愛のワルツ / ウルリク・ノイマン
愛のワルツ(ウルリク・ノイマン 1918-1994 )
Love Waltz《原題 Kärleksvals》(Ulrik Neumann 1918-1994 )
ギター演奏:長谷川 郁夫
指頭奏法
Guitar:Ikuo HASEGAWA
playing the guitar without using nails.
スウェーデン映画『Vaxdockan』のために作曲された音楽。映画ではギターとフルートで演奏され、ギターは作曲者ノイマン自身によるものでした。
ウルリク(ウルリック)・ノイマンは
デンマークで生まれ、スウェーデンに没した人物。Wikipediaによれば「映画俳優兼ミュージシャン。1940年から1966年の間に19本の映画に出演した」とあります。また同じ北欧出身のアーティストとして親交があったスウェーデンのギタリスト イェラン・セルシェル(Göran Söllscher)は「作曲家、歌手、エンターテイナー…彼は万能のギタリスト。北欧諸国のクラシックギタリストなら、誰もが一度はこの傑作(愛のワルツ)を演奏したことがあるのではないでしょうか。また後に私のために協奏曲を書いてくれたことは大きな栄誉だった」と語っています。
スウェーデン映画「Vaxdockan」(1962年)
発音的には「ヴァクスドキャン」という感じでしょうか。意味合いとしては蝋人形のことを指すようです。邦題「沈黙の歓び」/英題「The doll」として発表されました。
映画の内容は幻想的かつ不気味なもので、ストーリーは
「主人公であるデパートの孤独な夜警が店のマネキンの一体に執着し、やがてそのマネキンを盗み、いつも一緒にいられるよう自分の家に連れてくる。 するとある日からマネキンの彼女は魂を宿し人間の女になったり(マネキンに戻ったり)するようになる。それによっておこる様々な出来事、事件・・・」というものでした。
実はこの原語タイトルで動画検索するとその映画を観ることができました。字幕もありませんからセリフによるディテールは想像になりますが、全体に暗く重いトーンで狂気の愛を描く様子はどこかロシア文学のようでもあり、ブラックな手塚治虫などとも通じるところを感じました。
映画中での「愛のワルツ」は
魂を宿し・・・つまり人間の女と化したマネキンと主人公が愛を交わすシーンで流れる音楽でした。なるほど、だから幸福に満ちた「愛」とは違う、美しさの中におどろおどろしい妖しさを湛えた音楽のように感じるのだな!と思いました。シーンに合わせた音楽の有りようと、それを見事に描いているノイマン氏の力量に感嘆しました。
サントラはそのシーンと共にこちらで聴くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=gQ7onkMPYn4
「愛のワルツ」のギターソロ版は後年セルシェル(Göran Söllscher)がドイツ・グラモフォン盤『Cavatina』で《Kärleksvals》として録音(リリース1984年)。この録音でギター界に広く定着しました。
楽譜について
ギターソロへの編曲はノイマン自身によるものと思われます。
今回の演奏においては現代ギター社刊「クラシックギター名曲てんこもりBOOK Vol.1」に掲載のもの(篠原正志先生の校訂)を使用し、少変更を加えています。
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