記念のギターという喜び~長沢仁美ギターのこと
二十四節気の大寒だった昨日、山梨県は富士川の山中にある長沢仁美ギター工房に伺ってギター引き渡しの儀をおこなってまいりました。
実はわたしの還暦を記念するギターをお願いしてあったのです。長沢さんにはいつかわたしのギターを作ってほしいと思いつつ年月が過ぎていましたが、このタイミングが良いきっかけとなりました。このギターは誕生日がわたしと一緒(1/14)です。還暦だから干支も一緒ですネ(^o^)丿❤ 長沢さんは工房に古くからあるとっておきの材料を厳選して丹精込めて作ってくださいました。あぁ新作のギターなんていつ以来でしょう、これはまた格別に嬉しいものですね。
このギターはわたしにとって弾くたびに、眺めるたびにきっと「人の縁」「木の力、自然の力」「人生と時間」・・・こんなことに思いをめぐらせたり、それらに感謝するスイッチとしても存在してくれるような気がしています。
音はまだ出来たてですからナマっぽい感じはありますが、高音は優しく、低音は深々といい音でよく鳴ってくれます。ただね、ギターの側からも「あなたが最初の主人?フーン、どいういう音をお出しになるの?」とこちらの様子を伺われているような感じもあるんですよ(笑)。まずはブレークインをしっかりしないといけませんね。
ギターはわたしたちよりずっと長生きです。このギターもこの世に存在する限り、いつまでも誰かに愛奏されることでしょう。わたしはこのギターが生まれるきっかけを作った人、そして最初に音を響かせるファーストオーナーとして、これから丁寧にその役割を果たしていきたいと思います。
工房の応接室にて。
この度は素敵なギターをありがとうございました。向かって左がこのギターを作ってくださった長沢仁美さん、右は二代目の連(れん)君。
弦長640mm、ドイツ松の表板とブラジリアンローズの横裏板、それとメイプルのブリッジでお願いしました。これらはどちらも40年以上前に入手された材料とのこと。表板は割材の証であるハーゼが全面によく出ています。有名ギターを模した○○モデルということはなく長沢オリジナルですが、内部構造としてはきわめて伝統的なものです。長沢ギターとしては少し小さめの型枠のボディとなり、まとまりの良い響きかつ、構えやすく感じました。
長沢さんのヘッドデザインはここに富士山が入るのですが、今回は特別なアレンジとしてシルエットはそのままに富士山のかわりに中央にメイプルを配してもらいました。このメイプルはブリッジと同じ材料から取っているとのこと。
このシルエットって「かぜかまえ・かぜかんむり」から来ているのかな?富士山を渡る風みたいなイメージとか。今度行ったら訊いてみます。
手の込んだ口輪のデザインですが、これは長沢ギターのスタンダードで特徴のひとつになっています。
今回の目玉はメイプル製のブリッジ。実はわたしのカミさんのギター(Kazuo Sato’93)がメイプルのブリッジなのです。・・・で、そのきっかけになったのが現ドイツ在住のわたしの師匠=吉田佳正先生がメイプルのブリッジを持った愛器D.J.ルビオをリペアのためKazuo Satoさんお預けしたことがきっかけとなってそのタイプを製作されたらしく、この先まで話すと長くなるんで割愛しますが(笑)、メイプルのブリッジには強い縁を感じています。効果としても、反応の速さと太く伸びやかな音色を実現していて魅力的と思います。
いいマシンヘッドでしょう(^o^)丿
ナットと指板のポジションマークはアイボリー製ですが、印鑑を扱う仕事をされていた生徒さんから譲ってもらった材料を使っています。長沢さん曰く「硬さのある、良い材でした」とのこと。この生徒さんは長い付き合いだったんですけどね、膝が痛くなってしまって教室に通うのが困難になってしまい、残念ながら昨年退会されたのですが元気にしているかな。連絡してみようと思います。
うしろの金色ケースはわたしの生徒さんの形見としていただいたものなんですが、生前には彼の還暦ギターを収めていました。わたしが当時「この金色のケースがいいよ」ってオススメしたのです。わたしのギターを入れてみるとちょうどピッタリだったのでこれを使わせていただこうかなと思っています。
製作中の様子もこんな感じにいくつか写真を送っていただきました。横裏板は工房で選ばせていただきました。一番黒っぽいやつを選びましたよ(^^)
こうやって、ていねいに愛情をかけて作って下さったと思うと胸が熱くなります。

記念日にこうしてギターを作ってもらうというのは良いものです。
今回の経験で強く実感しました。
ギターを愛するみなさんにも是非おススメいたします(^^)/
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