プレリュード (バッハ BWV1007)ハウザー1世 ウインナーモデル
https://youtu.be/gugoa_QlFD4
無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007より プレリュード (ヨハン・セバスティアン・バッハ 1685-1750)
Cello Suite No.1 BWV1007 Prelude (Johann Sebastian Bach 1685-1750)
使用ギター:ヘルマン・ハウザー1世 1937年 ウインナーモデル
キルシュナー社リアルガット(羊腸)弦とアクイラ社絹芯の低音弦
Guitar: Hermann Hauser Sr. 1937 wiener style
Kürschner real gut strings and Aquira silk core bass strings are used.
演奏:長谷川郁夫 Ikuo HASEGAWA
無伴奏チェロ組曲第1番 プレリュード
チェロやヴァイオリン、フルートなどの旋律楽器楽器の独奏曲はわれわれギターと違って通常は伴奏を伴うものですが、全くの一人で演奏する曲では特に“無伴奏”と呼ばれたりします。バッハが作った無伴奏の組曲はその代表的な存在で、後世の作曲家や音楽家に大きな影響を与えています。
大らかなアルペジオでうねるような楽想を描く無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードは中でも人気が高く、この演奏のようにギターに編曲されることも多い作品です。
【ハウザー1世 1937年 ウィンナーモデル】
ハウザー1世(1882-1952)と言えばギターの神様アンドレス・セゴビア(1893-1987)からの熱い依頼に完璧に応え、見事なスパニッシュギターを作った逸話で知られる人物でハウザー家は現在もギターづくりの伝統を引き継ぎ、素晴らしいギターを世に生み出しています。
ウィンナーモデルは
ウィーンで19世紀の初頭に名をはせた弦楽器製作家ヨハン・ゲオルグ・シュタウファー(1778-1853)が作ったギターの流れをくむもので20世紀初頭まで伝統的なドイツ・オーストリアのギターとして作られていました。ハウザー1世はその伝統を継いだ最後の巨匠と言えるでしょう。
ハウザーというと
どうしても先に書いたセゴビアモデルといわれるスパニッシュギター(現在のクラシックギター型)を思い浮かべますが元々はこうしたウィーン風ギターやリュート型のギターを作る製作家でした。
木が持つ素朴であたたかな響きをそのまま引き出したような音色は虚飾を廃した「音」そのものといったピュアな印象を持ちますが、これはハウザー1世が作ったあらゆるスタイルのギターに共通するものと感じます。
余談ですが
ハウザー1世がセゴビアに「これ以上の楽器を作る必要はない」とまで言わしめたスパニッシュギター「セゴビアモデル」を完成させたのが1937年。実はこの動画で使用しているギターはそのセゴビアのギターと同じ年のラベルを持っています。セゴビアのギターを作っている隣にこのギターもあったのかな?と思うとそれもロマンですね。
このギターを見るとハウザー1世はこれまで作り続けてきたウィンナーモデルもさらなる完成を目指して試行錯誤していた形跡があり、ものづくりに懸ける製作家のすごみを感じます。
演奏は
高音弦キルシュナーのガット(羊腸)弦、アクイラ社のセタという絹芯の低音弦を使用し、415Hz(半音下げ)調弦、指頭奏法でアプローチしています。バッハはもちろんのこと、ルネサンスやバロック時代のリュート曲や鍵盤曲他のギターアレンジなどはこのギターでアプローチすると音楽の渋みや温かみがより感じられ、弾いていて楽しいものです。
楽譜は
原曲と様々な編曲を参考にわたし自身が作りました。
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