200年前のリラギター「春の日の花と輝く」(アイルランド民謡~ジュリアーニ)
https://youtu.be/431iI5qTTWY
リラギター演奏:長谷川 郁夫
指頭奏法
Lyre-Guitar:Ikuo HASEGAWA
playing the guitar without using nails.
リラギター R.F.ラコート作 1828年
Lyre-Guitar R.F.Lacote 1828
ギタリストの篠原正志さんと声優の高橋由希さんのMCでいつも楽しいギターの話題を発信しているYouTube番組「ギターはおしゃべり 」にギタ友ゲストとして出演させていただいた(2022年3月)際の演奏部分をわたしのチャンネルで公開することにご快諾戴きました(^o^)丿ありがとうございます。
トークを含めた本編はこちらをご覧ください
「ようこそ!ギタ友~19世紀ギターに魅せられて~」
●Part1⇒ https://youtu.be/QkWWvk7HG6Q
●Part2⇒ https://youtu.be/ybDzE4rvtDk
トークの方ではギターを始めたきっかけや19世紀ギターに惹かれたところ,楽器についての説明などインタビューを受けました。
【演奏曲】
6つのアイルランド民謡Op.125より(マウロ・ジュリアーニ 1781-1829 伊)
第5曲「春の日の花と輝く」
six Airs Irlandois nationales op.125 No,5(Mauro Giuliani 1781-1829)
“ My lodging is on the cold ground ”
(Believe me, if all those endearing young charms)
堀内恵三の訳詞で日本でもなじみがありますがこの原詩はアイルランドの国民的詩人トマス・ムーア(Thomas Moore/1779-1852)によるもので「若さという魅力がいつか失われようとも、必ず君を愛し続けることを信じてほしい」という愛の歌です。
ただ、通りが良いので曲紹介やタイトルでは「春の日の~」をいつも前面に出していますが、実はジュリアーニの楽譜にあるこの曲のタイトル「My lodging is on the cold ground」はマシュー・ロック(Matthew Locke /1621-1677)の詩によるものでトマス・ムーアが詩を付ける以前のいわば原曲のタイトルです。ちなみに曲の方は17世紀イギリスのダンス教則本「ダンシング・マスター(1665)」が初出とのことでした。https://www.contemplator.com/england/lodging.html
ジュリアーニのスコットランド・アイルランド民謡集は楽譜の表紙に「リラのために」という記述がある作品です。こうした民謡を竪琴型の楽器で演奏するというイメージがあったのかなと思わせます。
【リラギター】
18世紀末、ヨーロッパに生まれた優雅な竪琴フォルムのリラギターは当時の人々が持っていた古代ギリシャへのあこがれが結晶化したファンタジックな弦楽器でした。
アポロンの竪琴のフォルムとギターの融合ですが、この楽器成立当時のギターは5複弦でしたから6単弦というのはハープの音色や音域拡張を狙ってのものかと思われます。
流行したという記述も見られますが後にギターは6単弦になりましたからギターとリラはフォルムが違うだけのほとんど同じものとなり、よく作られたのは30~40年間程度だったようです。
カルッリ、カルカッシ、ジュリアーニ、ソルなど19世紀初頭の著名なギタリストも「リラのため」と記載した作品を残しています。(出版社の意向もあったかもしれません)
リラギターが描かれた当時の絵画も残っており、わたしはそれらを参考に楽器を立てて演奏するように練習しました(^^)
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