第22曲~2台のギターのための24の漸進的なレッスン(カルッリop 27)
2台のギターのための24の漸進的なレッスン~
ギターのための総合的教則本Op.27より(カルッリ)
演奏
小川和隆 (パノルモ1847年)
長谷川郁夫 (ラコート1828年)
第22曲:ラルゴ~ラルゲット~ラルゴ ホ短調~ホ長調~ホ短調 3/4 - 6/8 - 3/4拍子
この曲集を振り返ると第18曲に「きらきら星」がありましたが、ここでも当時流行していたパイジェッロ作オペラ「水車小屋の娘」から“うつろな心”(Nel cor più non mi sento / ネル コール ピウ ノン ミ セント)が挿入されていました。この曲はメロディや変奏曲のテーマとしてピアノ、ヴァイオリン、ギターなどなどあらゆる様々な楽器編成で愛奏されていました。いま風に言えば、だれでも知っていてみんな大好き❤どこでもウケる鉄板ソングだったのでしょう。逆に言えば、人を楽しませるサービス精神に長けたカルッリ先生が練習曲集の中でこれを繰り出してくるのはもはや自明の理というところでしょうか。
序奏は短調でラルゴの指定がありました。カルッリはop.34など他の曲でも序奏部でラルゴの指定を良くしてきますが文字通り“幅の広い”気分が大事で、この曲のような短調であってもあまり深刻であったり重苦しい遅さにならないほうが良いケースがほとんどです。歌に入ってからはラルゲットで心持ち軽やかになるということですが、(先生の弾く)セカンドパートが忙しくなく、心地よく感じる程度で作ると丁度そのくらいの速さということでしょう。生徒の弾くファーストパートはメロディがよく歌えるように音が整理されているのは第18曲「きらきら星」の時と同じ配慮だと思います。きっと生徒さんは楽しく弾いていたでしょう。その姿が目に浮かぶようです。歌のあとはもう一度序奏と同じものを繰り返して曲を閉じます。
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