04.弦の話

ナイロン弦もガット弦も~クラシックギター弦のインプレッションなど。

2020年9月 1日 (火)

ライブのご案内

これからのライブ・イベントのご案内です。

2020年
10/11(日) 「ロマンティックギターの神髄」パレア若狭音楽ホールにて
        出演:谷内直樹・長谷川郁夫・高木一美(sp)

イベント=====================
2020年

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2020年7月18日 (土)

A.E.パスカル1922年 弦交換

Dsc_01591

10月にチェンバロとのファリャ「はかなき人生」の共演を予定しています。

楽譜は基本的にプジョール編のギターデュオ版を使います。

相手がチェンバロでピッチも415Hzということで

ギターはガット弦にしようと思って今回弦交換しました。

 

弦はサバレス社が出しているギター用ガット弦のセット。

第1弦から第3弦はリアルガットで()内実測値

第1弦 0.66mm(0.67)
第2弦 0.74mm(0.75)
第3弦 0.97mm(0.97)

第4弦から第6弦はナイロン芯の銅巻き線で

実測
第4弦 0.73mm
第5弦 0.87mm
第6弦 0.97mm

でした。

感触としては415Hz調弦で第1~3弦は丁度良いくらい。
低音側は第4弦がちょうどよく、第5弦は少し緩く、
第6弦はさらにもう少し緩く感じましたが、
弾きにくいほどでもありません。
メッキ無し銅線らしい、やわらかな音色が心地よいです。

 

| | コメント (0)

2020年4月 9日 (木)

ナイルガットとリアルガット+絹芯低音弦の聴き比べ タンゴ第3番 フェレール

聴き比べの動画を作りました。…どうも画質が悪くてすみません(^_^;)
今回は合成ガット弦で有名なアクイラ社のアンブラ800セットに対して
リアルガット弦+フィガロ社の絹芯銅巻低音弦(シルクコア)。
楽器は作者不詳の国産トーレスレオナモデル。
表スプルース、横裏シープレスでトルナボスが入っています。

曲目はフェレールのタンゴ第3番でお聴きください。

動画の概要欄にインデックスをつけておきましたので
ぱちぱちと切り替えて聴くと違いがよくわかると思います。

この楽器は弦高が第1弦2ミリ-第6弦2.5ミリと低めなことと
弦のテンションも低めに設定しているので
恐れてヨワヨワになることなく、しかし荒れることもないように
タッチはとても慎重にコントロールしています。

もちろんいつもの指頭奏法ですョ(^^)/

| | コメント (0)

2020年3月16日 (月)

19世紀ギターの弦交換 大きな玉の作り方

19世紀ギターの弦を交換するときにブリッジ穴に入れる玉を作りますが、
玉が小さいと抜けてしまったりピンを押し上げてしまったりしますよね。

「どうしたらいいの?」

「どうしている?」

と時々訊かれるのでわたしがやっている簡単な方法3つとグッズも紹介しました。
1番目は「アシュリーズストッパーノット」というそうです。
ただ、2番目と3番目の方が1番目よりも大きな玉になります。

ギター弦アタッチメントの紹介はこちら(ブログ記事)


craft夢乃sound CYSアタッチメント
ブラス4.0mm ギター弦アタッチメント

 

マーチン ボールエンド弦の紹介 (ブログ記事)


MARTIN M160 Classical Silverplated Ball End
High Tension クラシックギター弦

| | コメント (0)

2020年3月11日 (水)

ガット弦と弦オイル

ガット弦を使い始める前にオイルに漬けると良いそうです。
ガットはもともとオイルで仕上げてある弦ですから
表面の状態や繊維の状態をを整えて
使い勝手と耐久性をアップするようなイメージで
わたしもそれに倣っています。

ニスコーティングされている弦には
あまり必要が無いとも聞きます。
まあ、表面をニスで固めているのですから
オイルとは馴染まないということでしょう。

というわけで、今回はわたしのやり方をご紹介(^^)

以前はジップロックにガット弦を放り込み
食用のオリーブオイルをヒタヒタにして
空気を抜くようにしてZIPし漬け込みました。
でもちょっと染み出てきたりするんで

最近ではこれです。

イワキ耐熱ガラス密閉パック200ml

という容器にオイルを半分くらい注ぎ
弦をポイッと投げ込んでおきます。
ちゃんと密閉できて、管理が楽。

Dsc00510

オイルについてはまあ何でも良さそうなんですが
まずはオリーブオイルやアーモンドオイルなど天然の植物油。
あと、最近試していて割といいかなと思っているのが
写真にある、ジョンソンベビーオイル。
割とさらっとしていて、時間が経っても悪くなりにくい。
オリーブオイルだと長期保管で油がやけるっていうんでしょうか、
劣化したにおいがしてくるんですが(弦から匂うことはありません)、
ベビーオイルは今のところそれがなさそう。

容器から弦をとりだしたら
ティッシュか布で余分なオイルを拭きとり
ギターに張る作業に移ります。

わたしがよく弦を注文している独・キルシュナー社では
弦のケアとクリーニングのためのオイルというのを売っています。

Dsc00513

もちろん右の方ですよ。4.78ユーロ。
成分はよくわかりませんが、植物系ではなさそう。

ガット弦使用前の漬け込みオイルは
いまベビーオイルが入っているので
キルシュナー弦オイルは普段のケア用に使っています。

練習終わってケースにしまう時とか
時々でも良いのですが、張ってある弦にオイリングすると
ササクレを防止する効果があり、耐久性が増します。

Dsc00514

着古した木綿のシャツを適当にはがき~A5大くらいに切って
こんな感じ(5センチ四方くらい?)に折りたたんで、
オイルで湿らせて、これでガット弦をサササッと拭きます。
オイルは滴るほどは要りません。ちょっとお湿り程度(^^)

拭いた後は毎度捨てないで
写真のようにジップロックに入れて保管します。

指板に付いたオイルはティッシュペーパー等でふき取ればよいですが
「気にしない」っていうのもアリと思います(^^ゞ

巻弦には付かないようにした方が良いでしょう。

| | コメント (0)

2020年3月10日 (火)

テルツギター G.シュタウファー 1830ca. 弦交換

Dsc00511

来る4/12ライブに向けて弦交換。
この楽器では重奏でメルツのタランテラのほか
独奏で弾くジュリアーニの大序曲も
こちらを使う予定でいます(^^)

ガット弦はオイルにしばらく浸けてから
張るようにしています。
その方が持ちが良いようです。

Dsc00510

そんな話も近く別な機会に記事にしようと思います。

==============================

さて今回は、高音弦を少し細めにすることと
全ての弦をキルシュナー社のものにしました。

テルツギター G.シュタウファー 1830ca. 弦長560mm

前の弦 → 張り替えた弦 張力(415Hz時)

第1弦 0.54    → そのまま       5.212㎏

第2弦 0.81    → 0.70           4.915㎏

第3弦 0.94    → 0.88           5.493㎏

第4弦 0.69(実測)→ 0.63(換算1.26) 5.630㎏

第5弦 0.86(実測)→ 0.84(換算1.60) 5.095㎏

第6弦 1.06(実測)→ 1.07(換算2.10) 4.926㎏

前の弦については第1弦はキルシュナーでもう少し使えそうなのでそのまま。
第1・第3弦はトロのラムだと思います(やや不明)
第4~第6弦はハナバッハ・テルツ用弦でした。

ハナバッハ・テルツ用は良く鳴るのですが
音色がギンギンしていて
全体のバランスが低音弦過多の傾向にるのが気になっていました。
キルシュナーにすることで鳴り方のバランスは良好になりましたが
第5第6弦辺りはもう一段テンションを下げても良いかと思いました。

| | コメント (0)

2020年3月 7日 (土)

フィガロ絹芯低音弦のゲージを測ってみました

フィガロの19世紀ギター用純銅巻絹芯低音弦
ゲージ(太さ)を実測してみました。

RE 0.77
LA 0.91
MI 1.02

数値を見て思ったより太いなと感じました。
その割にはあまり張りが強く感じません(個人的感想)。

| | コメント (0)

2020年3月 6日 (金)

アクイラの弦「ガット&シルク」と「セタ」

アクイラ社で作っている
19世紀ギ~20世紀初頭ギター用のセット弦についての覚え書きです。

アクイラ社のHPは以下の通り。
https://aquilacorde.com/en/

19世紀ギター用のセットを見る場合は
上のコンテンツリンク「Modern Music Strings」に進み
さらに「Historical Guitar」と進みます。

するとまずシンセティック素材の弦として
アンブラ800と900、さらにテルツギター弦があります。

800と900は太さの違い(800<900)で
800は19世紀初頭タイプ
900は19世紀末~20世紀初頭タイプ
とされているようです。

リアル素材の方はガット&シルクというセットがあり
こちらも800と900があります。もちろん注目はこちら。

しばらくこれをじーっと見ていたのですが

このガット&シルク800の低音弦だけでも買えるのかな?
と思って問い合わせてみると

「setaっていうのがあるから、それを買うと良い」

と返事が来ました。

セタは絹芯の低音弦を持ったセットで高音弦はナイルガットだったかな。
それがあることは知っていましたが、やっぱりその低音は同じものだったのか。
でも、それを購入するリンクがアクイラHPに無かったんですが
そのメールが来た後にもう一度見てみるとできてました(^_^;)
いま作ったでしょう(笑)?
セタの800と900がありました。

ふーん、と思って眺めつつ、今度は

「セタの低音弦はバラで一本ずつ注文できますか?」

と質問を投げてみました。すると

「今はセット販売だけ。将来的には対応するかも」

くらいの返事でした。なるほど。

さらに眺めているとそれらの弦データ
太さ(ゲージ)やテンション表示がなんか変。というわけで

「HPの弦データ、違ってませんか?」

と訊いてみたら

「ごめん、ごめん」って感じで以下のデータが出てきました(^^)。
あ~、よかったよかった。これで気持ちも落ち着きます。

記号・数値は弦・テンション(kg)・ゲージ(mm)の順。
テンションは弦長650mm、A=435Hzのものです。

seta 800
RE *5,9 0,81 ext
LA *6,7 0,91 ext
MI *5,9 1,15 ext

seta 900
RE *7,3 0,84 ext
LA *8,3 0,94 ext
MI *7,3 1,17 ext

Gut & silk 800
mi *6,5 0,62
si   *6,0 0,79
sol *5,0 0,91
RE *5,9 0,81 ext
LA *6,7 0,91 ext
MI *5,9 1,15 ext

Gut&Silk 900
mi *8,1 0,66
si   *7,0 0,82
sol *6,6 1,00
RE *7,3 0,84 ext
LA *8,3 0,94 ext
MI *7,3 1,17 ext

これで確かにセタとガット&シルクの低音弦は同じもの。
ただし、19世紀ギター用としてはこの800シリーズでも
わたしが使っているゲージより2段階くらい太い(張り強い)ですね。
フィガロの絹芯低音弦は薮さんと相談して
わたし好みに調整してもらったんで(#^^#)
上記よりぐっとテンションが低く設定されています。

あと、高音弦用のガット弦はギター用のセット以外にこちらからも選べます。
https://aquilacorde.com/en/early-music-strings/

上記の場合ラムガットのHU
ビーフガットのニスありHVとニスなしHLから選ぶことになると思います。

ラムとかビーフと聞くとお肉が頭に浮かびますが(笑)

追記
アクイラから来たseta800の弦データから
ガット弦換算値を出してみました。
(キルシュナーの弦計算尺使用)

Gut & Silk800とseta 800(同じもの)
ガット換算値
RE  1.29
LA  1.82
MI  2.29

| | コメント (0)

2020年1月31日 (金)

弦を繋ぐ

Dsc00476

今日は19世紀ギターの生徒さんのレッスン中に

わたしのギターの弦が切れてしまいました。

19世紀ギターの弦は高価で貴重ですから

もったいないのでその場でつないだのですが、

それを見ていた生徒さんにはずいぶん感心されました(^^)

まあ切れたあとでも長さが間に合ってまだ使えそうなら、

こういうのも一つと思いますョ。

 

ちなみにモダンギターでも時々やります。

モダンの弦って今はセット販売が多いので

一本切れた時にセットのパッケージから出しちゃうと

一本足りないセットができちゃうじゃないですか。

それで中古弦を張ろうとしても

ちょっと長さが足りなかったりするときとか。

 

結び方はテグス結び(フィッシャーマンズノット)を使います。

やり方はここクリック!

| | コメント (0)

2020年1月13日 (月)

ガット弦と巻弦のこと~ピラストロマスと銀めっき

先日、原善伸先生とチャットにて

ディオニシオ・アグアドやエミリオ・プジョールが教本に記した

爪弾きや指頭引きに関する記述について話していたところ

ちょっと面白いものがありました。

プジョールが自分で使っている弦のゲージに触れています。

Photo_20200113222201

クリックで大きくなりますので是非見ていただきたいのですが

たとえば第1弦で12.5-13.5という数値・・・。

注釈ではこれが1/10mmの単位だというから驚きでした。

だって、これ第3弦でも使わないくらい太いですよ。

わたし「・・・ちょっと考えられませんね、ホントかな(^_^;)」

原先生「この半分ならわかるけどね」

 

それからいろいろ調べていたのですが

以前よくお世話になっていた、ムシカアンティカ湘南の資料ページに

ピラストロの話を見つけることができました。

ガット弦のお話し(クリックで全文が見られます) より

2-4,ピラストロ社の弦の太さ
ガット弦をお好みの方が使っている場合が多いピラストロ社は独自のゲージ(太さ)を表す表示単位「ピラストロマス」を使っており、1pm(ピラストロマス)が 0.05mm 換算となります。

これでプジョール教本の弦のはなしがつながりました。

これはピラストロマスであの数値の1/20がミリメートルなんだと思います。

つまり、原先生のおっしゃる通り半分でした。

文章も挿絵もピラストロですしね。

あー、なんかスッキリしました。

 

巻線の方は「ソルの頃はどんな低音弦を使っていたか」という話題で

もちろん、芯線はシルク(かガット)で異論はありませんが

今回は巻き線の話。

これはフィガロの薮社長ともいろいろ意見を交わしたものでした。

結局19世紀初頭は銀めっき(電解めっき)はまだなんじゃないか

ということで、純銅線を巻くということで合意したのですが、

例えばウエムラ工業HP「めっき産業のあゆみ」には
https://www.uyemura.co.jp/museum/plating/chapter01/index.html

電気めっきの発明
1800年にイタリアの物理学者・ボルタによってボルタ電池が開発されたことは、それまでアマルガム法や置換めっきによって行われていためっき処理方法に大きな変革をもたらすきっかけとなりました。1805年にボルタの僚友のブルグナテリは、ボルタ電池を使って初めて電気めっき(電解めっき)に成功しましたが、当時ヨーロッパで強い影響力を持っていたフランス皇帝ナポレオンとの対立により、彼の研究成果はフランスの学会で隠匿され、実用化には至りませんでした。

電気めっきの実用化
ブルグナテリの後、1830年代から40年代にかけて世界の複数の科学者によって電気めっきの開発が行われ、その技術は産業界に広まりました。イギリスのバーミンガムで金銀玩具の製造業を営んでいたエルキントン商会は、メッキ加工の改良を考え、1840年に電気金・銀メッキの特許を申請し、認可されました。ロシアでは、1858年に首都サンクトペテルブルクにおいて、建物内部に世界で初めて大規模な電気金メッキが施された聖イサアク大聖堂が完成しました。

という話が掲載されており、

ちなみにわたしのラコートは1828年(原先生も同年)なんで微妙~(笑)。

ただ1830-40年代にかけてめっき技術が急発展したのであれば

カルッリ(1770-1841)やソル(1778-1839)の晩年頃は

後の主力となる銀めっき銅線巻の低音弦を試していたかもしれませんね。

では、めっきになる前はどうだったでしょうか。

フィガロで作ってもらった「純銅」(どうだけに?)

あと「純銀」というのは有ったと思います。高価な感じはします。

純銅は素材としてけっこう柔らかいですね。

銅に錫を混ぜたブロンズや亜鉛を混ぜたブラスなども可能性はあるのかなあ。

| | コメント (0)

より以前の記事一覧