上谷直子さんと動画コラボ!~対談と演奏
去る(2026年)3月1日にギタリスト上谷直子さんのスタジオにお邪魔し、コラボ動画として対談と演奏を収録してきました。
上谷さんとの収録は一年ぶりになりますがこの日のコラボもわたしたちの所有する二つのギターを中心に楽しくおしゃべりしました。
今回のギターは上谷さんがスイスのモーリス・オティガー(Maurice Otiger)作、わたしがドイツのヘルマンハウザー三世(Hermann HauserⅢ)作でどちらも1991年に作られたものでした。
オティガーは少なくとも日本ではかなり珍しい作家でわたしも上谷さんのこの個体しか見たことがありません。リュート製作(ギターも作っています)で高名なヤコブ・ファン・デ・ゲースト(Jacob J.van de Geest)の弟子筋で、リュートとギターを作っているとのこと。サテンフィニッシュのボディ、ブリッジの形状およびメイプル材を使用している点、口輪が一般的なモザイクと異なり刃物で彫りこんだ造形になっているところなどがユニークで古楽器風味を醸していますが、現代の演奏にも対応する豊かな響きを持っていました。
一方わたしのハウザー三世は「ソロモデル」と言われるショートスケールで弦長が625mmとなっています(現代のギターは一般的に650mmが標準と言われます)。ボディシェイプも丸みを帯びていわゆるセゴビア型とは大きく異なり、こちらもハウザーのモダンギターとしてはかなり珍しい部類ですね。
スペインのギターとはまた違ったニュアンス、味わいも楽しんでいただけたらと思います。
動画は前後編に分かれていて以下をクリックしてご覧ください。
なぜ楽器が欲しくなる?ハウザーⅢ (ショートスケール)|クラシックギター談義【前編】
https://www.youtube.com/watch?v=PUeencrn2dg
上谷直子✕長谷川郁夫 クラシックギター談義~後編 
https://youtu.be/hBxN4VNbyBs
演奏の方はこちらの2曲
デュオ第1番(ソル)~上谷直子さんと
https://youtu.be/W7xW8P6p8_w
F. カルリ:対話風小二重奏曲 第5番, op.34-5
https://www.youtube.com/watch?v=Zs5fUuMhKdM
《曲目について》
デュオop.55-1
ソルのop.55は3つのデュオがセットで、こちらはよく「デュオ第1番」と呼ばれています。アンダンテとアレグレットの二つの楽章で出来ており、伸びやかで品の良いメロディが堪能できる佳曲です。教育目的で書かれた作品で楽譜冒頭にはソル先生からのメッセージが書き込まれています。
曰く「この作品から、私が与えようと努めたすべての成果を引き出そうとする者は、指使いから逸れないよう細心の注意を払い、また常に手を正しい位置に保たなければならない。すなわち、指を指板の前に置き、必要以上の動きを与えないようにすることである。第1パートを弾いたあとには、第2パートを学びなさい。そしてそれを流れるように弾けるようになったとき、自分でも気づかないうちに身についていた進歩に驚くことになるだろう。」
カルッリの方は6つの小二重奏曲op.34より。カルッリの代名詞とも言えそうなト長調のロンド(第2番)が入っているシリーズからヘ長調の第5番を演奏しています。可愛らしいチャイムが響くようなロンドの冒頭が魅力的ですし、2台のギターが対話するように進む様子やメジャーとマイナーの表情の揺さぶり、突然のパウゼなど人を楽しませるサービスがいっぱいちりばめられた実にカルッリの「らしさ」を感じる一曲です。上谷さんとはこのop.34はぜひ全曲の演奏を収録したいと相談しています。



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