久しぶりにワイスガーバーの紹介です。
実はわたしはワイスガーバーを深く尊敬していて
「日本ワイスガーバー倶楽部」というコーナーを立ち上げたものの
そのままとん挫し(笑)ストップしていたのですが
このたびすすめてみようと思います。
で、今回の紹介は長野在住の“たいちゃん”のワイスガーバーです。
これも2年くらい前にデータを送ってもらったものです。
放置状態で大変失礼いたしました。
さて本題。
もう、一見してワイスガーバーらしい高貴な音色が聴こえてきそうな個体です。
たいちゃんが今から20年以上前に手に入れたもので
弦長640ミリのトーレスモデル、
美しいメープルのサイドとバックを持っています。
焼き印のみでラベルは無し。
ラベルなしはワイスガーバーではときどき見かけます。
どれも特に張られたあと(剥がされたあと)は無く
最初からそういうものがあったのだと思います。
ワイスガーバーの場合
「ボディを作ってから長い年月(30年とか)置いておかれた」
等ともいわれますから
どのタイミングでラベルを張っているのか
ラベルの年号がどの段階を示すのかもよくわかりません。
「GDR」のシールは旧東ドイツの輸出製品であることを示しています。
ワイスガーバーギターが作られていた
マルクノイキルヘンは旧東ドイツにあたります。
サイドとバックのメープルはこんな感じ
ため息が出るほど美しい。。。
いつも思うのですが
ワイスガーバー工房には
かなりの良材が多く蓄えられていたのでしょう。
どの個体も完ぺきに美しい木目を持っています。
お約束の中書きは。。。
35.5./5と書かれています。
この数字の意味はいろいろ考察中ですが
わたしにはまだよくわかりません。
ラベルがある個体ではラベルにもこの数字が書かれていて
必ず表面版のバーに書かれている文字と一致します。
シリアルナやモデル識別系の番号ではないかと思うのですが。。。
ヘッドは穴あきでエレガントな。。。
王冠の意匠でしょうか。
ヘッド裏はシンプルなタイプですね。
マシンはもともとルブナーの単式が入っていたようですが
つまみが破損したため交換したそうです。
いまはライシェルの単式。しっかりしたいい糸巻です。
わたしのワイスガーバーも
今はルブナーですが、壊れたらこれにしたい(独り言)。
あと、ブリッジ回りとヒップ
その他、特筆する点としてご本人から
「表面板は、やはり中央が盛り上がって板の厚さも厚く、
周辺部は削り込んだように落ち窪んで板厚も薄くなっているようです」
とのこと。
たぶん、以前メディアカームで見せてもらって
レポートしたのと同じ
お皿のように彫られた表面版ということだと思うのですが、
この加工もワイスガーバーでは定番だったのでしょう。
http://www.sim-web.biz/MUSEUM/weissg_biographie.htm
このリンクに
ワイスガーバー…リヒャルト・ヤコブ氏が
ギターを持っている写真がありますが
お皿のように削り込まれた表面版が
はっきりと確認できます。
表面版の真ん中を厚めに
へりの部分を薄めに作るというのは
古来から見られる作り方ですが
箱にした表から削るというのはあまり見ません。
ただ、メリットとしてはこのやり方は
弦を張った状態で音を確認しながら
表面版を調整することができる(はず)なので
そんなことをしていた??と思うのは
考え過ぎですかねー
… … …
たいちゃんはわたしの修行時代の先輩で
当時から多芸でセンスあふれる雰囲気の方でした。
プロにはならなかったそうですが
いまもギターはしっかり続けられて
ソロではアマチュアコンクールで地区優勝し
全国大会へ出場する腕前!
もちろん、その傍らにはワイスガーバー。
今回は資料の提供をありがとうございました。
掲載が遅くなって重ね重ね失礼をいたしました。
3人目の日本ワイスガーバー倶楽部会員でございます。
それではみなさまご一緒に
ワイスガーバー、万歳!
Weissgerber !
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