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2021年7月

2021年7月31日 (土)

練習曲第40番 イ長調(ディオニシオ アグアド)

Leccion40
https://youtu.be/kUs7zUIZ0mo

練習曲第40番 イ長調(ディオニシオ アグアド 1784-1849)
アグアド新ギター教本より
Leccion 40 A-dur (Dionisio Aguado 1784-1849)
from (Aguado) Nuevo método para guitarra

この曲が掲載されているアグアド新教本のファクシミリは(ボイジェコレクション)
http://boijefiles.musikverket.se/Boije_0018.pdf
よりLECCION40、pdfではp39-40
また全音から出版されている「アグアード35のエチュード(大沢一仁編)」の第5番としても収録されています。

この動画シリーズでアグアドのエチュードを取り上げるのは3曲目になりますが、どうやらわたしは対位法で書かれた小品に心惹かれる傾向があるようですね(^^ゞ この曲も二声で書かれていますがそれぞれが別な動きをしながら調和のとれた響きを醸してゆく様子は綺麗なプリズムを光にかざして眺めているような感じがして目が離せないというか耳が離れないというか?とても興味深く感じてしまうのです。その色合いが変化していく気分をもう一度見たくなってつい何度でも弾いてしまいます。

アグアドと言えば19世紀のギター黄金期を飾るギタリストの一人。かなり技巧的なエチュードや楽曲を残していてビルトゥオーゾであった一方、彼の書いたギター教本では音符こそ簡素ですがどこか心に響くような和音や展開が魅力的な作品がいくつもあり、同時に繊細な感性を持ち合わせていたことを思わせます。

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2021年7月28日 (水)

ワルツアンダンティーノ (アントニオ カーノ)

Photo_20210728150701
https://youtu.be/BHXXODRPieE

ワルツアンダンティーノ ニ長調 (アントニオ カーノ 1811-1897)
Valse Andantino (Antonio Cano 1811-1897)

作曲者アントニオ カーノについてはスペイン南部のロルカで生まれたこと、36歳の頃よりマドリードで様々なコンサートを行い成功した、というくらいの経歴が見つかるのみでした。楽譜についてはペトルッチのライブラリにいくらか見ることができますが、残念ながらこのワルツ アンダンティーノの原典に当たることはできませんでした。
ペトルッチ楽譜ライブラリー、アントニオ カーノの項目はこちら
https://imslp.org/wiki/Category:Cano%2C_Antonio

ワルツアンダンティーノ
日本では様々なギター教本やギター曲集で楽譜を目にします。第6弦を一音下げ「レ」にする変則調弦で演奏します。これは「D調弦」「ドロップD」などと呼ばれ変則調弦といってもよく使われるもの。このチューニングで弾くニ長調は低音が深々と響いて気分が良いですね。しかもこの曲では下げた第6弦は開放弦のみしか使いませんから、初めてのD調弦でも押さえで混乱することはないでしょう。スライドを伴う柔らかなメロディは上質のビロードに触れるような心地よさを思わせ、全体にとてもエレガントな雰囲気を持った曲です(^^)。
タイトルにあるようにワルツですから3拍子なのですが、ドンデンドンデン・・・とくる低音の音型と2拍目で終止するメロディのせいもあるかな、3拍子のイメージで捉えるのに少してこずりますね。そういう時はオーソドックスなブンチャッチャの伴奏を作って(声で)歌ってみるとイイですよ。それと、アンダンティーノは速くない感じでよいのですが、あまりゆっくり弾き過ぎるとやっぱり3拍子がつかみにくくなりますし各セクション終わりの2拍分休符っていうのも間が持たなくなったりしますから、適度にスッスッと進む方がいいかなと思います。途中、上行のスケールで現れる「ad libitum」の指示、意味は「自由に」ですが拍に縛られない感じ→自由(っぽい表現)と考えると良いと思います。ああ、ちょっとレッスン的な解説になってしまいました(^^ゞついつい。

この曲はわたしが中学の頃、ギター部のある先輩がこちらから見えない階段の上のところでよく弾いていました。わたしが朝練に来る頃いつもナチュラルリバーブのかかったイイ感じの音が降ってくるように聴こえて「いい曲だなあ、上手に弾くなあ!」と思っていました。そういう記憶っていつまでも忘れないものですね。最後のセクションで高音が輝かしく鳴り響くところが一番好きなところです。

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ロマンス (J.K メルツ)

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https://youtu.be/-5fjOaL5xn0

ロマンス アダージョ ホ短調 (ヨハン カスパール メルツ 1806-1856)
Romance Adagio e-moll (Johann Kaspar Mertz 1806-0856)

メルツはハンガリーに生まれ、ウィーンを中心に活躍した19世紀中庸のギタリストです。作品には音楽史でよく知られているところでいえばショパン、シューマン、メンデルスゾーンやリストあたりの音楽の気分があり、いかにもロマン派という味わいを感じます。

このホ短調のロマンスは開放弦で始まり、開放弦で終わるとても簡素な譜面ですが哀愁を帯びてゆったり流れるメロディと中間の盛り上がりや劇的なエンディングなど感情の起伏が豊かで、短いながらも結構ドラマチックな感じがします。ちなみにテンポ指定の「アダージョ」は心地よく、くつろぐという感じを意味していて、そこから「ゆっくり」というテンポが生まれるのですね。なので、マイナーでも重苦しくならず、穏やかに弾き始めるのが気分でしょう。このテンポ感とレガートも意識しておかないと労働歌「かぁ~ちゃんのぉ、ためぇ~なぁら~…」みたいになってムード台無しです(笑)。というのもこれ実はわたし自身の話なのですが、初めてこの曲に出会ったときは「なんだか俗っぽくて好きになれないなあ!」と思っていました。そう、弾き方が悪かったんですねえ(^_^;)メルツさん、ゴメンナサイ。 おかげさまで今ではロマン派のイメージを持って弾いております。

楽譜について
この曲は現代のギター教本や曲集などに良く取り上げられていますが、元をたどるとメルツの書いたギター教本の中の一曲でした。この教本はテクニック的な部分を簡潔にまとめたようなものでとても分かりやすい本でしたよ。巻末に15曲の小品が掲載してあってその中の第9曲がこのロマンス。いまの出版のものと少し差異がありましたが、今回の演奏はオリジナルのファクシミリを参照しています。この巻末の小品は他の曲もメルツらしいロマンディックな音楽を楽しめるもので、いくつかはやはり現代の教本等で楽譜を見たことがありました。

メルツの教本はこちら
https://imslp.org/wiki/Schule_f%C3%BCr_die_Gitarre_(Mertz%2C_Johann_Kaspar)

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2021年7月23日 (金)

練習曲 op.35-3 ラルゲット イ短調 (F.ソル)

Op353
https://youtu.be/Kk40xXANNtg

練習曲 op.35-3 ラルゲット イ短調 (フェルナンド ソル 1778-1839)
Etude op.35-3 Larghetto a-moll (fernando Sor 1778-1839)

イ短調のラルゲット。ラルゲットはラルゴの意味を少し軽くしたような言葉です。ラルゴは学校ではたしか「幅広く緩やかに」と教わりました。ラルゴはLargo。大きいを意味するLargeラージから来ています。だから「幅ひろく」とつくわけですね。遅いということだけではなく幅ひろいから→ゆったりとなるんだ、ということなんでしょう。
Amの曲は一般的に「つらい悲しみ」というより「ロマンティックな甘さ」みたいな曲が多いような気がします。この曲のわたしのイメージもそんな感じ。ふと出てくるCの和音は深い森に光が差し込んでくるような美しい光景を感じました。そして心奪われるのはリピート記号を過ぎたところにあらわれる、コード進行でいうとC→G、B♭→Fのところ!ドラマチックですよね。そして最後の山形の音型。拍が切り詰められて切迫するように登り、息を吐くように降りてラの音だけになる・・・これは渋い。さすがソル先生!と思う所です。ソル先生はエンディングに一ひねり加えることが多いですよね。

演奏ギターについて
こういう曲(カルッリやアグアドもそうですが)は19世紀ギターで演奏するとまた味わいも格別なのですが、このサンプル演奏シリーズではナイロン弦と440Hz調弦縛りにしているので今回はレプリカギターを使いました。野辺正二作アントン・シュタウファーのレプリカ2000年製。このレプリカの元になったギターは溝カルで知られる、かの溝渕浩五郎し所有だったもので昔野辺工房でオリジナルも拝見したことがあります(^^) ちなみにアントン・シュタウファーは有名なシュタウファー(ゲオルク)の息子です。19世紀ギターではまた機会を改めて収録できればと思っています。

練習曲集op.35について
ソルの練習曲集op.35は全24曲、2分冊で出版されました。いま「月光」や「夢」と呼ばれ親しまれている作品もこの中に含まれています。曲集のタイトルには「とても易しいよ」と書かれていて確かに最初の方はローポジションで弾きやすい作品ですが後半になるとそれなりに手ごたえのあるものも出てきます。
作品としては初めの簡素なものから音楽的なバランスに優れ気品の高い、いかにもソルらしい味わいが楽しめます。そして24の様々なキャラクターの曲を体験することで技術だけではなくソルの標榜する「良き音楽」を感じ取ることができるような作りになっています。急がず、じっくり取り組みたいような練習曲集ですね。

op.35練習曲集はこちらで閲覧・ダウンロードできます。
ソルop.35

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練習曲 第94番 ホ長調(D.アグアド)

94
https://youtu.be/uI7ju86T-BE

習曲第94番 ホ長調(ディオニシオ.アグアド 1784-1849)
フォッサ版アグアドギター教本より
leçon 94 E-dur (Dionisio Aguado 1784-1849)
from (Aguado) Méthode compléte pour la Guitare.

この曲が掲載されているアグアド教本のファクシミリは
デンマーク王立図書館のライブラリーより
フォッサ版アグアドギター教本
 本のページでp64、pdfではp75にあります。

良く知られるアグアド新教本では(ボイジェコレクションより)
http://boijefiles.musikverket.se/Boije_0018.pdf
よりLECCION38、pdfではp39

また全音から出版されている「アグアード35のエチュード(大沢一仁編)」の第3番としても収録されています。

フォッサ版のアグアド教本掲載曲です。前出の第52番と同じく二声の対位法ですがこちらの方がより動きがあり少し難しくなっていますが、大変調和の取れた音楽で大切に愛しんで、味わって弾きたい一曲です。特に中ほどに出てくる二度の不協和音(E・F♯)はその美しさにいつも心がキューッと切なくなります。

アグアドと言えば19世紀のギター黄金期を飾るギタリストの一人。かなり技巧的なエチュードや楽曲を残していてビルトゥオーゾであった一方、彼の書いたギター教本では音符こそ簡素ですがどこか心に響くような和音や展開が魅力的な作品がいくつもあり、同時に繊細な感性を持ち合わせていたことを思わせます。

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2021年7月21日 (水)

君を想いて《ハバネラ》 op.9(A.アルバ)

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https://youtu.be/hvIemMqnglo

君を想いて《ハバネラ》 op.9(A.アルバ 1873-1940 西)
Pensando en ti《Habanera》 Op.9 (Antonio Alba 1873-1940)

ハバネラは「(キューバの)ハバナ風」という意味でタンゴの前身とも言われています。付点音符を持ったリズムが特徴的で、カルメン(ビゼー)のハバネラやラ・パロマ(イラディエール)などが有名ですがこの曲もそのリズムで全体が貫かれています。哀愁を持った旋律とハバネラのリズムを強調した冒頭部分とハープのようなアルペジオで憩いを感じる中間部が心地よい対比になっています。

アルバのハバネラと言えば、いろいろなところでこの楽譜が出版され、クラシックギターのレパートリーとして(日本では)かなり知られていますが、恥ずかしながらわたしは他の作品については全く知りませんでした。むしろ「雨だれ」のリンゼイと同様この一曲だけが世に残っているような存在かと思いこんでいましたが調べていく中で「作品番号があるような作曲家だったのか」と知りました(アルバさん、ごめんなさい!)。

アントニオ・アルバはスペインはカタルーニャに生まれ17歳で南米へ移住しチリで生涯を終えたということです。若い頃より音楽理論、ピアノ、歌、オルガン、ハープを学び、後にギター、バンドゥリア、マンドリン、ハープも学び、これらすべての楽器に精通したということです。作曲作品はわかっているところで111まであるようです。

略歴はこちらにありました。
https://archive.is/jWIG

そして作品のいくつかはこちらで閲覧。ダウンロードできます。
https://imslp.org/wiki/Category:Alba,_Antonio

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2021年7月18日 (日)

練習曲第52番 イ短調(D アグアド)

52
https://youtu.be/pcpwxIzzzZY

練習曲第52番 イ短調(ディオニシオ.アグアド 1784-1849)
フォッサ版アグアドギター教本より
leçon 52 a-moll (Dionisio Aguado 1784-1849)
from (Aguado) Méthode compléte pour la Guitare.

この曲が掲載されているアグアド教本のファクシミリは
デンマーク王立図書館のライブラリーより
Méthode compléte pour la Guitare.

本のページでp50、pdfではp60にあります。
薄くて相当見づらいですが(^_^;)

フォッサ版のアグアド教本掲載曲です。
ローポジションで弾きにくいところはほぼありませんが、二声の動きを扱っていますからそれぞれの歌が横に滑らかに流れるように弾くことが大切でしょう。速度指定はありませんでしたが速く弾くような曲ではありませんね。
始まりのところは教会の中で音楽が聞こえてくるような、あるいは何かに祈るような、わたしにはどこか「俗」を離れたようなすぅっとした印象がありました。6度の連続で長短調が定まらないことや4小節目の終止に導音をつかわないというあたりに旋法的な感じがしてそういう気分を喚起するのかもしれませんね。曲後半はドラマチックなうねりがありますが最後はすっとラの音にまとまるのも浮世離れしたすずしげなイメージ。
わたしは十代のころ教本で出会いましたが、この不思議な響きがいつまでも心に残る・・・そんな曲でした。

アグアドは19世紀のギター黄金期を飾るギタリストの一人。かなり技巧的なエチュードや楽曲を残していてビルトゥオーゾであった一方、彼の書いたギター教本では音符こそ簡素ですがどこか心に響くような和音や展開が魅力的な作品がいくつもあり、同時に繊細な感性を持ち合わせていたことを思わせます。

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アルペジオ スタディ イ短調(D.アグアド)

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https://youtu.be/T5Zue8ubxq8

アルペジオ スタディ イ短調(ディオニシオ.アグアド 1784-1849)
アグアド新ギター教本 レッスン19より
Arpeggio study a-moll (Dionisio Aguado 1784-1849)
from (Aguado) Nuevo método para guitarra. Leccion 19

アグアドと言えば19世紀のギター黄金期を飾るギタリストの一人。かなり技巧的なエチュードや楽曲を残していてビルトゥオーゾであった一方、彼の書いたギター教本では音符こそ簡素ですがどこか心に響くような和音や展開が魅力的な作品がいくつもあり、同時に繊細な感性を持ち合わせていたことを思わせますす。

この曲が掲載されているアグアド新教本のファクシミリはこちら(ボイジェコレクションより)
http://boijefiles.musikverket.se/Boije_0018.pdf
本のページでp25、pdfではp26にあります。

このイ短調のアルペジオはp指をメロディ的に扱う練習のもので初級の練習曲ですが、いかにもギターらしくちょっと切ないAmの響きとそこからCに転じて空を仰ぐような気分になる所が(わたしが練習していたころ)とても気に入っていました。「ギターっていい音だなぁ」としみじみ思うようなエチュードでした。
楽譜は現在も教本やエチュード集でよく見かけますが、繰り返し記号などが少々違っていました。今回の演奏ではテクラ社の編集した新アグアド教本を参照していますが、こちらは8小節で繰り返すものでした。

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2021年7月15日 (木)

雨だれ(リンゼイ)

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https://youtu.be/iRSUYlf8NZo

雨だれ(G.C.リンゼイ 1855-1945)
Rain Drops (George C. Lindsay 1855-1945)

雨にまつわる音楽では悲しかったり寂しかったりとかあるいは幻想的な・・・なんていう曲もありますが、この曲では楽しげに雨の日を謳歌する雨つぶの様子が描写されています。「ピッチピッチ、チャップチャップ、ランランラン」でおなじみの童謡「あめふり」でも楽しい気分の雨は弾んだリズムを持っていますね。ちなみにこちらはそのはじける感じを装飾音で書いています。技術的にはポジション移動や装飾音、スライドなどいくつかポイントはありますがどれも比較的弾きやすく、標題音楽の気分が楽しめる佳曲です。楽譜はいくつか見て概ね記譜は同じでしたが現代ギター社の「発表会用ギター名曲集/中川信隆・監修」では曲想の指示がほとんどなく、ドレミ出版の「ギター名曲170選グレードA」では比較的細かく書かれているというような違いがありました。オリジナル(初版)がわからないのでこれらの指示が作曲者からのものか若干不明でしたが一応、後者(ドレミ版)を参照しています。

曲はA(A)-B-A-C-A'というロンドのような構成になっています。冒頭のテーマはレント・レガーティッシモ。「ゆっくりでとてもなめらかに」という指定で弱音主体です。ピチャっと落ちた雨つぶがツツーっと流れるようなグリッサンドの指定もありました。Bは雨が強く元気になっているのでしょうか、指示は「精力的に」でフォルテやフォルテッシモの記号もあり賑やかな感じ。再びAになって穏やかなひとときを過ごしますが、今度のCは「テンポを上げて」という指示。ここでは雨つぶたちの楽しいデュエットの様子が聞こえます。途中フェルマータからの下行音階がありますがここは葉っぱの上に乗った雨つぶかな?コーーロ、コロコロコロ・・・ピチャン♪ですよね(^^)。最後のAは2小節目だけがこれまでと違いますが、このほんのちょっとの違いでエンディングをちゃんと感じさせてくれるところ、リンゼイさんのセンスに感心します。そしてディミヌエンド~最後はピアニッシモ。雨つぶたちのおしゃべりも遠ざかり・・・雨上がりです。

作曲のリンゼイについては生没年とアメリカ人であること以外、ほとんど人物についての記述が見当たらないのですが「キンポウゲワルツ」で知られるビックフォード女史とはギターによる親交があったそうです。ちなみに歳の差30歳(リンゼイが上)。8歳のビックフォードにギターを手ほどきしたというような話がありました。

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キンポウゲ ワルツ (V O ビックフォード)

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https://youtu.be/LhLbblQnVa0

キンポウゲ ワルツ (V O ビックフォード 1885-1980)
Buttercup waltz (Vahdah Olcott Bickford 1885-1980)

キンポウゲワルツは習い始めの頃に弾く、いわば最初のタイトル付き独奏曲のようなものでしょうか。タイトルのキンポウゲ(金鳳花)は春に咲く可愛らしい花ですがこの曲も素直で伸びやか、とても愛らしい作品ですね。
様々な教本や曲集で引用されていますが、元はこの曲の作曲者でもあるアメリカの女性ギタリスト、ビックフォード女史のギター教本の中にありました。教本は全体に穏やかで品が良く学習者への愛情を感じる良本です。他にも易しくても素敵な曲がありますからご興味のある方はどうぞ。
https://vdocuments.mx/vahdah-olcott-bickford-12.html

教本内でキンポウゲワルツはメロディーがベースありそれをp指で弾くこと、伴奏音がメロディを凌駕しないようになどの注意が添えられており、メロディ音は大きく伴奏音の音符は小さく印刷されていました。教本には折に触れてシューマンの語録が記載されているのもユニークなところです(シューマンの語録はいつも深い示唆を与えれくれます)。
そういえば、わたしがこの曲を小学生にレッスンした際「ココのところどんな気分になる?」なんて話題にしたところ、Amに転調するところでは「ああ~、暗い、暗い、クラ~イ!」と言い、C調に戻ったところはどう?と訊くと「V字復活っ!」と言ったことがとても記憶に残っています。その子はマイナーのところでとても良い表情をつけていましたよ。

ところで作曲者についてネットで調べたところからの抜粋ですが
「ヴァーダー オルコット-ビックフォード(1885年10月17日– 1980年5月18日)は、"the Grand Lady of the Guitar."として知られるアメリカの占星術師兼ギタリストでした。」
とありました。占星術師も兼ねていたというのは少々驚きましたが1980年まで生きていたということはわたしがギターを始めたころ、ご存命だったのですね。教本に出てくるような曲だったのでずいぶん昔の人なのかと思っていました。

そしてさらにこれ。
「彼女の家族は、彼女が幼児のときにソコロに移り、次にロサンゼルスに移りました。彼女は8歳でギターのレッスンを始め、偶然にもクラシックギタリストのジョージC.リンゼイ(1855-1943)に会い、まだ9歳のときに彼のために演奏しました。これは生涯にわたる友情の始まりであり、リンゼイは最初に彼女を指導し、次に有名なギタリスト、マニュエル.Y.フェレールに彼女を紹介しました。フェレールは彼女をバークレーで家族と一緒に過ごすように誘い、1904年に突然亡くなるまで、1年間毎日レッスンを行いました。」
「雨だれ」で知られるリンゼイとはギター繋がりがあったのですねえ。30歳の年の差、38歳のリンゼイと8歳のビックフォードの出会い。きっととても才能を感じるお嬢さんだったんでしょうねえ。
アメリカのクラシックギター事情も知っていくとちょっと面白いかもしれません。ちなみに後段で出てくるフェレールですが「タンゴ」などでよく知られるのはホセ・フェレールですから別の人物です。

バターカップとキンポウゲ
タイトルは日本語訳だと「キンポウゲワルツ」、原語だと「バターカップワルツ」。というわけでなんでバターカップがキンポウゲなの?と思っていろいろ調べてみましたが、「バターカップ」とはバタークリームが上に乗ったカップケーキのことじゃないかと思うんです。それで、キンポウゲはこの動画のサムネイルにした花ではなくて八重咲のキンポウゲだと・・・あ~、なるほど(^o^)。可愛らしい、美味しそうな姿に見えてきました。写真をリンクしておきます。

バターカップ(お菓子)

バターカップ(八重咲キンポウゲ)

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2021年7月11日 (日)

建孝三先生と重奏

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昨日は浦安の恩師建孝三先生のところへ行って
ギターデュオを合わせていただきました(^o^)丿
来る10月3日(日)にわたしの地元、立川市は玉川上水駅近くのギャラリーにて
先生をお招きしてコンサートを催す予定です。
前半が建先生の華麗なソロ、後半はわたしとのデュオで
楽しいアンサンブルをお届けします。
ちなみにデュオの演目は「マルチェッロのアダージョ」「協奏風二重奏曲(ロイエop.31-3)」「オペラ“セビリアの理髪師”序曲(ロッシーニ~ジュリアーニ)」「あかとんぼ(山田耕筰~長谷川郁夫編)」を予定しています。
そろそろチラシを作らねば!こうご期待です(^^)/

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2021年7月 9日 (金)

アンダンテ イ短調(F.カルッリ) Martin 00-28c

Andanteyoutube
https://youtu.be/gaQVU6nr5io

アンダンテ イ短調 ギター教本op 27より(F.カルッリ 1770-1841 伊)
使用ギター:C.F.マーチン 00-28c 1969年

アンダンテ イ短調
様々な教本に掲載されていて教室でクラシックギターを習った方ならたいがい弾いているような練習曲です。わたしも教室に通っていたときは初等科の最後の曲として弾きました。初級の技術で弾く曲としては長さがあり、ドラマチックな展開もあって充実した気分が味わえます。はじめに甘い響きのAmがあり、中間部がCに転調し対照的な表情を見せまがこれを習っていたころ、窓を開けて爽やかな風を入れるようなここの気分が好きで中間部ばかりを良く弾いていたことを思い出します。

 

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2021年7月 8日 (木)

アンダンティーノ ト長調 op 241-5(F.カルッリ)と Martin 00-28c

2415youtube
https://youtu.be/oUUcxJlRSqc

アンダンティーノ ト長調 op 241-5(F.カルッリ)
使用ギター:C.F.マーチン 00-28c 1969年

カルッリのop.241はギター教本です。カルッリの教本と言えばop.27が頭に浮かびますが、それをのちにもう一度整理して出版したのがop.241でしょうか。曲が重なっている部分も多く見受けられます。この第5番とされているト長調の小品はop.241の方だけに収録されています。

カルッリの教本は以下で閲覧・ダウンロードできます。
op.241

op.27

アンダンティーノ ト長調
教本的にはかなり前の方に出てくる易しい10度音程の練習曲です。わたしがギターを始めた中学生の頃、10度の響きに一目ぼれ「スゴイ綺麗な響き発見!なんて素敵なんだ」と思ったことをよく覚えています。もちろん今でもそう思っていますョ。この曲は穏やかで、でも少し愁いも感じるような優しいイメージがありますね。わたしの大好きな曲の一つです。

演奏ギター:00-28c
ずいぶん昔に19世紀ギターの末裔と言えるかな?と思って手に入れました。マーチン社はドレッドノウト型のフォークギターで知られるアメリカの有名ギターメーカーですが、さかのぼると初代マーティンさんは19世紀初頭のウィーンのシュタウファーという名の通った工房の職人でアメリカにわたって自分のショップを始めたのが事の始まりのようです。マーチン のロゴを見るとsince 1833とありますが、ヨーロッパではちょうどギター黄金期と言われる頃です。
スパニッシュギターの流れから来る現代のクラシックギターと比べると音に粘る感じが無くさっぱりしているのが特徴と感じますがそれはやはりウィーンの19世紀ギターに繋がるような気がします。そして、この10度のエチュードのような曲の爽やかな響きがよく似合うように思います。
また、こういうギターを弾くことで逆にいまのクラシックギターがスペイン風味を持っていることを良く自覚できるようになりますね、それがドイツ系の楽器であっても。ちなみにこのギターでタレガとかを弾くと明らかに何か物足りない感じがあります。高音も低温も粘らなくて爽やか過ぎちゃうんですよね(笑)

140829__0019
00(ダブルオー)はやや小型で丸っこいボディを持っています。12フレットジョイントでクラシックギターを弾くわたしにもあまり違和感がありませんが、やはりシルエットもクラシックギターとはちょっと違いますね。00に続く数字は18と28がありボディの材質を表しているようです。18はマホガニーなのに対して28はハカランダ(ローズウッド)仕様になります。最後につく“c”はクラシックということでしょうか。ナイロン弦仕様のものについています。

140829__0020
裏板はまるで河野ギター工房の宣伝で見るような(笑)見事なハカランダ。マーチン も70年代に入ると通常仕様でハカランダは使われなくなる(ローズウッドになる)ようです。この楽器は1969年なのでハカランダ。ちょっとうれしい・・・かな。

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ブレーシングはこんな感じ。右下がこの楽器のものです。左上がいわゆるドレッドノウト型のフォークギターですが、扇形力木の(スパニッシュ)クラシックギターの影響も受けつつ折半を狙っているようにも見えます。

 

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2021年7月 7日 (水)

動画:「ギターサークル響」と「くじらギター重奏団」

わたしの指導するギターサークル響(昭島)の動画が公開されていました。先日紹介した「G線上のアリア」を含む計5曲です。
ちなみにアンサンブルで指揮がいないのは、前に立つと映らなくなる人が出るということでカメラの向こうでわたしが指揮しているからです(^^ゞ 





1. サークル紹介  「黒猫のタンゴ」編曲:中島 晴美~響
2. G線上のアリア   作曲:J.S.バッハ 編曲:⻑谷川 郁夫
3. 響のワルツ     作曲:⻑谷川 郁夫
4. シバの女王   作曲:M.ローラン 編曲:佐野 正隆〜⻑谷川 郁夫 
5. シャル・ウィ・ダンス? 作曲:R.ロジャース  編曲:⻫藤 泰士 
「ギターサークル響 ブログ」https://16448980.at.webry.info/

 

1. 明日があるさ     作曲:中村 八大  編曲:Kawara Yukio
2. サンバ!サンタルチア    ナポリ⺠謡  編曲:⻑谷 川郁夫
3. いのちの歌    作曲:村松 崇継  編曲:Kawara Yukio
4. 残酷な天使のテーゼ    作曲:佐藤 英敏  編曲:平倉 信行


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2021年7月 4日 (日)

中島晴美さんと2台のラコートでセッション!

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昨日は中島晴美さんが来て下さり、2台のラコートでセッションを楽しみました。この2台仕様もそっくりなのですがラベルも1828年で同じなのです!実はかねてから「ラコートほしいなぁ…」と言っていた晴美さんにわたしが海外のディーラーで出ているのをお勧めしたもの(^o^)丿 互いにガット弦仕様で明るく柔和な音色が良く溶け合ってとても親密なデュオになりました。
この日に弾いた曲ではカルッリの作品34(例の有名な第2番ト長調が入っているセット)の第4番イ長調が豊かな楽想に満ちていてとても素敵な曲でした!
コロナ関連が落ち着いたら是非ライブを持ちたいですね、と話も弾みました。
写真はこの日撮ったビデオから切り出し。晴美さんのチャーミングな笑顔が素敵です❤

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G線上のアリア ギターサークル響(昭島市)

G

2021.6.16 収録
G線上のアリア(バッハ)
~管弦楽組曲第3番 BWV1068よりアリア
演奏:ギターサークル響
指揮(コンバスギター):長谷川郁夫

バッハの作った美しいメロディ。原曲は弦楽合奏のものですがこれを19世紀のヴァイオリニスト、アウグスト・ウィルヘルミがヴァイオリン独奏用にアレンジしたものの通称が「G線上のアリア」です。今回のギター合奏では4パート編成、ト長調でアレンジして第4パートにオクターブ低いコントラバスギターを加えました。
わたしが指導するギターサークルの中でもこのギターサークル響は女性メンバーが多いせいか演奏が優美な感じがします。

ギターサークル響について
東京都昭島市で活動するクラシックギター合奏のサークルです。創立は2002年で当初より私が指導と指揮を行っています。文化祭参加や定期演奏会など、年数回の演奏の機会があり楽しく活動しています。こちらもメンバーを随時募集しています。一緒にギターを弾きたい方ギターサークル響のブログや昭島市公民館にお問い合わせください。
ギターサークル響ブログ:
https://16448980.at.webry.info/

この動画でわたしが使っているギターストラップはこちら。
クラシックギターで立奏ができるストラップ(craftroom:さん)
https://craftroom.jimdofree.com/%E3%8...

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2021年7月 1日 (木)

2台のギターのための24の漸進的なレッスン~第17曲(カルッリ)

Op2717

2台のギターのための24の漸進的なレッスン~
ギターのための総合的教則本Op.27より(カルッリ)

演奏
小川和隆(パノルモ1847年)
長谷川郁夫(ラコート1828年)

第17曲:アレグレット ニ長調 3/8拍子
この作品は明るいニ長調の響きと爽快な気分を持っていました。特徴的なモチーフとして伴奏に回るセカンドの音型に第一拍目の音が無いという点があり、これによって丁々発止と音をやり取りする効果が出ていますね。演奏側としては互いに緻密な音の絡み合いをより意識することになります。
横に流れるメロディばかりを追いかけては音の噛み合いが悪くなるし、正確さと縦の線ばかりを気にしていてはメロディが流れなくなる・・・「どちらも大切にするのじゃよ」とカルッリ先生がレッスンで言ったかどうかは定かではありません(笑)。

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