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2025年8月28日 (木)

練習曲op.6-8 / F.ソル(セゴビア№1)

Op68
https://youtu.be/ZUHdvNQh00Q

練習曲 op.6-8 アンダンティーノ ハ長調 (フェルナンド ソル 1778-1839)
Etude op.6-8 Andantino C-dur (Fernando Sor 1778-1839)

ギター演奏:長谷川 郁夫
指頭奏法
Guitar:Ikuo HASEGAWA
playing the guitar without using nails.

練習曲 op.6-8 アンダンティーノ ハ長調 3/4拍子
セゴビアが編纂した「ソル20のエチュード」ではこの曲が第1番とされており、数多ある練習曲の中でもギタリストや愛好家の間になじみ深い作品と言えるかもしれません。3声の厳格な対位法によって書かれており、気楽で庶民的なギターとはまた違った、美しい調和と気品というような一面を感じさせます。これらはソルがモンセラートの修道院で伝統的なスタイルの音楽を学んできたことの自負のようなものかもしれませんし、ギターという楽器に託した表現力への期待なのかもしれませんね。
6本弦のギターで3声のポリフォニーを扱うことは案外難しいものですが、耳を澄まし、よく響く教会で聴く賛美歌のような気分を持ってあたるように心がけています。

練習曲集op.6について
ソルの練習曲集op.6は1816年頃の出版で練習曲としては最初のものになります。ソルの場合、日本語訳で「練習曲集」とよばれるものに「Etude」とあるもの(op.6と29)、「Exercise」とあるもの(op.35)、「Leçons」とあるもの(op.31)の3種類があります。「Etude」は小品としての完成度を持つもの、「Exercise」は実務的あるいは技術的訓練のようなイメージ、そして「Leçon」は教育現場でのメソッド的な教材といった意味合いがあるようです。そんなこともあって「Etude」は取り組んでみるとどの曲も思いの外、技術的な難易度が高かったりします。イイ曲が多いのは確かなんですけどねぇ。。。ちなみにop.29はop.6の続編ということなのでしょう。番号が13-24となっています。

楽譜は
https://imslp.org/wiki/Category:Sor,_Fernando
上記リンクより「12 Etudes, Op.6」をご覧ください。

ソルは
カルッリやジュリアーニらと並んでギター黄金期といわれる19世紀初頭のヨーロッパギター界を代表するギタリスト・作曲家で後に「ギターのベートヴェン」と呼ばれることもあります。スペインのバルセロナに生まれ同地近郊のモンセラート修道院などで音楽を学び、後に(35歳ごろ)パリに亡命。以降はパリを拠点にヨーロッパ中で活躍しました。作曲家としてはオペラやバレエその他オーケストラ曲なども書いていますが、ギターへの強い愛情からか作品番号はギター曲のみにつけられており、独奏と二重奏で63番まであります。作風としてはハイドンやモーツァルトのような上品で古典的な気分のものが多く、またカルッリやジュリアーニがしていたようなオペラ序曲や流行り歌の気楽なアレンジなどはほとんど無いというあたりがソルの育ってきた音楽環境や標榜する音楽、さらには本人の性格といったものも表われているように思います。ソルはパリにて61歳で世を去り、モンマルトル墓地に埋葬されています。

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