練習曲第52番 イ短調(D アグアド)
https://youtu.be/pcpwxIzzzZY
練習曲第52番 イ短調(ディオニシオ.アグアド 1784-1849)
フォッサ版アグアドギター教本より
leçon 52 a-moll (Dionisio Aguado 1784-1849)
from (Aguado) Méthode compléte pour la Guitare.
この曲が掲載されているアグアド教本のファクシミリは
デンマーク王立図書館のライブラリーより
Méthode compléte pour la Guitare.
本のページでp50、pdfではp60にあります。
薄くて相当見づらいですが(^_^;)
フォッサ版のアグアド教本掲載曲です。
ローポジションで弾きにくいところはほぼありませんが、二声の動きを扱っていますからそれぞれの歌が横に滑らかに流れるように弾くことが大切でしょう。速度指定はありませんでしたが速く弾くような曲ではありませんね。
始まりのところは教会の中で音楽が聞こえてくるような、あるいは何かに祈るような、わたしにはどこか「俗」を離れたようなすぅっとした印象がありました。6度の連続で長短調が定まらないことや4小節目の終止に導音をつかわないというあたりに旋法的な感じがしてそういう気分を喚起するのかもしれませんね。曲後半はドラマチックなうねりがありますが最後はすっとラの音にまとまるのも浮世離れしたすずしげなイメージ。
わたしは十代のころ教本で出会いましたが、この不思議な響きがいつまでも心に残る・・・そんな曲でした。
アグアドは19世紀のギター黄金期を飾るギタリストの一人。かなり技巧的なエチュードや楽曲を残していてビルトゥオーゾであった一方、彼の書いたギター教本では音符こそ簡素ですがどこか心に響くような和音や展開が魅力的な作品がいくつもあり、同時に繊細な感性を持ち合わせていたことを思わせます。
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