ライブのご案内

これからのライブ・イベントのご案内です。

2026ライブ
5/24(日) 記念演奏イベント予定(立川)
6/21(日) 音楽茶屋“奏”ソロライブ(国立)
6/28(日) 深代朋子リサイタルに共演(狛江)
7/26(日) ウクレレ&ギター サマーコンサート12(立川)
10/25(日)ギターコンサート「相川達也氏を招いて」(立川)

イベント=====================
2026年
4/26(日) 第30回はせがわ音楽教室発表コンサート
5/4(月・祝)府中ギターフェスティバル(立ギが出演)
6/14(日) 松戸サマーコンサート(カノンが出演)
11/15(日)ギターサークル・カノン第25回定期演奏会
11/28(土)  水永牧子チェンバロ教室発表会・賛助出演
12/6(日) 立川市ギター倶楽部定期演奏会


Photo_20250310182102 3/21 CD販売開始!
J.G.シュタウファーの追憶 
  ~2本の19世紀ギターによる作品集
詳細はこちらをクリック

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2026年3月 8日 (日)

上谷直子さんと動画コラボ!~対談と演奏

去る(2026年)3月1日にギタリスト上谷直子さんのスタジオにお邪魔し、コラボ動画として対談と演奏を収録してきました。

上谷さんとの収録は一年ぶりになりますがこの日のコラボもわたしたちの所有する二つのギターを中心に楽しくおしゃべりしました。
今回のギターは上谷さんがスイスのモーリス・オティガー(Maurice Otiger)作、わたしがドイツのヘルマンハウザー三世(Hermann HauserⅢ)作でどちらも1991年に作られたものでした。
オティガーは少なくとも日本ではかなり珍しい作家でわたしも上谷さんのこの個体しか見たことがありません。リュート製作(ギターも作っています)で高名なヤコブ・ファン・デ・ゲースト(Jacob J.van de Geest)の弟子筋で、リュートとギターを作っているとのこと。サテンフィニッシュのボディ、ブリッジの形状およびメイプル材を使用している点、口輪が一般的なモザイクと異なり刃物で彫りこんだ造形になっているところなどがユニークで古楽器風味を醸していますが、現代の演奏にも対応する豊かな響きを持っていました。
一方わたしのハウザー三世は「ソロモデル」と言われるショートスケールで弦長が625mmとなっています(現代のギターは一般的に650mmが標準と言われます)。ボディシェイプも丸みを帯びていわゆるセゴビア型とは大きく異なり、こちらもハウザーのモダンギターとしてはかなり珍しい部類ですね。
スペインのギターとはまた違ったニュアンス、味わいも楽しんでいただけたらと思います。

動画は前後編に分かれていて以下をクリックしてご覧ください。

なぜ楽器が欲しくなる?ハウザーⅢ (ショートスケール)|クラシックギター談義【前編】
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https://www.youtube.com/watch?v=PUeencrn2dg

上谷直子✕長谷川郁夫 クラシックギター談義~後編
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https://youtu.be/hBxN4VNbyBs

演奏の方はこちらの2曲

デュオ第1番(ソル)~上谷直子さんと
1op551

https://youtu.be/W7xW8P6p8_w


F. カルリ:対話風小二重奏曲 第5番, op.34-5
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https://www.youtube.com/watch?v=Zs5fUuMhKdM

《曲目について》
デュオop.55-1
ソルの
op.55は3つのデュオがセットで、こちらはよく「デュオ第1番」と呼ばれています。アンダンテとアレグレットの二つの楽章で出来ており、伸びやかで品の良いメロディが堪能できる佳曲です。教育目的で書かれた作品で楽譜冒頭にはソル先生からのメッセージが書き込まれています。
曰く「この作品から、私が与えようと努めたすべての成果を引き出そうとする者は、指使いから逸れないよう細心の注意を払い、また常に手を正しい位置に保たなければならない。すなわち、指を指板の前に置き、必要以上の動きを与えないようにすることである。第1パートを弾いたあとには、第2パートを学びなさい。そしてそれを流れるように弾けるようになったとき、自分でも気づかないうちに身についていた進歩に驚くことになるだろう。」

つまり、ソル先生のように上手くなりたければ、
①「この運指は勝手に変えるな」
②「指板(弦)から指を遠ざけてはイカン」
③「指をバタバタ動かさナイ」・・・そして
④「1stが弾けたからと言って終わりじゃないゾ、2ndも弾くノダ」
というあたりでしょうか。
ハハ~ッ!と肝に銘じてアプローチしております。

カルッリの方は6つの小二重奏曲op.34より。カルッリの代名詞とも言えそうなト長調のロンド(第2番)が入っているシリーズからヘ長調の第5番を演奏しています。可愛らしいチャイムが響くようなロンドの冒頭が魅力的ですし、2台のギターが対話するように進む様子やメジャーとマイナーの表情の揺さぶり、突然のパウゼなど人を楽しませるサービスがいっぱいちりばめられた実にカルッリの「らしさ」を感じる一曲です。上谷さんとはこのop.34はぜひ全曲の演奏を収録したいと相談しています。

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2026年1月21日 (水)

記念のギターという喜び~長沢仁美ギターのこと

二十四節気の大寒だった昨日、山梨県は富士川の山中にある長沢仁美ギター工房に伺ってギター引き渡しの儀をおこなってまいりました。
実はわたしの還暦を記念するギターをお願いしてあったのです。長沢さんにはいつかわたしのギターを作ってほしいと思いつつ年月が過ぎていましたが、このタイミングが良いきっかけとなりました。このギターは誕生日がわたしと一緒(1/14)です。還暦だから干支も一緒ですネ(^o^)丿❤ 長沢さんは工房に古くからあるとっておきの材料を厳選して丹精込めて作ってくださいました。あぁ新作のギターなんていつ以来でしょう、これはまた格別に嬉しいものですね。
このギターはわたしにとって弾くたびに、眺めるたびにきっと「人の縁」「木の力、自然の力」「人生と時間」・・・こんなことに思いをめぐらせたり、それらに感謝するスイッチとしても存在してくれるような気がしています。
音はまだ出来たてですからナマっぽい感じはありますが、高音は優しく、低音は深々といい音でよく鳴ってくれます。ただね、ギターの側からも「あなたが最初の主人?フーン、どいういう音をお出しになるの?」とこちらの様子を伺われているような感じもあるんですよ(笑)。まずはブレークインをしっかりしないといけませんね。
ギターはわたしたちよりずっと長生きです。このギターもこの世に存在する限り、いつまでも誰かに愛奏されることでしょう。わたしはこのギターが生まれるきっかけを作った人、そして最初に音を響かせるファーストオーナーとして、これから丁寧にその役割を果たしていきたいと思います。

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工房の応接室にて。
この度は素敵なギターをありがとうございました。向かって左がこのギターを作ってくださった長沢仁美さん、右は二代目の連(れん)君。

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弦長640mm、ドイツ松の表板とブラジリアンローズの横裏板、それとメイプルのブリッジでお願いしました。これらはどちらも40年以上前に入手された材料とのこと。表板は割材の証であるハーゼが全面によく出ています。有名ギターを模した○○モデルということはなく長沢オリジナルですが、内部構造としてはきわめて伝統的なものです。長沢ギターとしては少し小さめの型枠のボディとなり、まとまりの良い響きかつ、構えやすく感じました。

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長沢さんのヘッドデザインはここに富士山が入るのですが、今回は特別なアレンジとしてシルエットはそのままに富士山のかわりに中央にメイプルを配してもらいました。このメイプルはブリッジと同じ材料から取っているとのこと。
このシルエットって「かぜかまえ・かぜかんむり」から来ているのかな?富士山を渡る風みたいなイメージとか。今度行ったら訊いてみます。

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長沢ギターのオリジナルヘッド(富士山)はこんな感じです。

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手の込んだ口輪のデザインですが、これは長沢ギターのスタンダードで特徴のひとつになっています。

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今回の目玉はメイプル製のブリッジ。実はわたしのカミさんのギター(Kazuo Sato’93)がメイプルのブリッジなのです。・・・で、そのきっかけになったのが現ドイツ在住のわたしの師匠=吉田佳正先生がメイプルのブリッジを持った愛器D.J.ルビオをリペアのためKazuo Satoさんお預けしたことがきっかけとなってそのタイプを製作されたらしく、この先まで話すと長くなるんで割愛しますが(笑)、メイプルのブリッジには強い縁を感じています。効果としても、反応の速さと太く伸びやかな音色を実現していて魅力的と思います。

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いいマシンヘッドでしょう(^o^)丿
ナットと指板のポジションマークはアイボリー製ですが、印鑑を扱う仕事をされていた生徒さんから譲ってもらった材料を使っています。長沢さん曰く「硬さのある、良い材でした」とのこと。この生徒さんは長い付き合いだったんですけどね、膝が痛くなってしまって教室に通うのが困難になってしまい、残念ながら昨年退会されたのですが元気にしているかな。連絡してみようと思います。
うしろの金色ケースはわたしの生徒さんの形見としていただいたものなんですが、生前には彼の還暦ギターを収めていました。わたしが当時「この金色のケースがいいよ」ってオススメしたのです。わたしのギターを入れてみるとちょうどピッタリだったのでこれを使わせていただこうかなと思っています。

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製作中の様子もこんな感じにいくつか写真を送っていただきました。横裏板は工房で選ばせていただきました。一番黒っぽいやつを選びましたよ(^^)

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こうやって、ていねいに愛情をかけて作って下さったと思うと胸が熱くなります。

10
記念日にこうしてギターを作ってもらうというのは良いものです。
今回の経験で強く実感しました。
ギターを愛するみなさんにも是非おススメいたします(^^)/

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2026年1月15日 (木)

おかげさまで!


https://youtu.be/av2k4rU8MJ4

おかげさまで、無事に還暦を迎えることができました。

記念に2分弱の動画を作ってみました。

これまでご縁のあった全てのみなさまに感謝申し上げます。

これからも楽しくギターと音楽に取り組んでまいります。

どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。

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2026.1.14
長谷川郁夫

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2026年1月 4日 (日)

日本民謡メドレー ソーラン節~相馬節(相馬盆唄)~八木節 / 江部賢一 編 2025年 立川市ギター倶楽部 定期演奏会より 指揮:長谷川郁夫

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https://youtu.be/fjVj790hs5o

2025年 立川市ギター倶楽部定期演奏会(2025.12.14)より 指揮:長谷川郁夫

日本民謡メドレー ソーラン節~相馬節(相馬盆唄)~八木節
江部賢一(1951-2015 日) 編曲

わたしの指揮する立川市ギター倶楽部は1971年創立の歴史ある市民ギターサークルです。こちらの演奏は毎年行っている定期演奏会より本年(2025年)の演目の一つです。

日本人のDNAに響くようなメロディとノリの良いリズムをもった3曲がポップスアレンジの大御所、江部賢一先生の手によって3パートのギターアンサンブルとして楽しく効果的にまとめ上げられています。特筆すべき点としてギターをたたいて太鼓や樽のようなパーカッション効果を出す“ノック・ザ・ボディ”が随所に現れ、目を(耳を)引くことが挙げられます。 。特に終曲「八木節」では第3パートがほぼ“ノック・ザ・ボディ”で演奏するという大胆な楽譜となっていました。当日はこの曲が最終曲とされ大団円、大きな拍手をいただきました。

立川市ギター倶楽部HP(一緒に弾きませんか?)
https://tachikawa-guitar.org/

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津軽海峡冬景色 / 三木たかし ~ 長谷川郁夫 編 2025年 立川市ギター倶楽部 定期演奏会より

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https://youtu.be/WRHTddUWU2Y

2025年 立川市ギター倶楽部定期演奏会(2025.12.14)より 指揮:長谷川郁夫
津軽海峡冬景色
三木たかし (1945-2009 日)~長谷川郁夫 編曲

わたしの指揮する立川市ギター倶楽部は1971年創立の歴史ある市民ギターサークルです。こちらの演奏は毎年行っている定期演奏会より本年(2025年)の演目の一つです。
言わずと知れた石川さゆり歌唱の大ヒット曲。このような器楽演奏で聴いてもふと歌詞が脳裏に浮かび、曲の世界に惹き込まれるように感じます。さすがにこういった作品は馴染みがあるというか、メンバーさんも初めからイメージは深く理解されていますから、練習では曲の情緒を丁寧に描くことに注力して取り組みました。

立川市ギター倶楽部HP(一緒に弾きませんか?)
https://tachikawa-guitar.org/

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2026年1月 3日 (土)

ディベルティメント (木管三重奏) K439bより第4番 / モーツァルト~長谷川郁夫 編 2025年 立川市ギター倶楽部 定期演奏会より

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https://youtu.be/wtUig3dbA-8

2025年 立川市ギター倶楽部定期演奏会(2025.12.14)より 指揮:長谷川郁夫
ディベルティメント (木管三重奏) K439bより第4番
モーツァルト (1756-1791 墺)~長谷川郁夫 編曲

昨年末行われた立川市ギター倶楽部の定期演奏会からいくつかの曲をアップしたいと思っています。
よろしければどうぞご視聴ください。

まずはこちらモーツァルトから(^^)/
ディベルティメントK439bの原曲はクラリネット族のバセットホルンという楽器3本のために作られており「木管三重奏」とも呼ばれています。アレンジはギターに移植するための移調およびロングトーンの処理やオクターブの小変更などをおこないましたが、原曲の味わいを活かすためにそれらは最小限にとどめました。
練習しながら楽曲の理解が深まり、演奏が仕上がってゆくにつれ、、メンバーさんから「やっぱりモーツァルトはイイですネ!」と楽しむ様子がうかがわれ、とても嬉しかったことを思い出します。また、今回全5楽章を通して取り組むことができたことは大変充実感がありました。

立川市ギター倶楽部HP
https://tachikawa-guitar.org/

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2026年1月 1日 (木)

2026賀正 2つのロマンス(J.キュフナー) アルペジョーネと19世紀ワッペンギター

2026
https://youtu.be/tTotXmUjQXY

令和八年 / 2026年 元旦
みなさま、あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
おかげさまで元気に楽しくギターを弾くことができました。

今年はわたしにとって一つの節目となる年にあたります。
これまでを振り返り、また気持ちも新たに
コツコツと進んでまいりたいと思っております。

「音楽は美
 音楽は愉しみ
 そして、音楽は社交」

これはわたしが座右の銘としている言葉です。
今年もみなさまとのご縁を深め
また、新たなご縁にも出会えたらと思っております。

みなさまのご多幸をお祈りしております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

===========================
本年の演奏はヨーゼフ・キュフナーのギターデュオop.168(全60曲)より第13曲と18曲になります。
ヨーゼフ・キュフナー(Joseph Kuffner, 1776-1856)は、ロマン派前期のドイツの作曲家・音楽家でフルート作品でよく知られていますが、ギター曲も多く作っており、この作品168はエチュードとして現代の教本にも時折収録されています。アルペジョーネやワッペン型ギターが作られていた頃の音楽ですので「当時もこんな楽しみ方もされていたかもしれない」と思いながらアプローチしました。

アルペジョーネ(arpeggione)は
19世紀初頭に発明されたギターとチェロのハイブリッド楽器でヴィオロンチェロ・ギターともよばれていました。この楽器は長野の名工、石井栄氏に作っていただいたレプリカで2019年製。

ワッペン型ギターは
ラベルがありませんがドイツ・オーストリア系でおよそ100年から向こうのものです。シールド(盾)型などとも言われ、ハウザー1世やワイスガーバーなども作っていました。この個体はヘッドもスクロールしていて、指板もスカロップ加工と当時のイカしたギターという感じでしょうね。演奏は家内です。

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2025年12月25日 (木)

エッセイ「二つのドイツ民謡」~さよなら・別れの歌

昨日アップしました「夜汽車にのせて」と題した3つのドイツ民謡から、二つの曲について解説的なエッセイを書いてみました。文末に演奏のリンクも載せておきますので、よろしかったら演奏を聴きながらお読みいただけたら嬉しいです。

「さよなら(冬よ、さらば!)」のこと
日本では幼稚園で「さよなら さよなら/これできょうは/おわかれしましょ/みなさんさよなら」と歌われるお帰り時ソングのイメージで、わたしは子供のころこそ歌いませんでしたが、それは時代かな。今はまぁそれが頭に浮かびます。・・・なんですが、調べてみると原詩はこんな感じでした。「さよなら」は冬との別れなんですね。
1番
|冬よさらば
|別れはつらい
|だが冬との別れは
|心を笑顔にしてくれる
2番
|冬よさらば
|別れはつらい
|お前を忘れる喜び
|いつも離れていたい
3番
|冬よさらば
|別れはつらい
|すぐに家に帰らないのか
|カッコウがお前を笑っているぞ

ただ、なんか変だと思いません?
「別れはつらい」と言っているのに、あとに続く詩が全然つらそうじゃないじゃないですか。むしろそれを求めている感じ(笑)
これはつまりこういう事なんじゃないですか?「世に“別れ”とはつらいものだけれど、冬に関してはまったく別っ!冬とはさっさとオサラバしたい、ああ春はいいなあ、もう早く春になっておくれ!」と、ちょっと大げさで冗談交じりに言っているのではないかと。日本の「春よ来い」が「おんもに出たいと待っている」とのんびり歌うのとは大違いですね(笑)。ドイツの冬はそんなに寒く辛いのでしょうか、心配になります。。。

いや、まさか今付き合っている冬子ちゃんとはしんどくなってきたんで、別れるときは大変だけど、そのあと春子ちゃんと付き合う予定だからもうひとガンバリ・・・とかの暗喩は無いと思いますよ(笑)!

・・・と、ここまで書いたあと少し気になって当時のドイツの冬について少し調べてみました。この曲が作られた200年くらい前は全地球的に1300-1850年ごろまでにわたる最後の小氷期(ちなみに現在は間氷期)の終わりくらいだったようで、ロンドンのテムズ川が凍った話は聞きますがドイツのドナウ川も結氷し、やはり人が歩いて川を渡ったり屋台が立つこともあったようです。当時人々の暖は薪で得ることが一般的で、家の中でも暖まれる場所を作ることが精一杯、家全体が暖かい状態はとうてい望めず、もし冬が長引いて薪が尽きたら命の危険すらあるという時代。さらにそんな折1815年にはインドネシアのタンボラ火山大噴火によって1816年は「夏のない年」ともいわれる自然の脅威にさらされたりもしますが、作詞のホフマン・フォン・ファラースレーベンは1798年生まれなのでこの時18歳。感受性の高い年齢でこれを体験していると思われます。そこで生まれた「お前を忘れる喜び いつも離れていたい」という気持ちは柔らかな詩の中にあっても切実だったのでしょうね。

そんな詩を載せていたメロディがいま日本で「さよなら」として辛さも生命の危険の影も無い幼稚園の帰宅ソングとなり、子供たちの声で元気に無邪気に歌われている様子は科学と人類の進歩によって得られた幸せを示すひとつの形なんだなぁとも思いました。


「別れの歌(ムシデン)」のこと。
日本では卒業式の時によく歌われ、日本語歌詞は「さらばさらばわが友/しばしの別れぞ今は/身は離れ行くとも心はひとつ/いつの日にかまた会いみん/幸(さき)くませわが友」でしたね。わたしもこの曲には胸にツンとくるような思いがあります。

この曲は「ムシデン」とも言われていて初めて知った頃には「虫電ってなんだ?」なんて思ったものですが、これはドイツ語の歌い出しが「Muss i denn、Muss i denn」となるからなんですね。和訳では「行かねばならぬ 行かねばならぬ」くらいの意味で詩の内容を示すものとは言い難いのですが、昔の歌では往々にしてこういうことはよくあります。つまり、そもそも詩(歌)のタイトルというものは無くて、インデックスとして歌い出しをタイトルのように扱っているということです。 先にアップした「夜汽車にのせて」と名付けた3つのドイツ民謡はドイツ語タイトルは全て歌い出しになっていました。

それで原詩の内容ですが、状況は修業のために地元を1年間離れる青年が恋人に「どうしても行かなくてはいけないんだ」と語りかけているシーンです。
青年はこう言います「わたしはこの小さな町を出てゆく」「でも帰ってきたら、また戻ってきたなら、わたしはまっすぐお前のもとへ帰るよ」。
女性はそれを聞いて「もう愛が終わってしまうかのように」ポロポロと涙を流します。・・・これは切ないですよね。でも青年は恋人に誠実を誓い、「一年後、ブドウの房を摘む頃にわたしはまたここに戻ってくる」から、そうしたら「結婚式を挙げよう!」と提案します。

しかし、しかしですよ(笑)!
2番の歌詞を眺めていると

|外には 外には
|娘たちが たくさんいるけれど
|恋しい人よ 私はおまえに誠実でいる

|たとえ他の娘を見たとしても
|私の愛が消えることはない
|外には 外には
|娘たちが たくさんいるけれど
|恋しい人よ 私はおまえに誠実でいる

・・・とあるのが目につきました。(^_^;)
娘たちがたくさんいるって連呼するの、怪しくありません?
なんか強調し過ぎ!と思うのはわたしだけでしょうか。

さらに読み進めて3番の歌詞

|一年たてば 私の時は満ち
|私は おまえのもの
|おまえは 私のもの
|そのときも
|そのときも
|おまえが 私の恋人でいるなら
|それが 結婚の日になるだろう

アレアレアレっ?「(もし)わたしの恋人でいるなら」・・・なの❓❓
「必ず結婚しよう」じゃないんですね。

あ~(ため息)、今この歳になると一年なんてあっという間とも思いますけど、やっぱり若かりし頃、恋人同士が一年間も会えないというのは心の不安が去来するのでしょうねえ。誠実でありたいけれど、揺るがない自信があるわけでもない。これは男性の歌だけれど、女性側だって地元の男性に言い寄られてそちらに傾くこともあるかもしれない。
「泣いてしまう娘」「言い訳が多い青年」「条件付きの未来」みたいな構図が実に人間臭く、リアルに感じてしまいました。200年も前の歌ですけど。。。

この歌、なんかイイ話だけでは終わらない危うさ、不安と言ったものも含んだ人生の深さを描いているようにも感じたのですが、こんな理解で良いでしょうか。
モチロンわたしはこのカップルには是非この試練に打ち勝って、美しい結婚と幸せを享受されることを心から望むものですが。

 

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https://youtu.be/GHsyMvFkZFU

3つのドイツ民謡「夜汽車にのせて」
 ~夜汽車・さよなら・別れの歌(ムシデン)
   J.K.メルツ~植木&はせがわ編

演奏:植木和輝 長谷川郁夫
楽器:ゲオルク・シュタウファー作(ウィーン)
プライムギター&テルツギターともに1830年頃の作です。

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2025年12月24日 (水)

3つのドイツ民謡「夜汽車にのせて」~夜汽車・さよなら・別れの歌(ムシデン)/ J.K.メルツ~植木&はせがわ編

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https://youtu.be/GHsyMvFkZFU

3つのドイツ民謡「夜汽車にのせて」
 ~夜汽車・さよなら・別れの歌(ムシデン)
   J.K.メルツ~植木&はせがわ編

演奏:植木和輝 長谷川郁夫
楽器:ゲオルク・シュタウファー作(ウィーン)
プライムギター&テルツギターともに1830年頃の作です。

メルツの「かっこう」をご存知ですか。現代ギター社からも楽譜が出ていますが、オペラのアリアや器楽作品から民謡まで19世紀当時の愛好家のみなさんが弾きたくなりそうなレパートリーを136曲もアレンジして2分冊でまとめた曲集です。現代でもスクリーンミュージックとか歌謡曲とか唱歌とかをまとめた曲集がありますが、古今東西ギターを弾く人は大好きな曲を自分の楽器で奏でたいという気持ちがあったのだなぁ、とあらためて気づかせてくれます。
どれも短く簡素にまとめられているので、中には「これ、イイ曲なんだけどどうしよう(全16小節とか)」と思うようなものもあり、まあそれらは部屋でそっと楽しんだり、何曲かまとめて情緒を楽しむメドレーを構成してみたりするのですが、今回はそれの二重奏版を作りました。
つまり、元の楽譜はメルツ編による独奏版なのですが、それをテルツギターが弾くときはプライムが伴奏的な音型を、プライムが弾くときはテルツが伴奏的なことをしよう♪ と打ち合わせながら、デュオに仕立てていったということです。
特に大それたこともないし楽譜も作ることなくやったのですが、出来上がってみると19世紀ギター&ガット弦、指頭奏法の音色と相まって何ともホッコリと、これぞビーダーマイヤー的な世界といえるものが浮かび上がってきたように感じました。まるで絵本の中に飛び込んだような気分。
曲は日本でも良く知られた「夜汽車」「さよなら」「別れの歌(ムシデン)」の3曲。夜汽車が次の曲(駅)に誘うようなメドレーとし、「夜汽車にのせて」というタイトルを付けました。

慌ただしい年の瀬にも、どうかゆったりとしたひとときを…。

今回選んだ3つの曲について
「夜汽車」ドイツ語:Wenn ich ein Vöglein wär(もし私が小鳥であったら)
原詩では「もしも私が小鳥ならば/そして二つの翼があれば/あなたの処へ飛んで行く。/でもそれはできない/ここにひとりで残る」と歌われる恋愛の歌ですが、日本では「いつもいつも/とおる夜汽車/しずかなひびききけば/遠い町を思い出す」と郷愁を感じる詩が付けられています。

「さよなら」ドイツ語:Winter ade !(冬よさらば!)
日本では幼稚園で「さよなら さよなら/これできょうは/おわかれしましょ/みなさんさよなら」と歌われるお帰り時ソングですが、原詩はこんな感じ・・・「冬よさらば/別れはつらい/だが冬との別れは/心を笑顔にしてくれる」つまり、世に「別れ」とはつらいものだけれど、冬に関してはまったく別っ!冬とは早くおさらばしたい、もう春になってくれ!と、ちょっと大げさで冗談交じりなものでした。

「別れの歌(ムシデン)」ドイツ語:Muss i denn
日本では卒業式の時によく歌われ、日本語歌詞は「さらばさらばわが友/しばしの別れぞ今は/身は離れ行くとも心はひとつ/いつの日にかまた会いみん/幸(さき)くませわが友」でしたね。わたしもこの曲には胸にツンとくるような思いがあります。ドイツ語原詩の方はというと、修業のために土地を離れる若者が恋人に帰ってきたら結婚しようと約束するような内容になっています。

テルツギターは
わたし(はせがわ)が持っている方のギターですが、通常のギターよりも小型で3フレット分高い音程を発するギターです。19世紀に考案され、こうした重奏で愛好されました。

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