メープルとローズウッドは重さ(比重)が違い

メープルの方が軽い木になります。

だいたい木って黒いほうが重いことが多いですね。

 

さて、それらを使うとその楽器の音色はどう変化するのでしょうか。

うちの生徒さんが最近興味深い楽器を購入したので

聴き比べ、弾き比べを試してみました!

 

まずは楽器の説明から・・・

Dsc00014

これ、野辺邦治のレオナモデルです。

野辺邦治さんは野辺正二さんのお兄さんで

ピシッとしたなかなか良いギターを作っていました。

 

IGPレオナと言われるもので

IGPによって集められた5人の製作家が

(本物の)トーレスギターを細かく検分し

それぞれがトーレスモデルを製作するという企画で作られました。

どれも小ぶりなボディを持った640mmの楽器でした。

 

Dsc00016

ラベルに製作者の銘は無く、でもすごく良い音でよく鳴る楽器で

当時ちょっとミステリアスで不思議な楽器というイメージがありました。

製造番号の頭にあるアルファベットで製作者が示されているそうです。

Dが野辺邦治さんなのですね。つぎの数字84が製作年のようです。

その生徒さんが気に入って長く使っているもので

ローズウッドの横裏板を持っています。

ローズウッドは薔薇の芳香を持つことから名づけられたそうで

いわゆる薔薇の木ではありません。

Dsc00015

わたしの経験的にはIGPレオナは野辺邦治さんのものがとても良いと思います。

 

そして、その生徒さんが最近入手したのがこちら。

Dsc00018

同じでしょう!

こちらはIGPではなく野辺邦治ラベルのトーレスモデルで、

Dsc00021

1986年製作なので、上のIGPレオナ(ローズ)2年しか違いません。

 

Dsc00019

はい、メープルの横裏板を持っています。

 

Dsc00020

ビシッと綺麗なトラ杢が出ています。

シルキーでイイ雰囲気!

これらの杢は材の中に偶然に発生するもののようで

このように綺麗に出ている材は珍重されます。

 

細かく見ると、ヘッドの造形や

胴の厚さもメイプルの方が数ミリ厚かったりなど

違いが無いわけではないのですが、

まあ、兄弟の楽器です。

Dsc00023

Dsc00024

 

こうなると、この2台の音色や鳴り方の違いが

横裏材の違いによるところが大きいでしょう。

 

ご興味、ありますか???

あるでしょう(笑) (^o^)丿

 

というわけで、こちらをどうぞ!!!

 

弦はローズの方がプロアルテノーマルセット

メープルはサバレスのクリスタルカンティーガセットを使っています。

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楽器そのものはメープルの方が軽いかと思いきや、逆でした。

もちろんその差はわずかですが、

板厚のせいなのか、あるいは胴が少し深いことに寄るのかもしれません。

弾いていると音色としてはローズの方がシャープ、

メープルは少し柔らかみを帯びた響きを感じます。

低音域に良くあらわれていると感じました。

音量はどちらかというとメープルが出るような気もしますが

弦のせいもあるかもしれません。

動画で聴いてみると

ローズの方が深みを感じ、

メイプルは明るくエレガントな響きに聴こえますね。

ローズは長く弾かれ、メイプルは先日塗装を直したので

そういったこともあるかもしれません。

 

弾き心地や基本的な音はやはり同じ製作家の同じモデルだけあって

共通点を強く感じました。同じ手の音ですね。

この2台でデュオをしたら、合わせやすく音色の違いも出て楽しそう!

 

 

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