06.楽器ばなし

クラシックギターのインプレッションです。

2018年10月25日 (木)

ギタリスト・小川和隆さん、陶芸家・角田真さん、弦月庵・小林正児さん


動画は小川和隆さんとソルのランクラージュマンよりカンタービレ

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ギタリストの小川和隆さんがお友達の陶芸家角田真さんといっしょに

おらが村、武蔵村山を訪ねてくれました。

角田さんは小川さんと大学時代のギター部仲間という事で、

専門は陶芸でありながらギターもよくなさっており

19世紀ギターのコレクションもお持ちで、

この日は小川さんに貸しているというパノルモ(1848)と

1830年頃のフレンチを拝見させていただきました。

そして、こちらも1844年のパノルモを出してさっそく19世紀ギターデュオを楽しみました。

どちらも170年ほど経ったギターですが

こうして弾けば当時の音楽を活き活きと表現してくれますし

その愉しみを現代のわれわれやや周囲の人々に伝えてくれます。


19世紀ギターの立奏デュオは本当に楽しいです。

小川さんのパノルモはナイロン弦

わたしの方はガット弦仕様になっています。

ピッチは半音下げの415Hz。

湿度の関係でわたしの弾弦時に指が弦をこする

キュキュという音が入ってしまいました(^_^;) ゴカンベンヲ

わたしのところは電車も通っていない武蔵村山の小さなスタジオですが、

最近こうやって音楽家の方々が訪ねてくださって

アンサンブルを奏でて愉しむ機会が増えてきて心から楽しくありがたいことです。


そのあとは村山のさらに奥深いところ(!)にお住まいの小林正児さんの弦月庵へ。


小林さんは元々振動の専門家だった方ですが、

学生の頃ギターをやっていたことから退職後の楽しみとして

全ての板を最大限に振動させて、

木そのものの音(音量も音色も)を鳴らし切るというような、

これまでとは全く違う視点からオリジナルなギターを製作・研究されている方です。

ギター製作界の大御所も一目置いている存在。


そこへ小川さん、角田さんをお連れし

小林さんの作った弦月ギターのレクチャーを受け

実際に手にして音も出してもらいました。


そのあとは我が家で宴会したのですが・・・すぐ飲み始めちゃったので

その写真を撮るのは忘れました(笑)

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1
パノルモ&パノルモのデュオです。
先日の植木さんとの新潟公演でもパノルモ2台でした。
パノルモは名の通ったオリジナル楽器としては
結構数が出回っていますから
こうした楽しみもやりやすいかもしれません。

同質な音がよく溶け合い、
合わせやすく音楽が作りやすいですね。


2
陶芸家の角田さん。
この写真で小川さんの持っているフレンチも角田さんのものです。
ノーラベルですが19世紀前半のものでしょう。
明るく広がる音色はわたしのラコートと共通していました。
良いコレクションですね!なかなかの名器です。

3
ラコートのリラを見ていただきました。
こういうフォルムや音色をどう感じるか
いろいろな感想を戴けるのでわたしも勉強になります。

4
小林さんの弦月庵にて。
小川さんが持っているのが弦月ギター。
あらゆる部分にアイデアが満載で
形状や仕様に意味(理屈)があります。
それがこうして形になっているのでした。

小川さんも角田さんも
興味津々で小林さんの話を伺っていました。

5
これが板の音を聴く機械「弦奏」
これを使うと板の特性や個性までも聴き分けることができてしまいます。
板に振動を与えて音を出させるのですが、CDなどの演奏を鳴らすことができます。
そう言った音源で聴くとオーディオ屋さんでスピーカーを次々スイッチして聴くように
板の音や特性、性能、素性を感じることができます。 

ギター製作家がタッピングによって板を判断しより分けていますが
わたしたちにはどう叩いてどこをどう聞くのか、
どういうのがいいのかまるでわかりません。
でも、この機械にかければ素人の我々でもハッキリわかるというわけです。

完成品のギターを鳴らすこともできますし
そのエイジングもできるということです。

弦奏のホームページはこちら(クリック)


6
2台の弦月ギターでデュオを披露しました。
小林さんが感激してくださいました!

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2018年4月27日 (金)

クルト ホイヤー 1964年 ウインナー&スパニッシュ・ハイブリッドギター

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クルト・ホイヤー 1964年(ドイツ) 弦長625mm
スプルース・メイプル
R.Kurt Hoyer 1964

ちょっと面白いギターです。

ホイヤーギターで調べてみると
こんなサイトが当たって(クリック)
19世紀からあったメイカー、ホイヤー家の一派ではないかと想像するのですが
Kurtの名前は出てきません。


このギターについてはシュタウファーからの流れのウインナーギターと
スパニッシュクラシックギター・・・つまりモダンギターとのハイブリッドを感じます。
加えて言えば、このフォルムが
ドレッドノウトなどのフォークギターとも重なって見えます。

弦長は625mmと短め。
でも、ボディが大きめなのと、ネックも四角くゴツいので小型には感じません。
高音は20フレットまで延長されています。

横裏板は綺麗なメイプル。

Dsc01465

ウインナーギターの流れを感じさせるのは
シュタウファーのレニャーニモデルにある、弦高調整システムを持っていること。

Dsc01466

この穴にウオッチキー(時計のぜんまいを巻くカギ)を突っ込んで回すことで
弦高が変化します。

Dsc01468

12フレットから先は表面版に接しておらず、浮いています。
前出のキー操作によって、ここが動くからです。

キーを最後まで緩めると、ネックを外すことができます。

表面版の力木はモダンギターにあるようなファンバーリング(扇状配置)。
低音側に1本短いのが追加された8本バーでした。

ボディがスパニッシュ、ネックがウインナーというのは
20世紀前半のドイツなどでは
他のメイカーでも時々あるようですが
わたしも試奏したことがあります。

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これは都内某所にて拝見させていただいたもの。
メイカーはハウザー1世1926年。う~ん、良い音だぁ~。
この頃、セゴビアからの依頼を受けて、様々な形を実験していたのでしょうか。
後のスパニッシュほどは粘りませんが
それまでのウインナーよりはずっと円やかな方に傾いている
スパニッシュギターとは何なのか、
その神髄を探っているようなハイブリッドでした。

閑話休題・・・話を戻しますと

ホイヤーギターもやはり少しスパニッシュ離れしています。
時代的には1964年ですから、
世の中のクラシックギターは十分スパニッシュ化されています。
なのでこのモデルは、あえてスパニッシュを目指さなかったというか
やっぱり、ジャーマン的なものとのハイブリッドを
目指していたのではないかと思います。

ハウザー1世のような凄みや格調こそありませんが
やや硬質で品の良い透明な音がコンコンと響く感じ。
単音も和音も爽やかな気分を持っています。
アコースティックギター系なんでしょうか。

ラベルはというと
Dsc01469

こんな感じ。

R. Kurt Hoyer - Lauten und Geigenbauer - Mannheim S 2,11 Anno 1964

とありました。

Lauten und Geigenbauer は
リュートとヴァイオリン製作者と訳すようですが
ルシアー(ルーティエ)みたいな、弦楽器製作家みたいなことでしょう。
割と、クラシカルな表記のラベルです。

このギターは今度のアイリッシュハープとのライブで使うことにしました。
アイリッシュハープとの時は、あまりねっとり粘らないギターの方が気分です。
19世紀ギターのレプリカも試してみたのですが、
どうも少し音色が優しすぎる傾向があって、
もっと音が張っていた方がいいかな、と思ってこれを選びましたが
なかなかイイ感じで響きあっています。

アイリッシュハープとのライブは5/13(日)
よろしかったらぜひ、このギターの音色も楽しんで行ってください happy01
ストラップボタンもあるので立奏でいこうと思っています。

180513
(チラシクリックで大きくご覧いただけます)

紹介記事はこちら(クリック)

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2018年4月15日 (日)

弦月ギター試奏

Photo

一昨日は独自の視点でギターを研究している小林さんのところへ行ってきました。

小林さんの作るギターは「弦月ギター」と命名されていて

わたしは新しい弦月ギターができるたびにお邪魔して試奏しています。

今回はメイプルのサイドバックで作られたギターを弾いてきました。

同じつくりのローズやマダガスカルと比べると

メイプルがどういう音を持った素材なのかがよくわかります。


弦月庵~小林工房(研究所?)には

板の状態の木に振動を与え、音楽を再生する装置があり

これでCDを再生し音を聴き比べたりするのですが

その種類によって特性が異なったり

同じ銘柄の材でもよく鳴ったり鳴らなかったりして

いろいろ個性もあることがよくわかります。


そして、メイプル材で聴いた音と

メイプル材で作ったギターはやっぱり

その特性が共通している

・・・つまり、材の特性が楽器に反映しているのです。


当たり前と言えば、当たり前かもしれませんが

大変画期的な経験で、毎度感動します。


製作の専門家はタッピングなどでそれを判断するのでしょうが

わたしなんか全然わからないし、

そもそも叩いてもうまく鳴らないし(笑)

でも、この装置なら一目(一耳)瞭然でわかります。


メイプル材はよく振動し円やかな音色を持っていました。

ローズやハカに比べると高域の減衰が多いのですが

沈み、曇った感じではなく優しく穏やかな感じ。


今まで経験したギターでメイプルのを思い出してみると

確かにそういう傾向があります。


弦月ギターはボディ全体を共振させる(共鳴ではなく)ような

コンセプトで作られていて、

反応が早く、バンバン音が出る傾向があるので

この円やかなメイプルとの組み合わせは

暖かく穏やかな方向に向いた感じで操作もしやすく

なかなか良かったです。


ただ、ローズ系の楽器に持ち変えると

凛として澄んだ音色を感じ、こちらもいいんだよなー。


結局、どちらが良いとは言えなくなる自分がありました(笑)


弦月ギターについては

クラシックギターとしては完全なニューコンセプトなので

説明するのが難しい部分があるのですが

非常に興味深いシステムで作られています。

そのうちに、このブログで紹介したいと思っています。

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2018年1月 1日 (月)

アメージング・グレース アルペジョーネとワッペン型ギター

新年 あけまして おめでとうございます happy01

年賀状代わりに動画をアップしましたsign03


アルペジョーネ(arpeggione)は19世紀初頭に発明された

ギターとチェロのハイブリッド楽器で

ヴィオロンチェロ・ギターなどともよばれていました。


弦は6本。ギターと同じに調弦され、フレットもありますから

ギターが弾ければ、この楽器で何かを奏でることはそう難しくありません。


おもしろい楽器でしょう?


ただ弓使いは一朝一夕にはいきませんから

なかなか「上手く」は弾けませんが coldsweats01


ちなみにアルペジョーネは昨年(2016)から弾きはじめました。

あまりたくさんは練習できていないのですが


それでも

ギタリストにとってロングトーンをこうして弾くのは楽しいもので、

きっと当時のギタリストたちも面白がって、

このように思い思いの曲を弾いては楽しんでいたかなあと想像します。

Photo

ワッペン型ギターはラベルがありませんが

ドイツ・オーストリア系でおよそ100年から向こうのものです。

シールド(盾)型などとも言われ、

ハウザー1世やワイスガーバーなども作っていました。


この個体はヘッドもスクロールしていて、指板もスカロップ加工と

当時のイカしたギターって感じでしょうね。

木目も綺麗で音もイイ!結構上級機です。happy01

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2017年10月31日 (火)

ナイロン弦とガット弦の聴き比べ A E パスカル1922年

ナイロン弦の発売は1947年のオーガスチン社が始まりと聞きます。

つまり、戦前のギターはガット弦が想定されて製作されているのですね。

そんなこともあって、1922年のギターにガット弦を張って

往年の音色を楽しんでみたいと思い、張り替えてみました happy01


そして、ついでと言ってはナンですが、

資料として比較できるように録画しました。


はじめがナイロン弦、2分30秒あたりからガット弦です。

ナイロン弦はオーガスチンの赤ラベル。

ガット弦はトロ社の060 071 088 とミディアムのギター用低音弦セット。

残念なのはトロ社の低音弦セットはいつ頃からかナイロン芯になってしまいました。

本来ならシルクの芯が仕様です。

ピッチは425Hzにしています。


「どちらが良いか」という視点ではなく

音色の違いを感じていただければと思います。

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2017年4月18日 (火)

19世紀に「チェンバロ」 その1

20170418130046

GG連載ネル・コル記事の続きばなしです。

上の画像はジュリアーニの作品65、ギターと鍵盤バージョンの表紙ですが
タイトルには「ギターとチェンバロ」とあります。

この作品が作られた時期はギター五重奏バージョンとほぼ同じ
1815年前後のようです(出版は1823年)。

その当時にチェンバロもあったとは思いますが
楽譜はダイナミクスの指示もあって、ピアノ用に見えます。
まあ、実際に相手をしたと思われるフンメルさんは
いわゆる当時のピアノで弾いたと思います。

何だろうなあ、思って検索してみると、興味深い記述が見当たりました。

GGサロコンでリュートチェンバロ(ラウテンべルグ)の演奏が大好評で
ギター界にも名前が知られている渡邊順生氏のインタビューより

「チェンバロ」という呼称ですが、18世紀にはピアノもクラヴィコードも含めて、
 有弦鍵盤楽器はみんな「チェンバロ」なんです」
http://www.cembalo.com/instruments/writings37e.htm

こういうことが、19世紀になってもまだ(一部に)残っていたのでしょうかねえ。

ネル・コルの作曲者パイジェッロのイメージとかもあるのでしょうか。。。


そう言えば、全然関係ない話ですが

ブリームが編曲したボッケリーニの序奏とファンダンゴ、
チェンバロと書いてあるのに、明らかにピアノ的な楽譜で

チェンバロ奏者に見せると
「ああ、これはチェンバロの楽譜じゃないよ、こうは弾けない」と言われ

ピアノ奏者に見せると
「チェンバロって書いてあるじゃん」と言われた・・・

という経験を、ふと思い出しました(笑)。

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2016年12月 8日 (木)

テルツギター 弦交換 ハナバッハ/テルツギター用弦

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テルツギターはもともと19世紀ギターの一種で
通常のギターより短三度高く調弦する小型のギターです。

ヨーロッパ各国のスタイルで見られますが
特にドイツ、オーストリアなどでよく使われたようで
シュタウファー系のものをよく見ます。

古いギターでは「これがテルツギターです」
なんてラベルに書いてあったりはしないので
だいたい弦長で580mmを切ってくるとテルツギターかな?なんて思います。
ちなみにジャーマンスタイルのギターはそもそもが弦長短めで
610mmとか600mmなどは普通の弦長なのです。

さて、
この楽器は野辺正二氏2003年製作のものでシュタウファーモデル。
野辺さんは溝カルでおなじみ、かの溝渕浩五郎先生所有の
シュタウファー(アントン)を預かっており
それをもとに、シュタウファーモデルを製作していました。
野辺さんらしく、良材を使って細部までかっちり作られていて
澄んだ爽やかな音色がしています。


今日は
来年1月28日の古楽器トリオ武蔵村山公演での使用を視野に
これの弦交換をしました。

今回このギターにはナイロン弦を張ったのですが
ハナバッハからリリースされているテルツギター用のセットを選びました。

以下データです。
(低音弦はデータを取ってもあまりあてにならないので割愛しています)

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野辺正二作 テルツギター/シュタウファーモデル
弦長570mm 張力はA=415で算出
ハナバッハ・テルツギター用弦 太さは張る前に計測した。

1弦 ナイロン0.57 5.156k
2弦 ナイロン0.72 4.310k
3弦 ナイロン0.96 4.827k

ちなみに、以前張っていた弦はハナバッハのイエローラベル
ギターショップアウラHPにあったデータによると

1弦 0.71 7.467k
2弦 0.81 5.455k
3弦 1.01 5.343k

となる。
張ってあった弦をはずして計ると元の太さより
およそ0.1から0.2ミリ程度は細くなっている。(引っ張られて伸びたため)

イエローラベルの時はコロコロと丸く、太く、力強い音だったが
テルツ用弦に変えるとテンションを下げた時特有の“楽な鳴り方”になったと感じる。

力強さは落ちるのだが、余韻が伸びるようになり
音色のバラエティが増え、華やかな色合いが出てくる。

どちらが良いかは少々迷うところだが、
もともと鳴りはある楽器なので今回はこちらで行ってみようと思う。

話は脱線するが
ナイロンで0.6mmの弦はガット弦では0.55mm程度の弦と同等のテンションになる。
19世紀ギターなどで、ナイロン弦仕様で
ハナバッハのイエローやダダリオのライトよりテンションを下げたい場合の
一つの選択肢になると思う。

ハナバッハテルツ弦は池袋のギターショップ、ファナで扱っている。
ただし、残念ながらばら売りはされておらずセット販売のみ。

これより細い弦としては同じくハナバッハからアルトギター用弦が出ている。
データを見ると高音弦はテルツギターと変わらない程度にみえるが
うろ覚えの記憶では低音弦はかなり細かったように思う。

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2016年12月 3日 (土)

ルネサンスギター 弦交換

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今年6月に入手した田中清人作ルネサンスギター。
出来上がったときには丹波篠山の田中工房まで行ったのを思い出すなあ!

6月23日の記事

来年の演奏会に使おうかというアイデアがあり
今回、総ガット弦に交換することにしました。

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ルネサンスギターは16世紀に活躍した4コースのギター。
元の楽器(オリジナル)は現存していないので
当時の絵などを参考に作られています。
いわゆるバロックギターが登場した後も
18世紀くらいまで小型のギターとして使われていたようです。

調弦は下からソ・レ・ラ・ミ。そう、ウクレレと同じ。

ただし、ウクレレはバロックギターから
南米を経てハワイにやってきたと聞いたので
繋がってはいるものの
ルネサンスギターが直接ウクレレになったわけではないようです。

これは16世紀の楽譜。
4コース用のタブラチュア譜。

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こういったソロや、かき鳴らしによる伴奏などで使われていたといいます。

さて、今回の弦交換。
今年春に借りた楽器のデータをもとに
1コース5キロ程度を目安に弦を選んでいましたが
楽器による違いがあるのか
ずいぶんテンション低めの調整でしっくりきました。

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以下、データ。


田中清人作 ルネサンスギター
弦長410mm 張力はA=415で算出。
https://www.cs.helsinki.fi/u/wikla/mus/Calcs/mc.htmlを参照。

1コース ガット0.53 (トロ・ニス仕上げOX) 3.391k
2コース ガット0.55 (キルシュナー・フレットガット) 2.049k×2
3コース ガット0.68 (アクイラ・オイル仕上げ) 1.973k
3コース ガット0.65 (サバレス・ニス仕上げ) 1.803k
4コース ガット0.99 (アクイラ・オイル仕上げ) 2.347
4コース ガット0.53 (トロ・ニス仕上げ) 2.691k

今回はお試しということもあって
中古弦、フレットガットなど組み合わせたので
かなりチャンポンになっているが太さのみで選んだ故。

ガットにすることと、テンションを下げたことで
明るく軽やかに鳴る感じが出た。
かき鳴らしも爽やかだ。

ガット、特に細いガット弦は
ダルダルで鳴らないところからグイッと引っ張り上げて
鳴りが出てきた(出はじめた)なあというあたりのテンションが
一番使いやすいような気がする。

こういう時の操作は木ペグが一番いい。
マシンでは音を上げるまでにグルグルしすぎるのと
テンションを巻き上げる左手に感じないので
感覚的につかみにくい。

ケースはウクレレ用でピッタリ!
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田中清人さんのHP


田中清人さんのブログ

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2016年9月29日 (木)

センチョルディ工房跡地

トロのガット弦でいつもお世話になっている
ムシカアンティカ湘南の渡邉さんからメッセージが入りました。

「今、バレンシアに来ています。
 10時間かけて昨晩グラナダからバスで着きました。
 取り敢えず長谷川さんのギターの生まれた家の写真を送ります。
 現在改装中です。」

そう言えば、6月頃でしたか
わたしの持っているバレンシアのギターの
ラベルを見てもらったことがあって

「場所がわかれば今度行ったときに
 写真でも撮ってきますから
 期待しないで楽しみにしててください」

なんて言われていたのでした。

バレンシアのギターというのは
この前GGサロンでもお披露目し
今度の土曜日のライブにも使うこれ。

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センチョルディ・エルマノスのギターで
およそ140年くらい前の楽器です。

ラベルがこちら。


0096sh

Bolseria,5
というのが住所です。


そしてこれが今の同住所の様子(ジャジャン!)
3

この写真中央の奥、
緑のネットをかぶった建物があるところが当地です。
現在改装中ということのようです。

近づいて撮ったのがこちら。

1

さりげなく美女を配置するあたり心にくい!
さすが渡邉さん。

お隣のピザ屋さんの看板に
Bolseria という町名があります。


2


ヨーロッパでも有数のバレンシア中央市場のすぐそば。
大昔からのバレンシアの中心地で、大聖堂までも5分程度の場所ということ。

はぁ~~、ずっと昔ここに工房があって
ギターを作っていたんですねえ。
そして縁あって私の手元にそのギターがある。
何とも時空のロマンを感じますねえ!

渡邉さん、ありがとうございました。(^o^)丿

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2016年7月31日 (日)

トーマス・ジョンソン作 6コースギター 2011年 弦交換

今日はこの楽器の弦交換。
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Thomas A Johnson (トーマス・A・ジョンソン)作
6コースギター (ジョセフ・パヘスのレプリカ) 2011年製
オリジナルをつぶさに研究した、限りなく本物に近いレプリカです。

2本の弦を一対として1本分の役割を持たせるギターは
複弦と言いますが、複弦の場合はその一対を「コース」と呼びます。

つまり、このギターは6コース12弦。
ただし、いま第1コースはシングルとしているので
合計では11本の弦を張っています。

いま「バロックギター」と言われるギターは
5コースの複弦の楽器で18世紀まで使われていましたが
いわゆる19世紀以降のギターの主流、6単弦ギターに進む過程で
このような6複弦ギターも使われていました。

スペインやフランスで多かったようで
オリジナル楽器もこの元になった楽器パヘス(スペイン)や
プティジャン(フランス)のものなど見たことがあります。

さて、今日はこの楽器の弦を交換して
ガット弦仕様にしてみます。

張ってあった弦はナイルガット。
この楽器に張る弦はキルシュナー社のものから選んでみました。

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弦の太さのデータを取るためにデジタルノギス。
本来ならこういうのを計るのはマイクロメーターなのですが
弦はコロコロしててホントに測りにくいので
最近はこれで何か所も計っちゃいます。
小数点以下2桁まで表示なのですごく便利です。(^o^)

あと、ペグコンポジションも用意しました。

今回の弦交換はナイルガットをリアルガットにすることと
4~6コースをオクターブにすることにしました。
4~6コースの巻線はまだ使えそうなのでそのままにします。

以下データ(おぼえがき)========

弦長646ミリ ピッチ415Hz~430Hzを想定

張ってあった弦(ナイルガット)
1 : 051(シングル)
2 : 063
3 : 080

新たに張った弦(実測値)
1 : DL 046 (048)
2 : DL 056 (060)
3 : FDL068 (069)
4 : DL 048x (050)
5 : DL 058 (062)
6 : DL 079x (079)

Xはバーゲン価格の2級品の弦だが
悪い感じもそれほどない。

音色は上々。思った通りの感じ。
音に色あいを感じる。ここがガット弦の良さと思う。

全体に以前の弦より細くなったので
440Hzの調弦も可能になった。

低音弦がオクターブになると響きが華やかになる。
特にラスゲアードなどに顕著。
ただし、スケールのときや
2声の動きで下の声部が上の声部を飛び越えたりすると
一瞬ぎょっとして手が止まる(笑)

やっぱり、ここでも「慣れ」かと。

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(低音弦はオクターブに張った)

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(ヘッド部、糸蔵の様子)

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(ブリッジ部、サドル無くバロックギターやリュートのような弦の取り付け)

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(ラベル)

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この楽器は昨年、アンティークフルートとのアンサンブル「シードルズ」で
一曲だけ演奏した際、「すごく良かった!」とうれしい感想をいただきました。
1曲だけだったのは、実はわたしが複弦の操作に全然慣れていなかったから。

2本で1対の弦はなんというかきし麺のような?
昔のパンツの平ゴムのような?(笑)
こう、平べったいものの上っ面をひっかくような感触で
ずいぶん戸惑ったものですが最近は少し慣れてきました。

今後はいろいろなレパートリーを試してみます。
明後日、フルートの朝倉氏が来るので
ライブに取り込めるよう相談してみたいとも思います。

こうご期待!(^o^)丿

【後日談】
上記の弦交換のすぐ後に
フィランディエレの6コースギター教本を見たところ
弦は6コースのみオクターブを張るという記述を見つけ
そのように変更しました。オクターブ上弦はガットで。
オクターブが鳴るキラキラ感は下がりましたが
落ち着いて弾くことができます。ヨカッタ(#^.^#)

ま、最初に見てからやりなさいということでもあるのですが(^^ゞ

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