キンポウゲ ワルツ (V O ビックフォード)
キンポウゲ ワルツ (V O ビックフォード 1885-1980)
Buttercup waltz (Vahdah Olcott Bickford 1885-1980)
キンポウゲワルツは習い始めの頃に弾く、いわば最初のタイトル付き独奏曲のようなものでしょうか。タイトルのキンポウゲ(金鳳花)は春に咲く可愛らしい花ですがこの曲も素直で伸びやか、とても愛らしい作品ですね。
様々な教本や曲集で引用されていますが、元はこの曲の作曲者でもあるアメリカの女性ギタリスト、ビックフォード女史のギター教本の中にありました。教本は全体に穏やかで品が良く学習者への愛情を感じる良本です。他にも易しくても素敵な曲がありますからご興味のある方はどうぞ。
https://vdocuments.mx/vahdah-olcott-bickford-12.html
教本内でキンポウゲワルツはメロディーがベースありそれをp指で弾くこと、伴奏音がメロディを凌駕しないようになどの注意が添えられており、メロディ音は大きく伴奏音の音符は小さく印刷されていました。教本には折に触れてシューマンの語録が記載されているのもユニークなところです(シューマンの語録はいつも深い示唆を与えれくれます)。
そういえば、わたしがこの曲を小学生にレッスンした際「ココのところどんな気分になる?」なんて話題にしたところ、Amに転調するところでは「ああ~、暗い、暗い、クラ~イ!」と言い、C調に戻ったところはどう?と訊くと「V字復活っ!」と言ったことがとても記憶に残っています。その子はマイナーのところでとても良い表情をつけていましたよ。
ところで作曲者についてネットで調べたところからの抜粋ですが
「ヴァーダー オルコット-ビックフォード(1885年10月17日– 1980年5月18日)は、"the Grand Lady of the Guitar."として知られるアメリカの占星術師兼ギタリストでした。」
とありました。占星術師も兼ねていたというのは少々驚きましたが1980年まで生きていたということはわたしがギターを始めたころ、ご存命だったのですね。教本に出てくるような曲だったのでずいぶん昔の人なのかと思っていました。
そしてさらにこれ。
「彼女の家族は、彼女が幼児のときにソコロに移り、次にロサンゼルスに移りました。彼女は8歳でギターのレッスンを始め、偶然にもクラシックギタリストのジョージC.リンゼイ(1855-1943)に会い、まだ9歳のときに彼のために演奏しました。これは生涯にわたる友情の始まりであり、リンゼイは最初に彼女を指導し、次に有名なギタリスト、マニュエル.Y.フェレールに彼女を紹介しました。フェレールは彼女をバークレーで家族と一緒に過ごすように誘い、1904年に突然亡くなるまで、1年間毎日レッスンを行いました。」
「雨だれ」で知られるリンゼイとはギター繋がりがあったのですねえ。30歳の年の差、38歳のリンゼイと8歳のビックフォードの出会い。きっととても才能を感じるお嬢さんだったんでしょうねえ。
アメリカのクラシックギター事情も知っていくとちょっと面白いかもしれません。ちなみに後段で出てくるフェレールですが「タンゴ」などでよく知られるのはホセ・フェレールですから別の人物です。
バターカップとキンポウゲ
タイトルは日本語訳だと「キンポウゲワルツ」、原語だと「バターカップワルツ」。というわけでなんでバターカップがキンポウゲなの?と思っていろいろ調べてみましたが、「バターカップ」とはバタークリームが上に乗ったカップケーキのことじゃないかと思うんです。それで、キンポウゲはこの動画のサムネイルにした花ではなくて八重咲のキンポウゲだと・・・あ~、なるほど(^o^)。可愛らしい、美味しそうな姿に見えてきました。写真をリンクしておきます。
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