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2021年8月11日 (水)

2台のギターのための24の漸進的なレッスン~第18曲(カルッリop 27)“きらきら星”

Op2718
https://youtu.be/vG626iUWJxI

2台のギターのための24の漸進的なレッスン~
ギターのための総合的教則本Op.27より(カルッリ)

演奏
小川和隆(パノルモ1847年)
長谷川郁夫(ラコート1828年)

第18曲:アンダンテ イ長調 4/4→2/4拍子
序奏(4/4拍子)と歌(2/4拍子)という形で作られていました。そしてその歌は「きらきら星(和名)」。これは18世紀後半から流行したフランスの歌"Ah! Vous dirais-je, Maman「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」"で恋を知り、堕ちてしまったしまったとを告げる娘という少々色っぽい歌でした。 モーツァルトがこの曲で変奏曲を作ったのが1778年ということですから、機を見るに敏といいますか。そしてカルッリは1811年頃に出版されたこの教本にこれを挿入しました。こちらもさすがカルッリ先生!想像するにこの本でギターを学んでいた生徒さんはすごく喜んだと思いますよ。「カルッリ先生、わたしこの曲大好きなんです!」と満面の笑みを湛えたご婦人が目に浮かぶようです。この辺りはイタリア人気質から来るものなのかカルッリという人はサービス精神が実に長けていて、人を喜ばせ楽しくさせるアイデアが作品の随所に仕掛けられています。当時パリで一番の人気を誇ったというのもナルホドと頷けます。

楽譜の方に目を移すと、序奏部も歌心にあふれた生徒パート(ファースト)で2連~3連符へ移るセクションも自然で心地よい流れを感じます。少し興味深かったのは1:51あたりからの先生パートが盛大に完全5度の連続を作っていました。よく学生の頃、和声の授業で指摘されては減点されていたヤツですね(笑)。小川さんとも話題にしましたが、まあさすがにカルッリ先生ですから同じフレーズの一回目より盛り上げるために(たくさんの弦を鳴らすために)わかった上であえてやっているんでしょうねえ、ということに。そしてきらきら星に入ると生徒はこの曲を言わば独奏の形で弾き、先生がそれを16分音符で飾るようなスタイルです。サービス曲なんですねぇ、やっぱり(^^)。先生パートは例によって同じメロディが出るたびに違う音型で受けていました。これはこの二重奏シリーズの最初の曲から良く行われていた手法です。

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