06.楽器ばなし

クラシックギターのインプレッションです。

2021年12月 4日 (土)

プレリュード (バッハ BWV1007)ハウザー1世 ウインナーモデル Prelude (Bach BWV1007) Hauser Sr. wiener Guitar ギター演奏

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https://youtu.be/gugoa_QlFD4

無伴奏チェロ組曲第1番 BWV1007より プレリュード (ヨハン・セバスティアン・バッハ 1685-1750)
Cello Suite No.1 BWV1007 Prelude (Johann Sebastian Bach 1685-1750)

使用ギター:ヘルマン・ハウザー1世 1937年 ウインナーモデル
キルシュナー社リアルガット(羊腸)弦とアクイラ社絹芯の低音弦
Guitar: Hermann Hauser Sr. 1937 wiener style
Kürschner real gut strings and Aquira silk core bass strings are used.

演奏:長谷川郁夫 Ikuo HASEGAWA

無伴奏チェロ組曲第1番 プレリュード
チェロやヴァイオリン、フルートなどの旋律楽器楽器の独奏曲はわれわれギターと違って通常は伴奏を伴うものですが、全くの一人で演奏する曲では特に“無伴奏”と呼ばれたりします。バッハが作った無伴奏の組曲はその代表的な存在で、後世の作曲家や音楽家に大きな影響を与えています。
大らかなアルペジオでうねるような楽想を描く無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードは中でも人気が高く、この演奏のようにギターに編曲されることも多い作品です。

【ハウザー1世 1937年 ウィンナーモデル】
ハウザー1世(1882-1952)と言えばギターの神様アンドレス・セゴビア(1893-1987)からの熱い依頼に完璧に応え、見事なスパニッシュギターを作った逸話で知られる人物でハウザー家は現在もギターづくりの伝統を引き継ぎ、素晴らしいギターを世に生み出しています。

ウィンナーモデルは
ウィーンで19世紀の初頭に名をはせた弦楽器製作家ヨハン・ゲオルグ・シュタウファー(1778-1853)が作ったギターの流れをくむもので20世紀初頭まで伝統的なドイツ・オーストリアのギターとして作られていました。ハウザー1世はその伝統を継いだ最後の巨匠と言えるでしょう。

ハウザーというと
どうしても先に書いたセゴビアモデルといわれるスパニッシュギター(現在のクラシックギター型)を思い浮かべますが元々はこうしたウィーン風ギターやリュート型のギターを作る製作家でした。

木が持つ素朴であたたかな響きをそのまま引き出したような音色は虚飾を廃した「音」そのものといったピュアな印象を持ちますが、これはハウザー1世が作ったあらゆるスタイルのギターに共通するものと感じます。

余談ですが
ハウザー1世がセゴビアに「これ以上の楽器を作る必要はない」とまで言わしめたスパニッシュギター「セゴビアモデル」を完成させたのが1937年。実はこの動画で使用しているギターはそのセゴビアのギターと同じ年のラベルを持っています。セゴビアのギターを作っている隣にこのギターもあったのかな?と思うとそれもロマンですね。
このギターを見るとハウザー1世はこれまで作り続けてきたウィンナーモデルもさらなる完成を目指して試行錯誤していた形跡があり、ものづくりに懸ける製作家のすごみを感じます。

演奏は
高音弦キルシュナーのガット(羊腸)弦、アクイラ社のセタという絹芯の低音弦を使用し、415Hz(半音下げ)調弦、指頭奏法でアプローチしています。バッハはもちろんのこと、ルネサンスやバロック時代のリュート曲や鍵盤曲他のギターアレンジなどはこのギターでアプローチすると音楽の渋みや温かみがより感じられ、弾いていて楽しいものです。

楽譜は
原曲と様々な編曲を参考にわたし自身が作りました。

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ライブのご案内

これからのライブ・イベントのご案内です。

2021年

イベント=====================
2021年
12/  5(日) 立川市ギター倶楽部定期演奏会(立川)
2022年
4/17(日)     はせがわ音楽教室 第26回発表コンサート

 

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2021年7月 8日 (木)

アンダンティーノ ト長調 op 241-5(F.カルッリ)と Martin 00-28c

2415youtube
https://youtu.be/oUUcxJlRSqc

アンダンティーノ ト長調 op 241-5(F.カルッリ)
使用ギター:C.F.マーチン 00-28c 1969年

カルッリのop.241はギター教本です。カルッリの教本と言えばop.27が頭に浮かびますが、それをのちにもう一度整理して出版したのがop.241でしょうか。曲が重なっている部分も多く見受けられます。この第5番とされているト長調の小品はop.241の方だけに収録されています。

カルッリの教本は以下で閲覧・ダウンロードできます。
op.241

op.27

アンダンティーノ ト長調
教本的にはかなり前の方に出てくる易しい10度音程の練習曲です。わたしがギターを始めた中学生の頃、10度の響きに一目ぼれ「スゴイ綺麗な響き発見!なんて素敵なんだ」と思ったことをよく覚えています。もちろん今でもそう思っていますョ。この曲は穏やかで、でも少し愁いも感じるような優しいイメージがありますね。わたしの大好きな曲の一つです。

演奏ギター:00-28c
ずいぶん昔に19世紀ギターの末裔と言えるかな?と思って手に入れました。マーチン社はドレッドノウト型のフォークギターで知られるアメリカの有名ギターメーカーですが、さかのぼると初代マーティンさんは19世紀初頭のウィーンのシュタウファーという名の通った工房の職人でアメリカにわたって自分のショップを始めたのが事の始まりのようです。マーチン のロゴを見るとsince 1833とありますが、ヨーロッパではちょうどギター黄金期と言われる頃です。
スパニッシュギターの流れから来る現代のクラシックギターと比べると音に粘る感じが無くさっぱりしているのが特徴と感じますがそれはやはりウィーンの19世紀ギターに繋がるような気がします。そして、この10度のエチュードのような曲の爽やかな響きがよく似合うように思います。
また、こういうギターを弾くことで逆にいまのクラシックギターがスペイン風味を持っていることを良く自覚できるようになりますね、それがドイツ系の楽器であっても。ちなみにこのギターでタレガとかを弾くと明らかに何か物足りない感じがあります。高音も低温も粘らなくて爽やか過ぎちゃうんですよね(笑)

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00(ダブルオー)はやや小型で丸っこいボディを持っています。12フレットジョイントでクラシックギターを弾くわたしにもあまり違和感がありませんが、やはりシルエットもクラシックギターとはちょっと違いますね。00に続く数字は18と28がありボディの材質を表しているようです。18はマホガニーなのに対して28はハカランダ(ローズウッド)仕様になります。最後につく“c”はクラシックということでしょうか。ナイロン弦仕様のものについています。

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裏板はまるで河野ギター工房の宣伝で見るような(笑)見事なハカランダ。マーチン も70年代に入ると通常仕様でハカランダは使われなくなる(ローズウッドになる)ようです。この楽器は1969年なのでハカランダ。ちょっとうれしい・・・かな。

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ブレーシングはこんな感じ。右下がこの楽器のものです。左上がいわゆるドレッドノウト型のフォークギターですが、扇形力木の(スパニッシュ)クラシックギターの影響も受けつつ折半を狙っているようにも見えます。

 

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2021年5月29日 (土)

ふつうのギターをテルツギターに魔改造⁉ おしゃべりと聴きくらべ

イタリアのアクイラ社から発売されている
ふつうのギターをテルツギターにする弦を試してみました。
Aquila 128c high-G

はじめ30分くらい弦交換しながら弦や楽器について
いろいろおしゃべりしてから最後に演奏を収録しています。

弾きくらべは
「アレグレット(ヨーゼフ・キュフナー 1776-1856)」
溝渕浩五郎カルカッシ教則本でテルツギターの紹介とともに
掲載されている二重奏曲です。
野辺邦治1986年640mmに今回の弦
野辺正二2003年テルツギター
の二台をくらべています。
リバーブなど無しでそのままアップしています。
(楽器提供&演奏協力:黒川雅代さん)

今回の弦を張った野辺邦治に比べテルツギターの野辺正二は
弦長が短く、その分弦が太いので
音色にそういう違いが出ているのが
おわかりいただけると思います。

テルツギターについて
動画中ではアンサンブル使用のことだけ語っていますが
独奏でも曲によってはにテルツ調弦が似合うものもありますから
明るく可愛らしい響き、あるいはカラカラと良く鳴ることが
効果的と思われる際はこれで弾いてみるのも面白いでしょう。
わたしも以前ジュリアーニの「大序曲」をテルツギターで弾いたことがあります。
また、リュート曲を2~3カポで弾くアプローチを巷で時々見ますが、
テルツギターで弾けば同じ音程で開放弦が効果的です。

弦のデータは以下の通り
左から順にアクイラ128c ハナバッハ・アルト プロアルテライト
第1弦 0.61 0.60 0.698
第2弦 0.71 0.70 0.805
第3弦 0.87 0.90 1.008
第4弦 0.64 0.63 0.711
第5弦 0.71 0.75 0.838
第6弦 0.91 0.93 1.066

アルトギター弦は比較的近い太さを持っているのがわかります。
通常のギター弦も1本ずらすことで近い太さが得られそうです。
(その場合は第1弦を他の弦や釣り糸から探します)

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2021年5月22日 (土)

二つのルネサンスギターを聴きくらべ~ナポリの騎兵隊より(サンス)・スパニョレッタ(不詳)


友人からメンテナンスを頼まれて預かったルネサンスギター。
「音を聴きたい」とリクエストも戴いたしせっかくなので
うちにあるルネサンスギターと比べてみました。
曲はサンスの「ナポリの騎兵隊より」と
作者不詳の「スパニョレッタ」の2曲です。

二つのギターはこんな感じ。
湘南うさぎ楽器(菅原大輔作)1994年製 弦長550mm
田中清人作 2016年製 弦長410mm

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左は普通サイズのモダンギターで
真ん中が田中ギター、右がうさぎギターです。
サイズはこんな感じ。
ルネサンスギターはルネサンスからバロックまで長い間ヨーロッパで楽しまれた小型の4コースギターです。複弦ギターはかき鳴らしが煌びやかに響いて気持ち良いですね。実は調弦がウクレレと同じ。直接ルネサンスギターがウクレレになったわけではありませんが小型の4弦ギターという点では遠い先祖と言えるでしょう。
今回弾きくらべた二台の楽器は結構キャラクターが違いました。
弦長の長いうさぎ楽器のほうが弾いた感じが軽く、音色もシャラランと軽やかです。
田中ギターの方は楽器が小ぶりなのにボリューミーでポロンポロンと丸く大きな音があふれ出てくるようです。

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ところでサムネイルのイラストはイラストレーターの河合千明さんに描いていただいたものでわたしがルネサンスギターを弾いている絵なのでした(^^) 最初に見たときはちょっとオジイチャンかなーなんて思ったものですが、今では本人の方がイラストに寄っていってる感があります。このイラストも2016年…たった5年なのに(笑)!

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2020年4月29日 (水)

弦の取り付け順を変えてみた!リュートギター

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昨日リュートギターを弾きながら、
この話題を記事にしようと思っていたのを思い出しました。

このリュートギターはハウザー1世のものなのですが、
いままでずっと一般的な弦の取り付け(左)で使っていました。
(写真が小さかったらクリックで大きくなります)
しかしこれだとどうもペグのおさまりが悪く、
調弦時にグルンと回って(緩んで)しまうことも多々ありました。

まず左写真でいう所の第6弦や第1弦を差し込む穴が真ん中近くにあるので、
写真のように弦の巻きつき具合を調整したり、
ナット溝への角度も気になっていました。

とにかく、その「グルン」は困るので
ペグの(穴・本体)調整を頼まなきゃいけないかな
と思っていたところだったんですが、
じっと眺めていてハタと気づきました。

「弦の取り付け順を変えたらいいんじゃないの?」

そして変えてみたのが右の写真。
弦の張力による圧力がペグを支える穴の両側にかかる感じで
おさまりも良くなって、なんと問題解決。

弦を差し込む穴の位置関係からも、
ひょっとしてこちらが正解、デフォルトだったんじゃないかとも思いました。
右の写真の方が弦の流れっていうんでしょうか、取り回しも自然に見えます。

しかし、身についた習慣とは恐ろしいもので
調弦の際に触るペグを毎度毎度!!!間違えるので笑っちゃいます(^-^;

ちなみにペグの調子を整えるのはこれをすれる部分に塗り付けます。


W.E. Hill ペグコンポジション

最近、液体のタイプも見つけました。
今度試してみようかな。


ペグコンパウンド

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2020年1月29日 (水)

アルペジョーネができました!

先日(1/17-18)長野は上田の石井栄さんの工房に行ってきました。

今回の目的はギタリストなら一度は弾いてみたいアノ楽器!

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チェロのようでチェロではない(べんべん!)

6本弦で24の金属フレット持ち、ギター調弦。

弓で弾くギター。ギターヴィオロンチェロともよばれました。

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石井工房のサロンにて。

これはシューベルトの「アルペジョーネソナタ」で

名が知られる楽器、アルペジョーネでした。

ギターとチェロを融合させた19世紀の発明楽器で、

ギターが弾ければ左手の運指はもうわかっているも同然。

我々にとってはなかなか面白い楽器です。

石井さんがいろいろ説明しながら弾いてくれました。

普段からヴィオラダガンバの合奏サークルに参加している石井さんは

ボウイングもとても上手で良い音を響かせていました。

ちなみにわたしはすごく下手です。。。心はあるのですが(笑)

弾き遊んでいるうちにうまくならないかなあ。

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これは今回のアルペジョーネと同時期に作ったという

中世フィドル(だったかな)。

石井工房は二度目の訪問でしたが

今回もいろいろな音楽談義、楽器談義が楽しいひとときでした。

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石井さん、ありがとうございます(^^)/大切にします。

さあ、受け取りました!
このアルペジョーネがうちにやってきます。

これで何かできるようになりたい(笑)

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さて、以降はせっかくの遠出だったので観光編!

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今年は雪もなくスイスイ。
しかも高速道路は完全に空いていました。
浅間山(ですよね?)が綺麗に見えました。

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上越道と言えば横川SA。
よこかわといえば、これでしょう(^o^)丿
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何が入っているか
どんな味かもわかってるんですが
やっぱり買っちゃうね!
おぎのや峠の釜めし。

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某マジシャン風…ハイ、来てます、来てます。
佐久平も全然雪なし。
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信州上田と言えば真田!
上田城址を散策しました。
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最近あると必ずやらされる顔出しパネル。
わたしがやりたがっているわけではないですよ。

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真田と言えば六文銭。
上田は街中が六文銭でいっぱいです。

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ちなみにこれは六文銭そば。
何でも六文銭だ!
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雷電力士に抱かれてみました。
か、顔が近いっ。

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下りの横川SAではこんな休憩室がありました。
車両や椅子は本物でちょっといい感じ。
また釜めし買っちゃいましたよ~(笑)

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2019年5月 9日 (木)

ローズウッドとメープルの音色聴き比べ 野辺邦治作レオナモデル ノクターン(ヘンツェ)

ギターの横裏板用材として

今はローズウッド系の黒っぽい木が多く使われていますが

メープル材もときどき見かけます。

メープルはヴァイオリン族の横裏材としては一般的で

我々ギター(撥弦楽器)族も昔のものでは今よりもずっと使われていました。

 

メープルとローズウッドは重さ(比重)が違い

メープルの方が軽い木になります。

だいたい木って黒いほうが重いことが多いですね。

 

さて、それらを使うとその楽器の音色はどう変化するのでしょうか。

うちの生徒さんが最近興味深い楽器を購入したので

聴き比べ、弾き比べを試してみました!

 

まずは楽器の説明から・・・

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これ、野辺邦治のレオナモデルです。

野辺邦治さんは野辺正二さんのお兄さんで

ピシッとしたなかなか良いギターを作っていました。

 

IGPレオナと言われるもので

IGPによって集められた5人の製作家が

(本物の)トーレスギターを細かく検分し

それぞれがトーレスモデルを製作するという企画で作られました。

どれも小ぶりなボディを持った640mmの楽器でした。

 

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ラベルに製作者の銘は無く、でもすごく良い音でよく鳴る楽器で

当時ちょっとミステリアスで不思議な楽器というイメージがありました。

製造番号の頭にあるアルファベットで製作者が示されているそうです。

Dが野辺邦治さんなのですね。つぎの数字84が製作年のようです。

その生徒さんが気に入って長く使っているもので

ローズウッドの横裏板を持っています。

ローズウッドは薔薇の芳香を持つことから名づけられたそうで

いわゆる薔薇の木ではありません。

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わたしの経験的にはIGPレオナは野辺邦治さんのものがとても良いと思います。

 

そして、その生徒さんが最近入手したのがこちら。

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同じでしょう!

こちらはIGPではなく野辺邦治ラベルのトーレスモデルで、

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1986年製作なので、上のIGPレオナ(ローズ)2年しか違いません。

 

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はい、メープルの横裏板を持っています。

 

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ビシッと綺麗なトラ杢が出ています。

シルキーでイイ雰囲気!

これらの杢は材の中に偶然に発生するもののようで

このように綺麗に出ている材は珍重されます。

 

細かく見ると、ヘッドの造形や

胴の厚さもメイプルの方が数ミリ厚かったりなど

違いが無いわけではないのですが、

まあ、兄弟の楽器です。

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こうなると、この2台の音色や鳴り方の違いが

横裏材の違いによるところが大きいでしょう。

 

ご興味、ありますか???

あるでしょう(笑) (^o^)丿

 

というわけで、こちらをどうぞ!!!

 

弦はローズの方がプロアルテノーマルセット

メープルはサバレスのクリスタルカンティーガセットを使っています。

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楽器そのものはメープルの方が軽いかと思いきや、逆でした。

もちろんその差はわずかですが、

板厚のせいなのか、あるいは胴が少し深いことに寄るのかもしれません。

弾いていると音色としてはローズの方がシャープ、

メープルは少し柔らかみを帯びた響きを感じます。

低音域に良くあらわれていると感じました。

音量はどちらかというとメープルが出るような気もしますが

弦のせいもあるかもしれません。

動画で聴いてみると

ローズの方が深みを感じ、

メイプルは明るくエレガントな響きに聴こえますね。

ローズは長く弾かれ、メイプルは先日塗装を直したので

そういったこともあるかもしれません。

 

弾き心地や基本的な音はやはり同じ製作家の同じモデルだけあって

共通点を強く感じました。同じ手の音ですね。

この2台でデュオをしたら、合わせやすく音色の違いも出て楽しそう!

 

 

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2018年10月25日 (木)

ギタリスト・小川和隆さん、陶芸家・角田真さん、弦月庵・小林正児さん


動画は小川和隆さんとソルのランクラージュマンよりカンタービレ

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ギタリストの小川和隆さんがお友達の陶芸家角田真さんといっしょに

おらが村、武蔵村山を訪ねてくれました。

角田さんは小川さんと大学時代のギター部仲間という事で、

専門は陶芸でありながらギターもよくなさっており

19世紀ギターのコレクションもお持ちで、

この日は小川さんに貸しているというパノルモ(1848)と

1830年頃のフレンチを拝見させていただきました。

そして、こちらも1844年のパノルモを出してさっそく19世紀ギターデュオを楽しみました。

どちらも170年ほど経ったギターですが

こうして弾けば当時の音楽を活き活きと表現してくれますし

その愉しみを現代のわれわれやや周囲の人々に伝えてくれます。


19世紀ギターの立奏デュオは本当に楽しいです。

小川さんのパノルモはナイロン弦

わたしの方はガット弦仕様になっています。

ピッチは半音下げの415Hz。

湿度の関係でわたしの弾弦時に指が弦をこする

キュキュという音が入ってしまいました(^_^;) ゴカンベンヲ

わたしのところは電車も通っていない武蔵村山の小さなスタジオですが、

最近こうやって音楽家の方々が訪ねてくださって

アンサンブルを奏でて愉しむ機会が増えてきて心から楽しくありがたいことです。


そのあとは村山のさらに奥深いところ(!)にお住まいの小林正児さんの弦月庵へ。


小林さんは元々振動の専門家だった方ですが、

学生の頃ギターをやっていたことから退職後の楽しみとして

全ての板を最大限に振動させて、

木そのものの音(音量も音色も)を鳴らし切るというような、

これまでとは全く違う視点からオリジナルなギターを製作・研究されている方です。

ギター製作界の大御所も一目置いている存在。


そこへ小川さん、角田さんをお連れし

小林さんの作った弦月ギターのレクチャーを受け

実際に手にして音も出してもらいました。


そのあとは我が家で宴会したのですが・・・すぐ飲み始めちゃったので

その写真を撮るのは忘れました(笑)

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パノルモ&パノルモのデュオです。
先日の植木さんとの新潟公演でもパノルモ2台でした。
パノルモは名の通ったオリジナル楽器としては
結構数が出回っていますから
こうした楽しみもやりやすいかもしれません。

同質な音がよく溶け合い、
合わせやすく音楽が作りやすいですね。


2
陶芸家の角田さん。
この写真で小川さんの持っているフレンチも角田さんのものです。
ノーラベルですが19世紀前半のものでしょう。
明るく広がる音色はわたしのラコートと共通していました。
良いコレクションですね!なかなかの名器です。

3
ラコートのリラを見ていただきました。
こういうフォルムや音色をどう感じるか
いろいろな感想を戴けるのでわたしも勉強になります。

4
小林さんの弦月庵にて。
小川さんが持っているのが弦月ギター。
あらゆる部分にアイデアが満載で
形状や仕様に意味(理屈)があります。
それがこうして形になっているのでした。

小川さんも角田さんも
興味津々で小林さんの話を伺っていました。

5
これが板の音を聴く機械「弦奏」
これを使うと板の特性や個性までも聴き分けることができてしまいます。
板に振動を与えて音を出させるのですが、CDなどの演奏を鳴らすことができます。
そう言った音源で聴くとオーディオ屋さんでスピーカーを次々スイッチして聴くように
板の音や特性、性能、素性を感じることができます。 

ギター製作家がタッピングによって板を判断しより分けていますが
わたしたちにはどう叩いてどこをどう聞くのか、
どういうのがいいのかまるでわかりません。
でも、この機械にかければ素人の我々でもハッキリわかるというわけです。

完成品のギターを鳴らすこともできますし
そのエイジングもできるということです。

弦奏のホームページはこちら(クリック)


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2台の弦月ギターでデュオを披露しました。
小林さんが感激してくださいました!

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2018年4月27日 (金)

クルト ホイヤー 1964年 ウインナー&スパニッシュ・ハイブリッドギター

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クルト・ホイヤー 1964年(ドイツ) 弦長625mm
スプルース・メイプル
R.Kurt Hoyer 1964

ちょっと面白いギターです。

ホイヤーギターで調べてみると
こんなサイトが当たって(クリック)
19世紀からあったメイカー、ホイヤー家の一派ではないかと想像するのですが
Kurtの名前は出てきません。


このギターについてはシュタウファーからの流れのウインナーギターと
スパニッシュクラシックギター・・・つまりモダンギターとのハイブリッドを感じます。
加えて言えば、このフォルムが
ドレッドノウトなどのフォークギターとも重なって見えます。

弦長は625mmと短め。
でも、ボディが大きめなのと、ネックも四角くゴツいので小型には感じません。
高音は20フレットまで延長されています。

横裏板は綺麗なメイプル。

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ウインナーギターの流れを感じさせるのは
シュタウファーのレニャーニモデルにある、弦高調整システムを持っていること。

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この穴にウオッチキー(時計のぜんまいを巻くカギ)を突っ込んで回すことで
弦高が変化します。

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12フレットから先は表面版に接しておらず、浮いています。
前出のキー操作によって、ここが動くからです。

キーを最後まで緩めると、ネックを外すことができます。

表面版の力木はモダンギターにあるようなファンバーリング(扇状配置)。
低音側に1本短いのが追加された8本バーでした。

ボディがスパニッシュ、ネックがウインナーというのは
20世紀前半のドイツなどでは
他のメイカーでも時々あるようですが
わたしも試奏したことがあります。

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これは都内某所にて拝見させていただいたもの。
メイカーはハウザー1世1926年。う~ん、良い音だぁ~。
この頃、セゴビアからの依頼を受けて、様々な形を実験していたのでしょうか。
後のスパニッシュほどは粘りませんが
それまでのウインナーよりはずっと円やかな方に傾いている
スパニッシュギターとは何なのか、
その神髄を探っているようなハイブリッドでした。

閑話休題・・・話を戻しますと

ホイヤーギターもやはり少しスパニッシュ離れしています。
時代的には1964年ですから、
世の中のクラシックギターは十分スパニッシュ化されています。
なのでこのモデルは、あえてスパニッシュを目指さなかったというか
やっぱり、ジャーマン的なものとのハイブリッドを
目指していたのではないかと思います。

ハウザー1世のような凄みや格調こそありませんが
やや硬質で品の良い透明な音がコンコンと響く感じ。
単音も和音も爽やかな気分を持っています。
アコースティックギター系なんでしょうか。

ラベルはというと
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こんな感じ。

R. Kurt Hoyer - Lauten und Geigenbauer - Mannheim S 2,11 Anno 1964

とありました。

Lauten und Geigenbauer は
リュートとヴァイオリン製作者と訳すようですが
ルシアー(ルーティエ)みたいな、弦楽器製作家みたいなことでしょう。
割と、クラシカルな表記のラベルです。

このギターは今度のアイリッシュハープとのライブで使うことにしました。
アイリッシュハープとの時は、あまりねっとり粘らないギターの方が気分です。
19世紀ギターのレプリカも試してみたのですが、
どうも少し音色が優しすぎる傾向があって、
もっと音が張っていた方がいいかな、と思ってこれを選びましたが
なかなかイイ感じで響きあっています。

アイリッシュハープとのライブは5/13(日)
よろしかったらぜひ、このギターの音色も楽しんで行ってください 
ストラップボタンもあるので立奏でいこうと思っています。

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(チラシクリックで大きくご覧いただけます)

紹介記事はこちら(クリック)

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