わたしの方へ第一歩 op.53(F.ソル)
ギターデュオ演奏
篠原 正志:ギター(ルイス・パノルモ作 1830年)
長谷川 郁夫:テルツギター(ハウザー1世ヴィエナモデル 1920年 ミュンヘン)
※ヴィエナモデル=ウィンナーモデル シュタウファー派とも言われます。
ギタリストの篠原正志さんと声優の高橋由希さんのMCでいつも楽しいギターの話題を発信しているYouTube番組「ギターはおしゃべり 」にギタ友ゲストとして出演させていただいた(2022年3月)際の演奏部分をわたしのチャンネルで公開することにご快諾戴きました(^o^)丿ありがとうございます。
トークを含めた本編はこちらをご覧ください
「ようこそ!ギタ友~19世紀ギターに魅せられて~」
●Part1⇒ https://youtu.be/QkWWvk7HG6Q
●Part2⇒ https://youtu.be/ybDzE4rvtDk
トークの方ではギターを始めたきっかけや19世紀ギターに惹かれたところ,楽器についての説明などインタビューを受けました。
【演奏曲】わたしの方へ第一歩 作品53 (フェルナンド ソル)
1832年頃の出版。楽譜扉には「ちょっと矯正することがとても難しいと感じているギター学習者へささげる」とあり、はじめにも注意書きが置かれていて「書かれた運指を守って弾けば自ずと左手の正しい形とスムーズなポジション移動が出来るようになる」とあったりする教育的な作品です。まあ、これらのココロはソル先生が「難しいことではないよ」、「一歩踏み出して(わたしの言うように)やってごらん」と優しく言っているということでなのでしょうが、もしこれがカルッリ先生なら「すっごく弾きやすくて超楽しい!」「弾いてるだけでグングン上達するよ!」くらいのことを書きそうなものです。この辺りがまじめで堅物?なソル先生という感じがします(笑)。
第1セクションのアンダンティーノは心を一つに合わせるようなオクターブユニゾンの連続によるオープニングからはじまり、セカンド(先生)のリードに乗ってファーストが簡素ながらも素直で美しいメロディを歌っていきます。
つづく第2セクションはウキウキと楽しいワルツ。こちらもセカンドのリードが心地よく、弾むようなリズムと跳躍をもったメロディラインも印象的です。
曲自体はソルらしさを湛えた大変上質なもの。ソル先生の運指も効果的で確かに良い練習になると思いました(^^)
【19世紀ギター】
この演奏では(わたしの弾くギター)20世紀に作られた「19世紀ギター」を紹介しました。20世紀に作られたのに「19世紀ギター」って少し面白い感じがしますよね。いま19世紀ギターと呼ばれるものはカルッリ、ソル、カルカッシらが活躍した19世紀初頭に代表されるスタイルで作られたギターという意味で、1801年から1900年までの100年間に作られたということとは少し違うのです。わたしがここで弾いているギターは19世紀初頭のスタイルで作り続けていたら20世紀に入ってしまったという「生き残り型」の例で特にドイツなどでは戦前までこういうギターが作り続けられていました。ちなみに1801年より前でもその後のスタイルを先取りした「早生まれ型」や19世紀ギターが見直されてきた20世紀後半以降に19世紀スタイルを模倣して作られた「レプリカギター」も19世紀ギターと呼ばれています。
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