04.弦の話

ナイロン弦もガット弦も~クラシックギター弦のインプレッションなど。

2017年4月15日 (土)

研磨弦その2 ラベラ・ポリッシュド

前回に引き続き、研磨弦の後編は低音弦です。

クラシックギターの低音弦の構造は
芯にナイロンフロスといわれる極細のナイロン繊維の束があり
その外側を金属の細い線が巻いています。
近年ではそれらに新素材が使われることもあります。

ナイロンが使われる前は絹糸が芯になっていました。
※今でも絹糸芯の低音弦はアンティークギター用に少量作られています。

巻き線は銀色メッキされた銅線が主流ですが
時々メッキをしていない銅(10円玉の色)や
銅と亜鉛の合金(真鍮、5円玉の色)のものも見かけます。

で、低音用の研磨弦というのは

もともと巻き線は丸い線なので
巻いていくと表面は凸凹になるのですが
その凸凹を磨いて平らにした弦ということです。

フラットワウンドといって、もともと四角い(丸くない)線を巻くことで
表面を平らに仕上げる場合もあるようです。

今回取り上げているラベラの弦は
どれも「ポリッシュド」とあるので磨き加工と思います。
「ポリッシュドpolished」は文字通り《研磨》。
高音弦はレクチファイドと称するのに低音弦はポリッシュド。
製法の違いかなと思います。

さて、ではまず普通の弦の様子から
写真をクリックすると大きく見ることができます。

815lt

Dsc00873

ハナバッハのシルバースペシャル緑 815LTです。
表面が∩∩∩∩となっているのが見えるでしょうか。

ここから、ポリッシュ弦になります。


413p

Dsc00869

ラベラ プロフェッショナルシリーズのレコーディング413P。
真鍮巻きです。テンションはミディアムの1種類ですが
ギターショップアウラのHPによると
1~6弦までのセット弦の張力表示が37.9キロとあるのでむしろローテンション系です。
実際に張って使ってみても、強さ、硬さは感じませんでした。

表面がΠΠΠΠとなっているでしょう!

つづいて・・・

500p

Dsc00865

ラベラ・プロフェッショナルシリーズのコンサート&レコーディング500P。
こちらはメッキされた銅線で、変色防止加工もされているとか。
しかし、すでに見たことないような燻し銀の色(笑)

ハイテンションの扱いですが、数値でも413Pより少し強い程度で
413Pと比べて、手に感じる張力の違いはほとんどありませんでした。
ただメッキのせいか413Pより発音がはっきりしているように思います。
アウラHPによると6本セットで38.4キロのテンション。

オマケ情報ですが、このセットは高音弦も試しましたがなかなか良いです。
ピンと張ったやや硬めな感触があり、音色よく、安定がものすごく早い!


研磨弦、もう一つあります。


2017041400001

Dsc00868

ラベラ・エリートクラシカルシリーズの900という型番。
これは写真の研磨された真鍮巻きの低音弦に
違った高音弦を組み合わせて3種類のバリエーションを作っています。

ゴールド(黄色っぽい)色の高音弦は900
1、2弦はゴールド、3弦が巻き線で用意されるのが900W
ブラックナイロンの高音弦は900B

セット売りがほとんどですが
池袋のファナでは低音弦だけのバラ弦を扱っていました。
その際の型番は
4弦908 5弦910 6弦912 となります。

殆ど413Pと変わらないんじゃないか!?と見えますが
413Pよりフラット度が高く、フラットワウンドのような感触。
そして、少し張りが強く、表面の硬さも感じます。
アウラHPによると900Bセットで39.4キロ。
それと、プロフェッショナルシリーズと比べるとグッと格安。
・・・なんでだろう?

======================

ポリッシュド低音弦のまとめですが、
凸凹がなくなると左手の移動でキュッキュ言わなくなります。
ウルトラスムーズ、ヴィラ=ロボスなんか弾き放題!(笑)
これが「レコーディング用」などと言われるゆえんですね。

音色の方は、マイルド(円やか)、メロウ(芳醇)
・・・まあ、平たく言えば・・・使い込んだ弦の音(笑)??
いやいや、そんなひどいものではないのですが coldsweats01

普通のギターの低音弦って
新品のときにジャリっていう音がしますよね、よく言えば、ブライトな感じ?
まあ、それが鳴ってるってイメージにつながるのかもしれませんが
1週間~10日もすれば、そういう音は収まって
(わたし的には)本来の音がするように思うのですが
「ジャリ」が好きな人は、頻繁に弦を替えたり
演奏直前に交換したりするのかなと思っています。

でも、あの音はやっぱり指(爪)が弦をこするノイズが
耳に早く到達するから「ガツン」と聞こえるんですよね。

この研磨弦にはまったくそういう要素がありません。

ボーーンっていう音(笑)。

でも、19世紀ギターとかを弾いていて
絹の弦や巻き線の細い弦に慣れていると
ボーーンのなかに楽器の音を聴いているので
こういう音も悪いと思わないんですよね。

むしろ(弦ではなく)楽器が鳴っているような自然な鳴り方かなと。

あ、もちろんモダンギターでは時々欲求不満的な気分も
感じないといったらウソになりますが coldsweats01
楽器の中ではバランスが取れた響きのようにも思います。

ギターデュオなどでは相手次第で決定的な違いが出るかもしれません・・・

19世紀ギターレプリカでは
田中清人作のラプレヴォットモデルに
前出のプロアルテ・レクチファイドの高音弦と
ラベラの413Pの低音弦を張ってみましたが
モダンギターとは違う個性的な響きを
弦の方からも作れてなかなか良かったです。

モダンギターでの試用も続けます。

この記事を読んで、ご自身でもやってみようと思われた場合は
張った直後に
「鳴らない」→「ダメだ」と即断しないことが肝心ですヨ。
いや、張ったら必ずそう思うと思うので(笑)

慣れると好きでたまらなくなる日が来るかも! happy01
そんな予感があります。

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2017年4月14日 (金)

研磨弦その1 プロアルテ・レクチファイド

最近、研磨された弦がブームになっています。
もちろん、自分の中で(笑)。

今回この記事で紹介するのは
高音弦がプロアルテの「レクチファイド」というシリーズ。
最近発売されたようです。

「レクチファイドRectified」は《直す》とか《整える》というような意味ですが
以前からもピラミッド社のリュート用ナイロン弦でそういう加工のものがありました。

通常ナイロン弦は「クリアナイロン」と言って表面がツルツルしたものですが、
「レクチファイド」は細かく研磨されている感じでサラサラしています。
見た目も半透明な感じ。(写真はクリックすると大きくなります)


Rnn3t

Dsc00870

これがちょっと、ガット弦と近い感触があって
19世紀ギターのレプリカに張ってみたのですが、割といい感じ。
リアルガットやナイルガットと比べると、
弾いた感じも音色も軽いのですが、嫌な軽さではありませんでした。

もちろんガットの音が再現されるわけではありませんが
音の最初に指が弦とこすれる音がほんの少し入るのですね、
表面ツルツル一般弦のポオ~ン・・・という音とはちょっと違っていて
そういう意味では、表面サラサラナイルガット弦と共通するところはあるかな。
サラサラ・ザラザラ具合を言えばギターに張った状態で弦をこすると
「カー、シー、カー、シー」と擦れる音がします。
クリアナイロンではこの音はしませんね。

プロアルテではこのシリーズを3タイプ出していて
テンションの弱いほうから
モデラートテンション、ノーマルテンション、ハードテンションがあります。
今回写真でお見せしたのはノーマルテンションですが
R N N 3Tという型番がついていました。
「レクチファイド」のR、「ナイロン」のN、「ノーマル」のN
そして「トレブル(高音弦)」3本の3Tということみたいです。
最近、ダダリオではそういう型番を付けて
高音弦セットと低音弦セットを分けて販売しているみたいです。

なかなかついて行けないのですが、覚えるとカッコ良さそう(笑)?

モダンギターに張ってみた時はピンと来なかったのですが
19世紀レプリカにはまあまあかな。
普通の弦を張ると、いかにもモダンの弦の音がしちゃいますから、
アンサンブルの都合などで
ナイロン弦を装着するときの選択肢にはなりそうです。

ライバルはナイルガットというところかな。

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2017年1月26日 (木)

ガット弦を試そう!

Dsc00830
↑キルシュナーの弦計算尺とイタリア・トロ社の弦(MASによるギター用セット)

昨日の記事の終わりにガット弦のススメみたいなことを書いたので
責任を感じて(笑)!? もう少し丁寧に書いてみたいと思います。

あくまでも、わたしのやり方として読んでくださいネ!

ガット弦を張ってみようと思っても
どんなものを買って、どんな風に試せばいいのか
初めての方はチンプンカンプンだったりしますよね。

慣れている人から「いろいろ試してみればいいんだよー」なんて言われても
その「いろいろ」がわからないよ~!となりますよねえ。

そこでここはひとつ、言い切ってしまうのも大切と考え
少々乱暴と言われるのも承知で
わたしがその指針を出して進ぜましょう!(^o^)丿

一応、19世紀ギターを念頭に置いていますが
経験から言うと
1弦は0.6-、2弦は0.7+、3弦は0.9-、くらいで選びます。
+-はそれより少し太め、細めというような意味です。

でも、これでも初めての方は「うーむむむ・・・」でしょう(^_^;)?

なので、さらに具体的に、強引に(笑)
ムシカアンティカ湘南(MAS)のHPからオンラインショップ
http://www.coastaltrading.biz/onlineshop.html

ここからギター用弦で
1弦0.60 2弦0.71 3弦0.82、低音弦はライトを選びます。

注文するとほどなく届きますから
まずはそれを張ってみます。

・・・終わり。。。じゃなくて(笑)

ここからが今度はいろいろ試すところですヨ。

まずは全音下げの392Hzくらいに合わせてみます。
緩い感じはすると思いますが、それでも結構鳴るはずです。
(特にオリジナル楽器ならなおのこと!)

その響きを楽しんだら少しずつあげてみましょう。
ピッチ400~405~410・・・
別に5Hzずつあげましょうということではなく
鳴り方や手の触感を感じながら。。。少しずつ

ちなみに630ミリ程度(以下)の楽器でしたら、
このセットで430Hzくらいまでは上げられます。
逆に言うとあまり上げると切れちゃうこともありますから
上限はそのくらいで思っておくとよいでしょう。
実用上もそんなもんですし。

で、続き。
そうすると、楽器がちょうどよく鳴ってるなあとか
右手が弾きやすいとか、そんなようなポイントが現れてきます。
まあ、最初はそれもよくわからないかもしれませんが
わからなければ、また明日。
急がず、時間をかけて感じていけばよいでしょう。

良いポイントが見えたら
そこがピッチ何Hzかを覚えておきます。

つまり、そのテンションが楽器にとって(自分にとって)
丁度良いテンションということですね!

一人で弾く分にはピッチがいくつだって構わないわけですから
これでいいや、という人はそのピッチで奏でればよいのですが
アンサンブルだったりすると相手の都合もあってそうもいかないので、
丁度良いピッチからその時のテンションを計算します。

その時には写真左の計算尺を使ったりしますが
ネット上にも何かあるようですし、アプリなんかもあったりするのかな。
そこはちょっと苦手なので、どなたかフォローがあったらお願いします(^_^;)

欲しいピッチとテンションが決まっていれば
弦のゲージはすぐに割り出せます。
「今と同じテンションで、430Hzにするということはぁ・・・」
というような計算ということです。

それが次買う時の候補になるという感じ。

まあ、ここまで来ればガット初心者は卒業ですから(^o^)丿オメデトー!
今度、どんな弦を張ろうかなと考える基礎はできてきているはずです。

オマケにこれまた、経験的に言うと
1弦は音が高いし弦が細いので
ゲージ0.2mmくらいの違いが割と結果に出やすいですが
2弦3弦など太くなるにつれて、そのくらいの細かい違いはあまり気ならなくなります。
また、3弦辺りはテンションを求めて太い弦を選ぶと
弦の太さによってかえって音も鈍くなるということも経験すると思います。

わたしの場合はラコート(1828年)には現在このセットを張っていますが
独奏や個人練習など一人で弾くときには415Hz前後、
レッスンでは392Hzで合わせている生徒さんもいるので
そういう時はそこに合わせますが、そんなに問題はなく、
あるフルートと合わせるときには422Hzとか
特段、弦を交換するようなこともなくやっています。
(都度交換するの、大変ですし(^_^;))

なので、あまり厳密に考えすぎないようにすること、
あと結果を早く求めようとしないことも肝要と思います。
高めに合わせる可能性があるなら少し細めを選んでおくなんていうのも手です。

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2017年1月24日 (火)

ガット弦を弾こう!会

Mas1


Mas2


先日は愛器ラコートを持って茅ヶ崎はムシカアンティカ湘南(MAS)に出かけました。
建孝三先生ともお会いし、ガット弦談義、19世紀ギター談義もろもろ。
上の写真はMASの渡邉さんに撮影していただいたもの。
楽しいひと時をコーディネイトしていただき、ありがとうございます!

建先生も素晴らしいオリジナルラコートをお持ちで
こんなすごいギターがあるのならぜひガット弦をということで
いろいろ試していただいています。

多くのギタリストはガット弦を使うとその音色は気に入っても、
爪によってすぐに弦が傷んでしまうことに参ってしまって?
しばらくするとナイロン弦に戻してしまうことがままあるのですが
建先生の場合は繊細なタッチコントロールと
いわばガット弦専用のタッチを研究することで
(まだ研究過程とのことですが)割とよい感じに使えていました。

わたし自身ははガット弦を存分に使いたいばかりに
指頭奏法に転向し、
ようやっとナイロン弦も指頭で弾けるようになってきましたが
ナイロン弦を弾く爪を持ってガットも弾ける
ハイブリッドなテクニックもきっと存在するのだと思います。

アグアドは爪を使って弾いていたともいいますし
ガット弦使用に際して爪のあるなし(爪を当てるか当てないか)は
どちらもアリなのでしょう。

大事なのは、ナイロン弦を弾くようにガット弦を弾いてはダメだ、
ということなんですねえ。
建先生の様子を拝見して、改めて思いを強くしました。

あと、19世紀ギターの音色はやっぱりガット弦がデフォルトです!
ナイロンともカーボンともナイルガットとも違う、
深みとともにカラフルな音色を持った本来の音がそこに浮かび上がりました。

あ~、爪奏法と指頭奏法で「二人の友」を弾いてみたい!と
心に強く思いました(^o^)丿

ここMASではトロというイタリアのメーカーのガット弦で
ギター用のセットが用意されていています。
低音弦はノーマルとライトの2種があり
高音弦は微妙なゲージも相談に乗ってもらえるので
サバレスやアクイラのセット弦よりもライトな
19世紀ギター向けの組み合わせも割と手軽に用意してもらえます。

ガットを試してみたいけど個人輸入はハードル高いし
どんなゲージを張ったらいいかわからないし・・・
なんて方はぜひ問い合わせてみてください(^o^)丿

HP:http://www.coastaltrading.biz/

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2016年12月 8日 (木)

テルツギター 弦交換 ハナバッハ/テルツギター用弦

Dsc00781

テルツギターはもともと19世紀ギターの一種で
通常のギターより短三度高く調弦する小型のギターです。

ヨーロッパ各国のスタイルで見られますが
特にドイツ、オーストリアなどでよく使われたようで
シュタウファー系のものをよく見ます。

古いギターでは「これがテルツギターです」
なんてラベルに書いてあったりはしないので
だいたい弦長で580mmを切ってくるとテルツギターかな?なんて思います。
ちなみにジャーマンスタイルのギターはそもそもが弦長短めで
610mmとか600mmなどは普通の弦長なのです。

さて、
この楽器は野辺正二氏2003年製作のものでシュタウファーモデル。
野辺さんは溝カルでおなじみ、かの溝渕浩五郎先生所有の
シュタウファー(アントン)を預かっており
それをもとに、シュタウファーモデルを製作していました。
野辺さんらしく、良材を使って細部までかっちり作られていて
澄んだ爽やかな音色がしています。


今日は
来年1月28日の古楽器トリオ武蔵村山公演での使用を視野に
これの弦交換をしました。

今回このギターにはナイロン弦を張ったのですが
ハナバッハからリリースされているテルツギター用のセットを選びました。

以下データです。
(低音弦はデータを取ってもあまりあてにならないので割愛しています)

======================

野辺正二作 テルツギター/シュタウファーモデル
弦長570mm 張力はA=415で算出
ハナバッハ・テルツギター用弦 太さは張る前に計測した。

1弦 ナイロン0.57 5.156k
2弦 ナイロン0.72 4.310k
3弦 ナイロン0.96 4.827k

ちなみに、以前張っていた弦はハナバッハのイエローラベル
ギターショップアウラHPにあったデータによると

1弦 0.71 7.467k
2弦 0.81 5.455k
3弦 1.01 5.343k

となる。
張ってあった弦をはずして計ると元の太さより
およそ0.1から0.2ミリ程度は細くなっている。(引っ張られて伸びたため)

イエローラベルの時はコロコロと丸く、太く、力強い音だったが
テルツ用弦に変えるとテンションを下げた時特有の“楽な鳴り方”になったと感じる。

力強さは落ちるのだが、余韻が伸びるようになり
音色のバラエティが増え、華やかな色合いが出てくる。

どちらが良いかは少々迷うところだが、
もともと鳴りはある楽器なので今回はこちらで行ってみようと思う。

話は脱線するが
ナイロンで0.6mmの弦はガット弦では0.55mm程度の弦と同等のテンションになる。
19世紀ギターなどで、ナイロン弦仕様で
ハナバッハのイエローやダダリオのライトよりテンションを下げたい場合の
一つの選択肢になると思う。

ハナバッハテルツ弦は池袋のギターショップ、ファナで扱っている。
ただし、残念ながらばら売りはされておらずセット販売のみ。

これより細い弦としては同じくハナバッハからアルトギター用弦が出ている。
データを見ると高音弦はテルツギターと変わらない程度にみえるが
うろ覚えの記憶では低音弦はかなり細かったように思う。

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2016年12月 3日 (土)

ルネサンスギター 弦交換

Dsc00746


今年6月に入手した田中清人作ルネサンスギター。
出来上がったときには丹波篠山の田中工房まで行ったのを思い出すなあ!

6月23日の記事

来年の演奏会に使おうかというアイデアがあり
今回、総ガット弦に交換することにしました。

Dsc00747

ルネサンスギターは16世紀に活躍した4コースのギター。
元の楽器(オリジナル)は現存していないので
当時の絵などを参考に作られています。
いわゆるバロックギターが登場した後も
18世紀くらいまで小型のギターとして使われていたようです。

調弦は下からソ・レ・ラ・ミ。そう、ウクレレと同じ。

ただし、ウクレレはバロックギターから
南米を経てハワイにやってきたと聞いたので
繋がってはいるものの
ルネサンスギターが直接ウクレレになったわけではないようです。

これは16世紀の楽譜。
4コース用のタブラチュア譜。

20161203400001

こういったソロや、かき鳴らしによる伴奏などで使われていたといいます。

さて、今回の弦交換。
今年春に借りた楽器のデータをもとに
1コース5キロ程度を目安に弦を選んでいましたが
楽器による違いがあるのか
ずいぶんテンション低めの調整でしっくりきました。

Dsc00745


======================

以下、データ。


田中清人作 ルネサンスギター
弦長410mm 張力はA=415で算出。
https://www.cs.helsinki.fi/u/wikla/mus/Calcs/mc.htmlを参照。

1コース ガット0.53 (トロ・ニス仕上げOX) 3.391k
2コース ガット0.55 (キルシュナー・フレットガット) 2.049k×2
3コース ガット0.68 (アクイラ・オイル仕上げ) 1.973k
3コース ガット0.65 (サバレス・ニス仕上げ) 1.803k
4コース ガット0.99 (アクイラ・オイル仕上げ) 2.347
4コース ガット0.53 (トロ・ニス仕上げ) 2.691k

今回はお試しということもあって
中古弦、フレットガットなど組み合わせたので
かなりチャンポンになっているが太さのみで選んだ故。

ガットにすることと、テンションを下げたことで
明るく軽やかに鳴る感じが出た。
かき鳴らしも爽やかだ。

ガット、特に細いガット弦は
ダルダルで鳴らないところからグイッと引っ張り上げて
鳴りが出てきた(出はじめた)なあというあたりのテンションが
一番使いやすいような気がする。

こういう時の操作は木ペグが一番いい。
マシンでは音を上げるまでにグルグルしすぎるのと
テンションを巻き上げる左手に感じないので
感覚的につかみにくい。

ケースはウクレレ用でピッタリ!
Dsc00748

田中清人さんのHP


田中清人さんのブログ

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2016年7月31日 (日)

トーマス・ジョンソン作 6コースギター 2011年 弦交換

今日はこの楽器の弦交換。
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Thomas A Johnson (トーマス・A・ジョンソン)作
6コースギター (ジョセフ・パヘスのレプリカ) 2011年製
オリジナルをつぶさに研究した、限りなく本物に近いレプリカです。

2本の弦を一対として1本分の役割を持たせるギターは
複弦と言いますが、複弦の場合はその一対を「コース」と呼びます。

つまり、このギターは6コース12弦。
ただし、いま第1コースはシングルとしているので
合計では11本の弦を張っています。

いま「バロックギター」と言われるギターは
5コースの複弦の楽器で18世紀まで使われていましたが
いわゆる19世紀以降のギターの主流、6単弦ギターに進む過程で
このような6複弦ギターも使われていました。

スペインやフランスで多かったようで
オリジナル楽器もこの元になった楽器パヘス(スペイン)や
プティジャン(フランス)のものなど見たことがあります。

さて、今日はこの楽器の弦を交換して
ガット弦仕様にしてみます。

張ってあった弦はナイルガット。
この楽器に張る弦はキルシュナー社のものから選んでみました。

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弦の太さのデータを取るためにデジタルノギス。
本来ならこういうのを計るのはマイクロメーターなのですが
弦はコロコロしててホントに測りにくいので
最近はこれで何か所も計っちゃいます。
小数点以下2桁まで表示なのですごく便利です。(^o^)

あと、ペグコンポジションも用意しました。

今回の弦交換はナイルガットをリアルガットにすることと
4~6コースをオクターブにすることにしました。
4~6コースの巻線はまだ使えそうなのでそのままにします。

以下データ(おぼえがき)========

弦長646ミリ ピッチ415Hz~430Hzを想定

張ってあった弦(ナイルガット)
1 : 051(シングル)
2 : 063
3 : 080

新たに張った弦(実測値)
1 : DL 046 (048)
2 : DL 056 (060)
3 : FDL068 (069)
4 : DL 048x (050)
5 : DL 058 (062)
6 : DL 079x (079)

Xはバーゲン価格の2級品の弦だが
悪い感じもそれほどない。

音色は上々。思った通りの感じ。
音に色あいを感じる。ここがガット弦の良さと思う。

全体に以前の弦より細くなったので
440Hzの調弦も可能になった。

低音弦がオクターブになると響きが華やかになる。
特にラスゲアードなどに顕著。
ただし、スケールのときや
2声の動きで下の声部が上の声部を飛び越えたりすると
一瞬ぎょっとして手が止まる(笑)

やっぱり、ここでも「慣れ」かと。

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(低音弦はオクターブに張った)

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(ヘッド部、糸蔵の様子)

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(ブリッジ部、サドル無くバロックギターやリュートのような弦の取り付け)

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(ラベル)

================================

この楽器は昨年、アンティークフルートとのアンサンブル「シードルズ」で
一曲だけ演奏した際、「すごく良かった!」とうれしい感想をいただきました。
1曲だけだったのは、実はわたしが複弦の操作に全然慣れていなかったから。

2本で1対の弦はなんというかきし麺のような?
昔のパンツの平ゴムのような?(笑)
こう、平べったいものの上っ面をひっかくような感触で
ずいぶん戸惑ったものですが最近は少し慣れてきました。

今後はいろいろなレパートリーを試してみます。
明後日、フルートの朝倉氏が来るので
ライブに取り込めるよう相談してみたいとも思います。

こうご期待!(^o^)丿

【後日談】
上記の弦交換のすぐ後に
フィランディエレの6コースギター教本を見たところ
弦は6コースのみオクターブを張るという記述を見つけ
そのように変更しました。オクターブ上弦はガットで。
オクターブが鳴るキラキラ感は下がりましたが
落ち着いて弾くことができます。ヨカッタ(#^.^#)

ま、最初に見てからやりなさいということでもあるのですが(^^ゞ

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2016年5月 9日 (月)

ルネサンスギター 弦交換

5月22日の逗子ライブのためにルネサンスギターの弦交換。
Dsc00495
ルネサンスギター うさぎ楽器(菅原大輔)1994年 弦長505ミリ 

張力はA=415Hzで算出(キルシュナーの計算尺による)

1コース カーボン0.45 (ピラミッド・リュート用弦) (5.1k)×1
2コース ガット0.53 (サバレス・オイル仕上げ) (2.7k)×2
3コース ガット0.63 (サバレス・オイル仕上げ) (2.5k)×2
4コース ガット0.89 (サバレス・オイル仕上げ) (2.7k)
      カーボン0.45 (ピラミッド・リュート用弦)(4.0k)

《おぼえがき》
オイル仕上げのガットはニス仕上げとまた風合いが異なり
スムースで指あたりが良い。

このルネサンスギターは逗子のうさぎ楽器より
ライブのために貸し出しいただいたもの。
Dsc00494

ロゼッタの意匠がカワイイ。

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センチョルディ・エルマノス 弦交換

来る6月10日、GGサロコンを見据えてスパニッシュギターも弦交換。
今夜はこんなのばかり。
0092sh
スパニッシュギター (センチョルディ・エルマノス 1880年頃 弦長645ミリ)
こちらも木田新一氏撮影

張力は392Hz時の値(キルシュナー計算尺による)

以前の弦→今回の弦

1弦 0.63(5.8k) → 0.64(6.0k)(キルシュナー・ハイツイスト・ニス)
2弦 0.79(5.1k) → 0.75(4.6k)(キルシュナー・ハイツイスト・ニス)
3弦 0.91(4.3k) → 0.87(3.7k)(キルシュナー・ハイツイスト・ニス)

4~6弦 アクイラシルク800セット
       → トロシルクノーマルセット

以前の弦はガットもアクイラ弦。
ラウテと同じ弦を張っていた。
ゲージが違うのは測定の誤差の範疇。


《おぼえがき》
初めて使うキルシュナー社のガット弦。
アクイラの弦などを見慣れていると「ほんとにガット?」と思うほど透明。
もちろん、折り曲げたりすると白くなる(ガットだから)

表面もツルツルで手触りが良く、直接指で触れる撥弦楽器には良いかもしれない。
(ザラッとした弦にはそれはそれで味わいはあると思う)
とてもしっかりした太い音だった。

が、

パッケージのゲージと実ゲージが違っていた。
ゲージを実測せずに1弦を張ったので
以前の弦と指に感じるテンションが変わらないのでびっくりしてしまった。
実測してみると
060→064 073→075 085→087
特に1弦を想定して手に入れた060は
+0.4も違うと大きくイメージが変わるので困ったものと思う。

ただし、慌ててガムウトの0.60を張ると
ちょっと弱々しい感じがしたので、また戻した。
けがの功名的にこれはこれで良かったのかもしれない。

キルシュナーは同時に2セット入手したがもう片方もゲージは同じようなものだった。
FD(ハイツイスト)だからそうなるのか、ちょっと周囲にリサーチしたいと思う。
ちなみに通常のプレーンガットではほぼ表示通りだったので
向こうが間違ったのかな??

結果的に前のゲージとそう変わらない高音弦だったので
低音はトロ社のシルクノーマルテンションを合わせたが
ほぼ以前と同じ程度の弾き心地。
トロの方が音色的に若干しなやかな感じはあった。

(低音)弦の太さを見比べても
アクイラの800(19世紀用とうたわれている)と
トロのノーマルはほぼ同じくらいに見えた。

このギターはサドル(にあたる部分)が低いので
スーパーチップを使用している。


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2016年5月 8日 (日)

ハウザー1世ラウテ 弦

6月10日のGGサロコンを見据えてラウテの弦交換。

201501261

ラウテ(ハウザー1世作1914年 弦長660ミリ)
(写真は木田新一氏撮影)

張力は392Hz時の値(キルシュナー計算尺による)

以前の弦→今回の弦

1弦 0.62(5.9k) → 0.60(5.5k)(トロ・牛・ニス)
2弦 0.79(5.4k) → 0.71(4.3k)(トロ・牛・ニス)
3弦 0.89(4.3k) → 0.82(3.6k)(ガムウト・羊・ニス)

4~6弦 アクイラシルク800セット
       → トロシルクライトセット

以前の弦はガットもアクイラ弦。

《おぼえがき》
思い切ってテンションを下げてみたので
弾くときの感触はけっこう変わったがいやな感じはない。
鳴りも悪くはならず、軽やかさが出たように思う。

低音弦はデータがないため張力は不明だが
高音弦に準じた程度に緩くなったようだ。

しばらく調子を見て、ピッチを検討したい。
392Hzより少し上げてもよいかもしれない。

トロ社ではシルク芯の巻弦を作らなくなったらしい。(今後はナイロン芯)
テンションデータはなかったが、
19世紀ギターに合う細めのシルク弦は
貴重な存在だっただけに大変残念。

アクイラのガット&シルクセットの弦は
19世紀ギター用とうたっていても少々太めだ。

ガムウトの弦はギター用のセット弦で
062 082 100という組み合わせでlightとある。
牛の場合beef gutと書かれているので
書かれていないものは羊だったと思う。

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