現代ギター17年8月号こぼれ話
今年5月から現代ギターの連載の原稿を書いています。
それは、パイジェッロのオペラ「モリナーラ」のアリア、
Nel cor più non mi sento(うつろな心、わが心はや)を主題にした
19世紀ギターの作品を追っていくというテーマで
なかなかこれが調べていても、書いても楽しいものです。
どうも、ベートーヴェンのピアノ変奏曲が最初のようなのですが
ギター変奏曲は作曲年が後になれば後になるほど、競うように凝っていくのです。
いま発売している7月号ではマティーカの変奏曲について書きましたが
テーマと8つの変奏からなる、結構長大な曲で
(本文にも書きましたが)
主題と変奏~ダンス(ポロネーズ)~終曲を全部「ネル・コール」から作ったぞ!
というような構成でした。
で、今は来月発売される8月号の原稿が終わったところです。
ふ~っ (・。・;
8月号ではカルッリの変奏曲をあたったのですが
これがまた、すごかった!
下のファクシミリ譜を見てください。
こんな指定が入っているのですよ。
実に、フレットで言って29フレット(相当)!
まあ、他にもスライドによる変奏などもパフォーマンス重視で面白いのです。
流石!カルッリ先生!!
それで一つ、心に浮かんだのがパガニーニの影響。
実はパガニーニもネル・コールの変奏曲を書いていて
それはそれは超絶技巧で、カプリスのテクニックを存分に使ったような作品なのです。
これを、自身の演奏会のアンコールなどで演奏したということなんですね。
もちろん、カルッリの作品はパガニーニほどの超絶技巧ではないのですが
スライドを使った変奏といい、上記のスケールといい、
なにかこう、ネル・コールの変奏曲でパフォーマンスを見せる
という点で共通を感じるんですよねー。
当時のギター界で最も有名だったカルッリ先生が
「・・・なるほど、パガニーニさんがそう来たか、ならば!」
という気持ちもあったのではないか・・・とか。
というわけで、楽曲の成立年を調べてみました。
まあ、なかなか踏み込んで調べることもできないのですが
パガニーニのネル・コールは1821年が初演で出版が1829年とか。
一方カルッリのネル・コールは参考にしたファクシミリでは
プレートナンバーからだと1826年頃かなという感じだったので
「おお、やはり!」なんて思ったのですが
オフィーの解説だと1817年頃とあるんですよね(^_^;)
すると、参考にしたファクシミリは再販かな。
でも、確かに作品番号100近辺は1820年かそれより前みたいなんですよねー。
うーん、4年か。何とかならないかな(笑)
たとえばパガニーニはもっと早くからこの曲を弾いていた
なんてことはないでしょうかねえ。。。
どうも、関連があるような気がしてならないのですが
ま、ここからはナカナカどうにもならないかぁ ![]()
というのが今回のこぼれ話でした。
マティーカもカルッリも大変素敵な作品でしたので
ぜひ、現代ギター7月号と8月号でご覧いただけたらと思います。
| 固定リンク | 0





コメント